新型コロナウイルスの国内感染者の増加に伴い、旅行、レジャー、外出控えの影響によって客数減となった小売業が多かった。

 アパレル業界では、フランスの『プルミエール・ヴィジョン』帰りの小松マテーレの社員14人のうち、3人から陽性反応が出て、直接の関係はないと思われる国内工場まで操業停止に追い込まれるというショッキングな報道があった。感染発覚後、会社宛に苦情の電話、SNSの書き込みなどがあって、関係はない国内工場まで操業停止の判断を下したそうだが、何とも気の毒の話だ。過剰反応というべきか、うさ晴らし便乗犯というべきか、もう少し冷静になるべきではなかろうか。

 そうでなくてもインバウンド消費が激減、国内移動にまで制限をかける企業も多く、ファッション関連に関した消費マインドについてもマイナスに働くことが予想されるからだ。

  • ・『プルミエール・ヴィジョン』とは、パリで毎年2回開かれる世界規模の国際見本市。ファブリックを中心に糸、プリント図案、服飾資材、皮革素材、縫製業者の6つのブースで構成されている。世界50カ国以上から1000社以上が出展し、来場者は5万人を超える、『プルミエール・ヴィジョン』で提案されるトレンド(カラーや素材感)はファッション業界に大きく影響を及ぼすといわれている。
  • ・小松マテーレは、1943年に石川県で創業した、染色を基盤に多彩な事業領域をカバーする化学素材メーカー。2018年に小松精練株式会社から現社名に変更。

 さて、今年の2月は平年と比べ暖かく、春物商品全般の動きが良かった半面、冬物処分に苦労した企業が多く、厳しかった印象だ。今月は閑散期のそれぞれの企業の売れ筋、取り組みなどを検証したい。

〈1位〉ユナイテッドアローズ(既存店*1売上高101.8%、客数108.2%、客単価93.0%

〈主要施策〉リサイクルプロジェクト「着ない服は捨てずにリサイクル」〈話題の取り組み〉FINALSALE、CHICSTOCKS(国産靴下ブランド)、NIKE新作紹介、試着シェアアプリ『fitom』ダウンロード1000円分ポイント付与キャンペーン〈注目アイテム〉〔レディス〕スタンドネックギャザーブラウス(税込み8690円)、ボリュームスリーブ裾シャツテールカットソー(税込み9900円) 、〔メンズ〕NIKEテックフリースパンツ(税込み1万2100円)

  冬物最終セールの拡大と春物商品の動きが好調だったことで、既存店売上高が前年同月を上回った(営業日数が1日、休日が2日多かった影響は+6%程度と推測)。

 中でもネット通販は18%増。悪天候、コロナ騒動で外出客が減っても、ネット通販の強い企業では影響を軽減できるといえそう。同社が資本参加している(株)fitom開発の試着シェアアプリのダウンロードキャンペーンなど、オンラインシステムの不具合を補うべくネット通販の拡大に取り組んでいるようだ。

〈2位〉ユニクロ既存店*2売上高 100.8%、客数 99.9%、客単価 100.8%

〈主要施策〉今ある冬アイテムにプラスしてマンネリを解消!(春物限定割引の販促)〈話題の取り組み〉Uniqlo UINES DE LA FRESSANGE 2020春夏コレクション発売〈注目アイテム〉〔レディス〕:コットンカシミヤクルーネックセーター(税抜き1990円)、3Dコットン7分袖バルーンスリーブセーター(税抜き2990) 、〔メンズ〕長袖スウエットシャツ(税抜き1990円)

  暖かい日が続いたことで春物の売れ行きが順調、Uniqlo U企画や春物限定割引など定番商品を中心に動いたようだ。

 ワイヤレスブラ(ビューティライト2020年モデル)は、2点で2900円+税、3点目以降は1点につき1495円+税のまとめ買いセールを実施し、テレビCMも投入。しかし、ECサイトで今期モデルの評価投稿を見ると2ツ星コメントが31件、1ツ星が29件(3月6日16時半時点)と他の商品と比べると低評価。ランジェンリー開発には苦労しているように見えた。

 中国の店舗はピークには約半数にのぼる370店舗が休業したものの、2月末時点の休業店舗数は150店舗、3月に入って営業を再開する店舗が増え始めているのは好材料だろう。