建物は4階建てで売場は1階と2階、作業場は2階に設置。3、4階は外部の保育園が入る。生鮮の店内加工は2階で行うが、精肉、鮮魚、特にミールキットの「クイックパン」など一部商品は中延店で製造した商品が供給される。

 セブン&アイグループが新たに手掛けるスーパーマーケット(SM)の新フォーマットである「COMFORT MARKET(コンフォートマーケット)」の2号店が3月27日にオープンした。

 1号店は昨年の8月2日オープンのため、8カ月弱での2号店オープン。今回オープンした西馬込店は都営浅草線西馬込駅南口から徒歩約1分に立地。1号店の中延店(東京都品川区)と同じく国道1号線沿いにあり、2店の距離は約2.3kmと近い。また、共に都営浅草線の駅至近に立地し(中延店は東急大井町線駅にも近い)、その間はわずか2駅という近さだ。

 一般的なSM同様、半径500m圏を中心に1㎞圏程度までを商圏としているため、ちょうど商圏はかぶらない。西馬込店は中延店と比べ、人口、世帯数共に若干少ないが、世代が若く、また、西馬込駅の南口からすぐのところにあり視認性も高いということもあって、中延店と比べてもよい立地であると考えているという。

 売場は2層、売場面積は550㎡(約166坪)で、566㎡(約171坪)の中延店とほぼ同じ。取扱SKU数は5200。1号店の中延店は、登録SKU数5500でスタートし、ニーズなどを踏まえ品揃えの拡縮を行い、現在のところ5000弱になっていることから、西馬込店では中延店からやや品揃えが増えているということになる。全体的に増やしたが、特に青果、グロサリーは増えた印象だ。棚の高さも中延店より高めた。

 1号店は商品調達に関して、既存のセブン&アイグループのスーパーストアとは一線を画し、加工食品を含め独自の商品を開発し、グループのプライベートブランドの『セブンプレミアム』も品揃えしなかったが、それは今回も同様。

 中延店はオープン後、「厳しい」(井阪隆一・セブン&アイ・ホールディングス社長)との声もあったが、この間、お客の声を聞きながら売場、サービスの試行錯誤を実施し、順調に売上げは伸びてきているという。ミールキットを強化するなど当初のメインターゲットを働く人に設定していたが、それ以外にも小さな子どものいる人や高齢者などからの幅広い支持を集めるなど開発商品への支持も高まっている。時間帯としては、仕事帰りの夕方以降の集客が多いという。

「日常+提案型商品」で品揃え強化、内装や照明も変更

1号店では青果売場を2階に配置していたが、西馬込店では1階の売場先頭に持ってきた。壁面側のスタートはバナナ売場。隣接してオーガニック野菜を展開している。

 中延店は至近に東急ストアフードステーション中延店という競合を抱えるが、西馬込店の場合、競合店として国道1号線の反対側に文化堂西馬込店がある。そのため、価格でも特にナショナルブランドや日常的に使う商品については競合店を意識した設定とした。その上で、オリジナル商品や提案性を高めた商品について高単価の商品を含めて売り込む。たとえば、コーヒーでは長野県軽井沢町の丸山珈琲の商品や榮太樓總本鋪の「にほんばし えいたろう」の菓子をコーナー展開したり、文明堂のカステラやにんべんの白だしなど、商品によってはこだわりのラインを差し込んでいる。

グロサリーは陳列棚の高さを高めるなどして品揃えを強化。長野県軽井沢町の丸山珈琲のコーヒーをコーナー化するなど提案性を高めた商品も差し込む。

 コンセプトは中延店と同様、「べんりでゆたか」だが、西馬込店では、さらに「毎日のお買い物をワクワクして楽しんでいただけるようにしたい」ということで、より日常性の要素を強調。そのために、まず内装を変えた。中延店が白を基調とした明るいものだったのに対し、西馬込店は天井をスケルトンにした上でスポットライトを多用しており、全体的にやや暗めの落ち着いた雰囲気にしている。床や什器には木目調を取り入れ、親しみやすい、温かみのある空間を目指した。

1号店の中延店と同様、1階の中央付近には円形のカウンター形式の惣菜売場を設置。中延店で1日当たりシリーズ計で1000個売れたという店内製造のコロッケなどの対面販売を行う。中央部分には商品を運ぶエレベーターがあり、2階の作業場から店内製造の商品を運ぶ。

 また、ゴンドラを高くした他、惣菜の陳列の高さを高めたりすることで、商品が迫ってくる感じが強まっている。1号店と比べ通路も狭めで、全体的に売場の密度がかなり高くなった感がある。雰囲気としては、「SMらしさ」が1号店と比べて断然強まった印象で、その意味では「親しみやすさ」の実現に成功している。

青果を1階の売場先頭に配置、精肉、鮮魚は2階に

 レイアウトも大きく変更。売場が2層であるのは中延店と同じだが、中延店が1階に惣菜と酒、洋日配と飲料を配置していたのに対し、西馬込店は1階の壁面側の売場先頭にバナナから始まる青果を配置。その内側に惣菜を配置する形となっている。

惣菜はコンフォートマーケットのフォーマットとして最大の強化部門。弁当は店内製造、アウトパックを組み合わせて展開する他、中延店オープン当初はなかったおにぎりも展開するようになった。
円形のケースではサラダなど冷惣菜の量り売りを初めて展開。
すしは鮮魚部門が担当し、店内製造で海鮮丼、にぎりずしを展開。にぎりずし、惣菜のオードブルなどは大型の盛り合わせなど予約販売にも対応。中延店で問い合わせが多いことから展開するようにした。

 そのまま壁面沿いに青果売場を進むとエスカレーターがあり、上ると和日配、そして壁面沿いに精肉、鮮魚売場となる。

エスカレーターで2階に上がった先頭にはチーズ、加工肉売場。続いて和日配売場となる。
精肉は店内に作業場はあるものの、外部プロセスセンターからのアウトパックを多用している他、中延店で加工した商品も展開している。ノントレーの商品も多数展開。かなりの小量目の商品もそろえており、好評だという。
冷凍の商品を強化。素材系商品の品揃えもかなり充実している。中延店オープン以降、「クイックミート」「クイックシーフード」といったオリジナルの味付けをしたレディトゥクック商品がラインアップに加わっている。手前の平ケースは冷蔵のオリジナルのミールキット「クイックパン」シリーズ。2人前が基本で一部1人前の商品を含め全8SKU展開。店内製造ということもあって2人前で298円~498円と値頃で提供。たれもシェフが開発したオリジナルのたれを店内で作るなどこだわっている。
鮮魚売場は、ライブ感を演出するためガラス張りで加工している様子が見えるようにした。加工の注文も受け付ける。問い合わせが多かったことから、メニュー提案の情報を掲示している。

 その後は冷凍食品へと続き、グロサリー、菓子、酒、日用品という流れで買物ができるようになっている。

1号店から展開している瞬間凍結技術を活用した冷凍食品の品揃えを充実させている。日本酒の南部美人やおにぎりなど1号店オープン時から品揃えしている商品に加え、丼物など惣菜やタピオカなどデザート系の商品などラインアップが充実してきている。
酒売場は1号店では1階に配置されたが、西馬込店では2階の奥に変更。冷蔵ケースではクラフトビールを含むビール系やレディトゥドリンクなどを展開する他、常温のゴンドラや壁面でもワインや日本酒など豊富に展開。

 エスカレーターで1階に移動するとレジに向かうまでの間に惣菜売場、デザートなどの洋日配売場、壁面側の飲料売場を経て、最後にインストアベーカリーを回ることができる構成になっている。

洋日配の冷蔵のデザート系は1階の島型のケースで展開。ケーキ、プリン、ゼリーなどの他、パティシエが開発したクッキー生地のオリジナル商品「手作りシュークリーム」(140円)などこだわりの商品を販売する。
インストアベーカリーは拡充。中延店オープンから展開するちぎりパンの他、プラミアム生食パンなども数量限定で販売。また、500℃の高温で焼き上げるピザ窯を導入し、ピザを初めて展開。生地を18時間寝かせるなど、店内で粉から作っている。

 イートインは1号店同様、設置していない。レイアウトに関しては、中延店のお客の声の他、西馬込店の商圏調査などから青果の需要が強く、また、特に野菜は購買頻度が高いということもあって1階の先頭に持ってきたという。

 中延店のように惣菜と酒の組み合わせも悪くはないが、今回、あえて青果と惣菜を持ってきたのには購買頻度の高さに加え、即食という要素もありそうだ。たとえば、縦長のカップで売られている「ミニプラムトマト」(248円、本体価格、以下同)は、へたがないためスナック感覚で食べられる商品だが、中延店で非常に良く売れているという。果物も含め、こうした即食という点も惣菜との組み合わせによる可能性を感じさせるものだ。

果物から壁面に沿って冷蔵の野菜売場につながる。写真中央付近で販売されている「ミニプラムトマト」(248円)は、へたがないためスナック感覚で食べられる商品。中延店でも好評を博している。

 コンフォートマーケットの大きな特徴として、アプリを通じて買物をし、それを店に設置してある冷蔵のロッカーに取りに来るという買物スタイルを推奨していることがあったが、それは2号店も同じ。ロッカーは中延店より2口多い30口を設置している。中延店では日による違いはあるものの、一定の利用はあるという。

レジはセルフレジ7台、有人レジが5台。セルフレジのうち完全キャッシュレスが5台。中延店ではオープン当初、全てセルフレジとしたが、現在では有人レジも導入している。

 販促については、アプリなどでも積極的に行っているが、それ以外にチラシについても新聞折り込みやポスティングも実施している。

 従業員数は社員7人、パートタイマーが8時間換算で22人の全29人で、オープン時34人だった中延店よりやや少ない。ただし、中延店がオープン時に社員を部門に配置しない形で3人としていたことからすると社員が増加していることが分かる。

  • COMFORT MARKET西馬込店
  • 所在地/東京都大田区西馬込2-21-3
  • 営業時間/平日10時~22時45分、土日祝日8時45分~22時
  • 提携駐車場/NBパーキング西馬込(5台)、Dパーキング西馬込2丁目第1(6台)〈当日2000円以上の買い上げで30分無料〉
  • 駐輪場/36台(うち駐輪機26台)、バイク置場あり
  • 延べ床面積/1457㎡
  • 売場面積/550㎡
  • 従業員数/29人(社員7人、パートタイマー22人、8時間換算)

 

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