ケルンの住宅地に立地するアルディ。建物は非常に簡素で装飾もない。レーベのSMの隣に立地している。

 ドイツ発祥のハードディスカウントストア(HDS)、アルディとリドルがヨーロッパ、アメリカを中心に勢力を拡大している。

 2016年度世界小売業ランキング(二神康郎、月刊『販売革新』2017年10月号)では、リドルが主力企業であるシュバルツグループは第7位、アルディは10位に位置し、いずれも10兆円規模の売上げを上げている。

ほとんどの商品はケースごと陳列するフロアレディマーチャンダイズ(FRM)の形になっている(写真はアルディ)。

 言うまでもなく、その武器はアメリカでリミテッドアソートメントストア(限定的な品揃え店)と呼ばれるほどに絞り込まれた商品がつくり出す「低価格」にある。

 しかし、それだけではない。最近では商品力の強化やラインロビングなどを通じてよりスーパーマーケット(SM)としての機能が充実してきている。さらに各国の食品マーケットのトレンドと同期する形で、ビオ(オーガニック)など付加価値のある商品の取り扱いも増えている。

店頭にチラシを掲示している。以前から継続している販促手法(写真はアルディ)。

 結果として、既存のSM、さらにビオの商品などを主力とする高付加価値型の店などは、その差別化の武器を失いつつあるといえる。

 そうした状況下、ドイツだけでなく、HDSが勢力を拡大する各国では、既存SMが生き残り策として、主に①高品質商品の取り扱い、さらに②惣菜(デリ)およびイートイン機能の強化という2つの方向性を採用しつつある。

 これは、ディスカウントストアやドラッグストアが低価格で攻め込む日本の状況とも似ている。

 ただし、例えば、アルディが3カ月限定とはいえ、ケルンに続いて10月13日からミュンヘンでアルディビストロを営業し、自社の商品で作られた料理を提供する動きがあるなど、HDSも進化を遂げている。

 SM側にも、こうした「追い上げ」に対する進化が常に求められている。

アルディにはビオ(オーガニック)の商品も多い!

店内に入ると、まずは外壁に沿ってワンウエーコントロールで店の奥まで誘導。売場先頭には青果ではなく、加工食品を展開している。
パンもFRM。サンドイッチ用のパンは750gで85セント(約114円)。

 

商品の中には「ビオ」のものも数多く存在する。HDSでもビオの品揃えは必須となっている。
オープン冷蔵ケースでは、惣菜などレディ・トゥ・イートの商品も販売。冷惣菜のサラダやサンドイッチの他、寿司の品揃えもある。

 

プライベートブランド(PB)商品の品揃えが多いが、ナショナルブランド(NB)も取り扱っている。
青果は中央部で傾斜平台形式にて販売。陳列は通い箱、あるいは段ボールのケース単位を徹底している。