ネットショッピングの台頭により、今、多くの企業が食品を低価格で提供するために価格競争を余儀なくされています。

 特に、競合の熾烈なアメリカでは、チェーン小売業が効率的な大量生産を可能にする(空から農薬を広大な土地に散布しても耐え得る)遺伝子組み換え商品を扱うことで消費者にお得感を提供しようとしているのです。

 遺伝子組み換え商品は、本当に安全で安心できるモノでしょうか?

 消費者に安全・安心を訴求するために、私は売る側が遺伝子を組み換えるという人為的作業をどう捉えるかをはっきりさせないといけない時期にていると思います

食品の遺伝子組み換えは、なぜ起こったのか?

 そもそも遺伝子組み換えはなぜ必要だったのでしょう。

 その理由は、売り手が、生産性(腐りにくい、害虫に対する抵抗性アップ、冷害塩害に強い)と食品機能(味が良い、栄養成分強化など)を向上させ、さらなる利益を生み出す仕組みをつくり上げたかったからです。

 食品機能がアップした商品は値頃感もあり、多くのアメリカ企業が遺伝子組み換え商品を扱うようになりました。

 しかし、ここに来てヨーロッパの遺伝子組み換えバッシングが飛び火した結果、遺伝子組み換えは生産者も生産を敬遠するムードが漂ってきています。

 遺伝子組み換え商品は、例えると化学式で精製される即効性のある西洋の新薬と同じです。安全性を裏付ける科学的データが十分にそろわないこともあり、消費者はすぐ効果(おいしくて、栄養補給ができるなど)を期待できる食品は、よく効く薬に強い副作用があるのと同じであると理解し、継続的に飲み続ける(食べ続ける)ものではないと思い始めているのではないでしょうか。

大量生産が生み出す付加価値とは何か?

 世界最大の小売業ウォルマートは、600店を超えるスーパーマーケット(SM)と5000店を超えるスーパーセンターを経営しつつ、地元の農家と密着することで地域に必要と言われる店舗を作り出そうとしています。

 方や、300店を超えるホールフーズ・マーケットは非遺伝子組み換え商品を幅広く扱うことで、健康なライフスタイルを提供する店舗を構築しています。

 日常の食を補完するSMを中心とする食品小売業が、3桁の店舗の棚を商品で埋め尽くすには大量生産された商品無しでは不可能なのです。

 では、大量生産と遺伝子組み換えを共存させた安全・安心を訴える店舗はつくれないのでしょうか?

 そのためには、これからは安全で安心なNON GMO(非遺伝子組み換え)の商品を強化すると宣言することが第一歩になるでしょう(アメリカのみならず日本の家畜の多くが遺伝子組み換えのトウモロコシを飼料にして育てられている事実が既にあるわけですから)。

 その上で消費者に、遺伝子組み換え商品の詳細を開示することで、大量生産した商品を扱う意義(地域の方々の日々の食生活を補完する)と意味(手の届く価格)を納得してもらう売場をつくるしか方法はないのです。