「探索型」はこの3つを守れば、失敗を防げる!

 探索型の分析の注意点は3つある。これらを守ることで、データ分析の失敗を防ぐことができる。

 1つ目の注意点は、「要因はコントロールできるものに限定する」こと。

 例えば、売上げに影響を与える要因として「雨の日数」を挙げたとしよう。雨の日が多ければ客足は遠ざかり、売上げは減少するだろう。

確かに、これは売上げに影響を与える要因と考えられなくもない。しかし、「売上げを上げるには、雨の日を減らす必要があります!」と提案されても、受け手は必ず「どうやって?」と返してくるだろう。

 天気はそもそもコントロールできないからだ。コントロールができなければ、それを改善することも当然できない(これは極端な例だが、商圏の「年収」や「家族構成」などコントロールできないはずのものを、分析要因として用いられている場面を小売業のデータ分析ではよく見掛けるのだ)。

 2つ目の注意点は「領域を絞る」こと。

 今回の例に合わせると、売上げ減少の要因が一つだけということは稀である。多くの場合、問題は複数存在しており、それを認識すると全てに対応したくなる。

 しかし、同時に複数の問題に取り掛かるとリソース不足が発生する。データ分析に慣れていない場合はなおさらだ。それにより、十分に分析ができず、成果を上げられないまま、取り組みは失敗してしまう。取り組むべき領域が複数ある場合は、売上げ規模などで優先順位を付けて領域を絞ることが重要になる。

 3つ目の注意点は「アクセサビリティ」である。

 例えば、カテゴリーの売上げを増やす場合、来店客数の増加もしくは購入経験率の上昇が必要である。前者は成功すれば効果は大きいが、普段から来店している人を対象にしている場合だけではなく、店頭施策などの施策の効果が届きにくいことも考えられる。これに対して、後者は既に来店している顧客が対象となるため、店頭施策などを届けやすく、ID-POSで嗜好を把握することも可能になる。つまり、後者の方が成果を上げやすいことになる。

 この3点を意識すれば、探索型のデータ分析は今よりも成果が上がっていくはずだ。

「仮説検証型」ではPDCAサイクルを回す!

 仮説検証型はPDCAサイクルを回すことである。DMや棚割りなどの売上げ増を見込める仮説(Plan)を考え、実際に店頭施策を実施し(Do)、その効果を把握(Check)することで、次の施策の改善(Action)を行う(図表②)。

 

図表② 店頭施策におけるPDCA

 このサイクルを回していくことで、店頭施策が精緻化され、顧客にも取り組みが徐々に認知され、大きな成果を生み出せるようになる。

 しかし、PDCAサイクルが継続的に回り出すことは残念ながら少ない。1サイクル回るか、最悪の場合は途中で取り組みが終わることもある。では、そのようにならないために、どのようなことが必要になるのか?

 こちらも注意点は3つある。