3月7日に開店した「アンドブリッジ」の2号店

「アンドブリッジ」が3月7日に2号店を相模原のニトリモールに開店して年内には5店舗に広げ、「ラックラック・クリアランスマーケット」も3月19日に開店する新所沢パルコ店で5店舗になる。前者は昨年9月、後者も4月に1号店を開設して間もなく、手応えを得て早くも多店化に移っている。3月24日にはドン・キホーテもオフプライスストア「オフプラ」の1号店(960平米)を名古屋郊外のMEGAドン・キホーテUNY大口店内に開設する。米国では百貨店を凌駕するまで成長したオフプライスストアが、わが国でもいよいよ離陸しつつある。

・アンドブリッジ

 ワールドとゴードン・ブラザーズ・ジャパンの合弁会社アンドブリッジが展開するオフプライスストア「アンドブリッジ」は昨年9月14日、埼玉・西大宮のにしおおみやファッションモールに1号店(300坪)を開設し、3月7日には相模原のニトリモールに2号店(150坪)を開設。今年中に5店に広げ、22年末までに30店を布陣する。東京圏郊外の16号線の外側には300〜400坪級の大型店をロードサイドやパワーセンターに、内側には150坪級のコンパクト店を商業施設に出店していく計画だ。

 開店から半年が経過した西大宮店の売上げは年間3億2000万円〜3億3000万円ペースで、レディスウエア40%、キッズウエア15%、シューズ12%、雑貨13%の比率。メンズウエアは当初の25%から30%に上がってきた。1人2.3〜3.0点の購入で客単価は5500円ほど。売場サイズを西大宮店の半分の150坪にコンパクト化して衣料品・服飾品に絞った相模原店は駅ビルブランドや百貨店ブランドを充実して客単価を6500円に上げ、西大宮店より販売効率が2割強高い2億円の売上げを見込んでいる。

 同社はSCブランドや駅ビルのお手頃ブランドを「Good」(単品正価1万円未満)、駅ビルの専門店ブランドから百貨店の平場ブランドまでを「Better」(単品正価2万円未満)、それ以上を「Best」と位置付け、毎月の品揃えをクラスとカテゴリーで枠組んでいる。西大宮店では開店当初50%を占めていた「Good」が40%に減って「Better」が35%から45%に増え、「Best」は15%で変わっていない。ワールドのブランドが30%程度を占め、同クラスの「Better」ブランドが集めやすく消費者の認知度も高いことから、今後は「Better」ブランドを主軸にしていくと見られる。

 値引き訴求はブランド正価からのオフ率表示で、中価格ブランドの「ディスカウント訴求生活圏型OPS」と位置付けられる。

・ラックラック・クリアランスマーケット

 

 ゲオグループの子会社ゲオクリアが展開するオフプライスストア「ラックラック・クリアランスマーケット」は昨年4月25日、横浜のコーナン港北インターに1号店(427坪)を開設して以降、大阪の八尾(221坪)、金沢の御経塚(219坪)、埼玉の本庄ビバモール(350坪)と矢継ぎ早に出店し、3月19日開店の新所沢パルコ(224坪)、4月24日開店の岸和田カンカンベイサイドモール(197坪)で6店になる。今年中に5店舗以上出店し、来年以降は10店舗以上と出店を加速する。

 開店から10カ月が経過した港北店の売上構成はレディスウエア25%、メンズウエア25%、キッズウエア12%、スポーツウエア3%、シューズと服飾品20%、ホーム関連15%で、客単価は3000〜3500円。売上げは明らかにしていないが、似たような立地の衣料スーパーと大差ないようだ。

 そろえているブランドはSCブランドや駅ビルブランドが中心で、メジャーなスポーツブランドやワークブランドはあっても百貨店ブランドから上はなく、ホリュームブランド(アンドブリッジでいう「Good」)に絞っている。150社ほどのアパレルメーカー/問屋/二次流通業者から調達しており、小売店の売れ残りは仕入れていない。値引き訴求はブランド正価からのオフ率表示で、お手頃ブランドの「ディスカウント訴求生活圏型OPS」と位置付けられる。

・タカハシ

 

 日本のオフプライスストアにはタカハシという先駆者がいる。東京圏西〜北部の16号線の外側に37店舗のドミナントを形成し、19年8月期で72億7560万円を売り上げている。平均163坪のウエアハウス型のローコスト店舗はスーパーマーケット型のレイアウトで選びやすく補充しやすいようアドレス管理されており、近隣商圏の顧客を捉えて2億1100万円ほどを売り上げている。

「Good」ブランドから「Better」ブランドに比重を移すアンドブリッジ、「Good」ブランド中心のラックラックに対してポピュラープライスの量販ブランドに絞っており、価格表示も◯◯%オフでなく「ワンピース980円」などプライスライン表示で分かりやすく、安心して買える。近隣顧客に生活衣料を低価格で提供する「プライスライン訴求近隣型OPS」と定義したい。

 タカハシは月々の最適品揃えを実現すべくメーカーや問屋の余剰在庫から選別仕入れしているから、放出在庫を調達するオフプライスチェーンより原価率が格段に高いが、その分、必要なシーズンアイテムがそろって購買頻度が高い。オフプライスストアというより、「流通余剰在庫から選択調達して低価格の品揃えを実現している衣料チェーン」と位置付けるべきかもしれない。