ウイルスや花粉症、気温の変化など、体調管理が大切な時期ですね。免疫力の維持には、腸内環境を整えることが重要。そのために見直したいのが「朝ごはん」です。

免疫力の鍵を握る「腸の善玉菌」は加齢とともに減少

 腸内細菌には「善玉菌」と「悪玉菌」の2種類がありますが、善玉菌が多いと腸内環境が良い、つまり「若く、免疫力の高い状態」といえます。データによると、善玉菌は乳幼児期が最も多く、加齢とともに減少、免疫力の低下にもつながっていきます。

 

「日本の朝ごはん」がなぜ免疫力を高めるのか?

 どこにでもあるシンプルな「日本の朝ごはん」。この中には「腸に良い」善玉菌を増やしてくれる健康的な食材が詰まっています。これら食材は副交感神経を優位にし、免疫力低下の大敵であるストレスを緩和する働きもあります。

『時間栄養学』では毎日同じ時間に朝食を取ることで、体内時計が正常に働き、肥満予防や免疫力維持につながることも明らかになっています。

 また、朝、食べておくと腹持ちが良く、腸にも長くとどまるので、次の食事の際に血糖値が急上昇するのを抑える効果(セカンドミール効果)もあります。

 腸内環境が整えば善玉菌が増え、適度に食欲抑制もできる好循環が生まれます。しっかり食べても極端に太る心配がなく、自然と食欲が落ち着くので、肥満予防、糖尿病のリスク軽減にもなります。

朝ごはん自体がストレス!?「〜べき」から解放を

 単身者、共働きが当たり前の今、朝食も時間がなくて当然です。「朝食は手作りであるべき」「ちゃんとごはん、おかず、汁物をそろえるべき」という考えから解放され、まずは何か一つでも朝に食べる習慣をつけましょう(これなら、圧倒的に多い「朝パン派」でも大丈夫)。

 今回は買い置きOK、調理いらずですぐ食べられる簡単食材を紹介します。

取り入れたい「買い置きできる7つの食べ物」

1.「魚缶詰」: 豊富なオメガ3が善玉菌をアップ!

 

 筋肉・皮膚・神経など体のすべてを作るタンパク質も、免疫を保つ脂肪も欠かせない栄養素です。魚の脂は不飽和脂肪酸と呼ばれ、ラードなどの脂に比べて悪玉菌の発生を抑え、腸の環境を整えてくれます。

 イワシ、サバ、アジ、サンマ、サケには炎症を抑える脂「オメガ3」が豊富。免疫力を高めるために、毎日でも食べたい食材です。刺身など生食が栄養価を損ねず理想ですが、水煮缶詰も便利。 オメガ3をそのまま閉じ込めてあり、効率的に摂取できます。

2.「じゃこ」:カルシウム豊富。トッピングするだけで魚嫌いもとりやすい

 

 魚は面倒だし、好きではないという方にも、そのまま食べられる「じゃこ」。じゃこはイワシの稚魚なので、立派な青魚です。

 毎日ひとつまみ(10g)で、食欲抑制効果のあるレプチンのエサに。納豆やみそ汁など大豆製品にちょい足しすると、効果がアップしますよ。

 頭からまるごと食べられるので、カルシウムも補給できます。カルシウムは骨をつくるだけでなく、免疫力維持に重要なストレス緩和に働く栄養素です。

3.「焼きのり」:パワフルな海の野菜。パンにも麺にもプラス

 

 のりはその3分の1が食物繊維。わずか3枚でも1日の食物繊維が摂取できる、腸内環境を整えるパワフル食材なんです。

 ごはんにはもちろん、ラーメンやうどんなど麺類へのトッピング、「のりトースト」や「のりパスタ」など洋食にもマッチします。焼きそばなどには「青のり」をプラスしてもOKです。

4.「玄米やもち麦のおにぎり」:1品で万能なバランスボール

 

 善玉菌の餌になる食物繊維、満腹ホルモンの分泌に効果的なタンパク質、脂質、ビタミンB群などが、玄米の胚芽部分でほぼカバーできます。

 玄米は白米よりもパサパサしやすいので、混ぜごはん風ものが入門編としては食べやすくなります。コンビニやスーパーでは玄米やもち麦おにぎりの種類も豊富になっていて、ゴマやひじき、じゃこといった腸ケア食材が一緒に摂れる優れものも(一石二鳥!)。最近は冷凍食品もあるので、買い置きもOKです。

 これさえあれば、おかずを用意しなくてもほぼ栄養バランスが整います。朝やランチに食べれば、その日は快腸。パン派ならクルミやゴマ入りの全粒粉パンを、全粒粉シリアルにヨーグルトを加えても良いですね。

5.「わかめ&あおさのみそ汁」:腸をきれいにする、お掃除スープ

 

 わかめやあおさなどの海藻に含まれるのが、水に溶けてドロドロになる「水溶性食物繊維」。腸内のコレステロールなど余分な脂肪を吸着し、体外に排出して、腸をきれいにしてくれます。

 みそ汁のみそには善玉菌の大好物である「大豆オリゴ糖」がたっぷり。温かい汁物で腸をリラックスさせると排便をスムーズにします。インスタントやフリーズドライのみそ汁で十分なので、食生活に取り入れましょう。

6.「ぬか漬け」:トレンドの発酵食はこうじ菌&乳酸菌の強力タッグ

 

 古くから生食の多い和食では「香の物」と呼ばれる漬物が整腸剤となっていました(フグの刺身にはナスのぬか漬けが添えられます)。「ザワークラウト」(ドイツ料理のキャベツの漬物)のように、ハムやソーセージなどの肉類やパン食にも合います。

 ぬか漬けは野菜を発酵させることで、免疫を上げる野菜の栄養素がさらに凝縮。ニンジンや大根などを栄養価の高い野菜を皮ごと食べることで、腸のデトックスをしてくれるフィトケミカルを摂取できます。

 調味料で味付けした即席漬けではなく、生きた菌が発酵させた漬物を食べましょう。

7.「納豆」:豊富な大豆の栄養素が発酵で吸収率アップ

 

 納豆独自の菌である納豆キナーゼは腸を整えます。納豆は発酵することにより、大豆タンパクや大豆イソフラボンの吸収効率が高まり、体の炎症を抑え、免疫力を高める働きも高まっています。豊富な食物繊維は便通を改善。胆汁酸のスイッチを入れるので脂肪燃焼にもつながります。

 近年は多少の熱ではこれらの効果が損失しないことも分かっているので、ごはんだけでなく、納豆トースト、納豆みそ汁、納豆そばなどなど、アレンジすれば飽きずに取り入れられますね。

 いかがでしたか? どこにでもあるシンプルな「日本の朝ごはん」。そこで使われているのは、買い置きできる食材ばかりです。健康な1日のスタート、朝ごはんにお試しください。