ドンキ流圧縮陳列ではなくDS的量販陳列

 1号店は間口2.5ブロック×奥行き5ブロックの960平米に150ブランドの3万3000点をそろえているが、店頭から一見してドンキ流圧縮陳列に見えるのは店頭左端のシーズンカットソーと服飾雑貨のワンブロックだけで、他の10ブロック(エントランスとレジ、集合フィッティングルーム(FR)で1.5ブロック取られている)はむしろ同一商品の縦積みが目立った。

縦積み商品

 圧縮陳列に見えるワンブロックも、ドンキ流の派手なPOPの満艦飾がそう見せるだけで、実際は同一商品の大量陳列がほとんどだ。290坪に150ブランドの3万3000点ということは、14%ほど混じる小売店(Macy’sが大半)の放出バラ残品を800品番の4600点と見れば、縦積み商品はざっくり1000品番の2万8400点ほど。86%を占める縦積み商品だけ取れば、1品番当たり0.25坪という量販陳列で、肌着や靴下の一部は棚割り陳列して後方から補給しているように見える。

ドンキ流POPの満艦飾とOPS事業推進本部 本部長の小田切正一さん
棚割りがそろう商品も

 これは低コスト海外調達ゆえの機会の限定とロットの大きさが要因であり、ブランドのバラエティも品番のバラエティもオフプライスストアとしては限られ、むしろディスカウントストアに近い。調達を海外に限定して国内の多様な調達機会に目をつむったため、バラエティも鮮度も限定されたきらいは否めない。今後の販売消化に機動的に対応するためにも、広範な顧客に分かりやすいブランドぞろえを実現するためにも、国内メーカー/問屋/二次流通業者も活用すべきと思われる。

 売上予算は開示されなかったが、商品単価2000円から当初値付け総在庫は6600万円、坪当たり22万7000円ほど。ユニー衣料品の販売効率と同じなら年商は2億円、在庫回転は3回、セオリー通り1.5倍の販売効率となるなら年商は3億円、在庫回転は4.5回まで伸びる。車アクセスに限られた郊外生活商圏の低効率GMS内だけに、広域から集客して爆発的売上げとなる可能性は低く、このレンジのどこかに収まることになるのだろう。

スニーカーの集積がすごい

ドンキ流オフプライスストアは未完成

 ドンキの「オフプラ」を総括すれば詰めのバランスを欠いた未完成業態と言わざるを得ず、以下4点の解決が急がれる。

1)グローバルブランドばかりでローカルブランドがない

 海外調達に限定してはブランドのバラエティも品番のバラエティも顧客の幅も狭くなり、フィットや価格表示にも課題があるから、好ましい選択とは思われない。国内調達なら今シーズン品も部分的ながら調達可能で、鮮度訴求という点でも早々に国内ルートに門戸を広げるべきだ。都心のドン・キホーテ内店舗なら差別化になるのだろうが、郊外生活圏MEGAドン・キホーテ内も含めた多店化を意図するなら、ローカルブランドの調達は必須と思われる。

2)ブランド数と品番数が限られ同一SKUを縦積みするディスカウント型

 国内ブランドのバラエティを欠くため全体にブランドの幅がなく、品番数も限られて同じ商品を縦積みする広域ディスカウントストア型で、生活商圏立地とはギャップがある。国内とりわけ女性向けの知名度あるブランドを拡充し、生活商圏の日常消費に対応すべきだ。

3)価格表示が統一されておらず市場価格(正価)と比較できない

 海外調達ゆえブランドの小売価格が不明確で、それをカバーするCOMPARE PRICEなど元正価との比較表示が定まっていない。売価変更と店間移動による消化プロセスも含め、根本的な問題だから早急に解決すべきだ。

4)少人数運営のセルフ販売だが姿見やFRが極めて少ない

 レジカンターでの精算とマテハン/陳列に人員を集中して売場に人員を配さず、セルフでの購買を前提としているが、売場内の姿見やお試し空間など、それに必要な購買プロセスの設計が甘く顧客の購買がスムースに進まないリスクが指摘される。売上げに直結する課題だけに、早急な解決が望まれる。 

子供服売場には一切姿見がない