2011年創業のコーヒーショップチェーンの猿田彦珈琲は3月21日、JR原宿駅新駅舎内に、東京23区内の最大店舗「猿田彦珈琲The Bridge原宿駅店」をオープンした。

 同日に使用開始された原宿駅新駅舎の明治神宮口改札前の2階へのオープン。約84坪、約120席のハードに「たった一杯で、幸せになるコーヒー屋」を目指す猿田彦珈琲の世界観を表現した。今回使用開始となった新駅舎には、2階の猿田彦コーヒーの他は1階にコンビニのNewDaysが出店するのみ。貴重な場所への大型店の出店で、同社としても大きな転換点と位置付けている。

同店限定ラインのコーヒーライン「The Bridge」を初展開

 そうしたこともあって原宿駅店では同店限定のコーヒーラインとして、店名と同名の「The Bridge」を初めて展開。各国最高峰のコーヒーを独自に厳選しブレンドした「猿田彦の夜明け–THE RISE OF SARUTAHIKO–」などを初めて取り扱う。

店名および同店限定コーヒーラインの名称に使われている「The Bridge」は、表参道から明治神宮にかけて架かる神宮橋と五輪橋が店舗の隣に位置することに由来。さらに「コーヒーのつくり手とお客様、日常と非日常、過去と未来をつなぐ架け橋のような店舗でありたいとういう想い」も込められている。

 コーヒー業界のアカデミー賞とも言われ、最高品質コーヒーにのみ与えられる栄誉ある称号Cup of Excellence入賞のコーヒーやゲイシャ品種のコーヒー、同店舗限定のシングルオリジンコーヒー(常時3、4種類)の他、ウイスキー樽で熟成させた「バレルエイジドコーヒー」などを展開。これまで取り扱ってきたコーヒーのプライスレンジの枠にとらわれず、猿田彦珈琲独自の視点でリアル店舗ならではの「最高品質のコーヒー体験」を提供するという。もちろん、通常のラインのドリップコーヒーも提供する。

「The Bridge」の代表的な商品となる「猿田彦の夜明け-THE RISE OF SARUTAHIKO-」は、さまざまなコーヒー業界の先人の声に改めて耳を傾け、猿田彦珈琲独自の視点で作り上げた。

 各国最高峰のコーヒーのみを厳選した他、酸素を遮断した状態での発酵プロセスであるアナエロビックファーメンテーション(嫌気性発酵)がなされたコーヒー、花のような香りを放つゲイシャ品種のコーヒー、さらには猿田彦珈琲オリジナルのバレルエイジドコーヒーをブレンドした。原産国はパナマ、コスタリカ、エチオピア(バレルエイジド、アナエロビック)、グアテマラ(ゲイシャ)。ドリップで900円(本体価格、以下同)で提供する。

同店限定のグランコレクションは1杯1000円程度で10種類程度展開。「猿田彦の夜明け–THE RISE OF SARUTAHIKO–」は半年以上かけて開発したブレンドで、1杯900円。
「猿田彦の夜明け–THE RISE OF SARUTAHIKO–」、1杯900円。アナエロビックファーメンテーション(嫌気性発酵)、バレルエイジドコーヒーなどがブレンドされているため、通常のコーヒーとは香りがかなり異なる他、酸味が抑えられた味になっている。

国産ウイスキーで使用された樽で豆を熟成

「バレルエイジドコーヒー」は、コーヒーの生豆をウイスキー樽で寝かせ、ウイスキー特有の香りを豆につけた後に焙煎したコーヒーのことで、同社では長野県上伊那郡宮田村にあるマルス信州蒸溜所(本坊酒造)の国産ウイスキー「マルスウイスキー駒ヶ岳」に使用された樽でコーヒー豆を熟成している。ウイスキーが持つバニラやシナモン、ドライフルーツのフレーバーとコーヒーとが新たなハーモニーを生み出すという。

「猿田彦の夜明け-THE RISE OF SARUTAHIKO-」のブレンドに用いられる他、「バレルエイジド シングルオリジン」(バレルエイジド×Cup of Excellence入賞コーヒーなど)として、原産国エチオピア、ブラジル(2種類)の深煎りを時価で提供する。

ドリップバッグは5袋入りの巾着仕様で1500円。豆は100g当たり1800円。ドリップバッグや豆は今後他店でも取り扱う予定。
大型店としてフードメニューを充実。同社では池袋店などで、自社工場で製造するパン「オキーニョ」を展開しているが、そのパンを使ったサンドイッチやクロワッサンを展開する。スイーツでも専門店「ルラシオン」の洋菓子の他、和菓子も仕入れて展開する。
同社では、ルミネ新宿ルミネ1の1階の店でアイスクリームの「ティキタカ アイスクリーム」を展開しているが、原宿店でもアイスクリームを展開。一番人気はピスタチオが強く感じられる「ビーボ ピスタチオ」。他、「和三盆みるく」や女性に人気の「いちじくワイン」など。

 また、原宿駅駅舎への出店ということで、駅長、駅員などとコラボレーションした商品を開発し、同店限定で販売している。原宿駅と共同開発したブレンドコーヒーの原宿駅監修「原宿ブレンド」(ドリップ540円、豆100g当たり900円)の他、原宿駅とアメリカ発のミルクガラス製食器ブランドFire-King(ファイヤーキング)とのコラボレーションによる原宿旧駅舎をモチーフとしたスタッキングマグ、さらにバッグメーカーのポーターと開発したトートバッグなどグッズも展開(トートバッグは5月発売予定で、原宿店とその他数店舗で販売予定)。

注文後、商品の提供を待つスペースではBGMにもこだわった。Fantastic Plastic Machine(FPM)の田中知之氏監修の下、店内音楽と外の声が混ざり合う音からインスピレーションを受けたBGMを表現。床に置かれたスピーカーから音楽を流すのと同時に天井からのスピーカーからはSE(サウンドエフェクト)を流している。
グッズ販売も充実。Fire-King(ファイヤーキング)とのコラボレーションによるスタッキングマグは、都内最古の木造駅舎である原宿旧駅舎をモチーフとしている(3600円)。バッグメーカーのポーターと開発したトートバッグはコーヒー豆型で、パカマラ(Lサイズ、1万7000円)とティピカ(Sサイズ、1万5000円)の2アイテム。
STANLEY(スタンレー)とコラボレーションした真空断熱ステンレスマグを同店限定で販売(4000円)している他、店でも使っている茶缶や陶芸家の内田鋼一氏監修のマグカップや皿を販売している。

 特別な店ということで、ドリップコーヒーの提供にも工夫を凝らす。これまでハンドドリップをしていたが、駅舎内ということで多くのお客に提供するということもあって同店では全てマシンドリップに変更。ハンドドリップの技術をプログラミングした自動抽出の機器である「modbar」を導入している。同製品はカウンターの下に機器を設置するため、設備的にすっきりしていて、お客とのコミュニケーションなども図りやすい。

マシンドリップの機器として「modbar」を導入。5台一組で、同製品はカウンターの下に機器を設置するため、設備的にすっきりしていて、お客とのコミュニケーションなども図りやすい。

 店舗設計はSUPPOSE DESIGN OFFICE Co., Ltd.(サポーズデザインオフィス)が担当。「日本の“路地”」をコンセプトとして、高さを感じるため「低さ」、広さを感じるための「狭さ」などを活用して奥行きとリズムを生み出すことで、路地に迷い込んだような空間づくりを目指した。

日本らしい色彩感覚や間を作るための余白も設計しながら、あらゆる人にとっての過ごしやすさを意識した店舗設計とした。内装は吹き抜けで自然採光になっている一方で、ところどころ軒が低くなっていたり障子や畳をモチーフにするなど「和の空間」もミックス。
線路の真上に立地しているため、窓からは電車が通過する様子が見える。
  • 猿田彦珈琲The Bridge原宿駅店
  • 所在地/東京都渋谷区神宮前1-18-20原宿駅2階
  • 営業時間/8時~22時(フードLO21:30)
  • 面積/約84坪
  • 席数/約120席