新型コロナウイルスに伴って生じた問題に対応するため、企業や個人が動き出しています。

 主に2020年2月27日に発表された小中高校などの臨時休校要請対応に向けて動いた企業が多く見られ、企業の規模を問わずあちこちで明るいニュースが流れてくるのを目にします。

飲食に関する企業支援

ローソンでは学童保育施設の昼食としておにぎりを合計3万個無償提供・配送することを発表(ローソン公式HPより)

 もともと、米国の牛乳販売店からスタートしたローソンでは、20年3月9日~20日まで、国内の生乳消費を支援するためホットミルクを130円から65円に、カフェラテMを150円から120円で販売します(いずれも税込み)。

 また学童保育施設の昼食として、学童保育施設に通う子ども1人につき2個を上限として、おにぎりを無償で合計3万個(先着順)提供することも同時発表しています。

ワタミは休校措置対象校などに通う子どもたちに、自社商品「ワタミの宅食」を1食200円で提供する

 ワタミは20年3月9日~4月3日の期間、休校措置対象校などに通う子どもたちに向けて自社商品「ワタミの宅食」を配達諸経費のみで提供します。

 利用者は保険証や学生証などの証明書を掲示し、事前に1食当たり200円(税込み)を支払えば、4~5種類の惣菜やごはんを期間中の平日は毎日届けてもらうことができます。

学習の遅れに対する企業支援

リクルートマーケティングパートナーズでは、20年4月末まで「スタディサプリ」を自治体・学校に無償提供する

 リクルートマーケティングパートナーズは上限はあるものの、オンライン学習サービス「スタディサプリ」「スタディサプリfor TEACHERS」を20年4月30日まで自治体・学校に無償提供します。

「スタディサプリ」上の講義動画や確認テストなどの教材を使って生徒の学習状況の確認ができる他、休校中の先生と生徒間での連絡手段としても活用することができます。

ベネッセコーポレーションは、小学1年生から高校2年生までを対象としたオリジナル教材を自社会員以外にも無償で郵送する

 ベネッセコーポレーションは申込者を対象に、自宅学習に使えるオリジナル教材「春の総復習ドリル」を冊子で郵送します。

 対象は小学1年生から高校2年生までとし、学年別に主要教科で総復習に取り組めるドリルを新たに制作しました。20年3月2日から開始した申し込み状況によってはPDF版もサイトにアップ予定とされています。 

 この他にもイベントがキャンセルになったアーティスト支援を行うペイノア、クラウドファンディングを通じて経営に支障をきたした個人・中小事業者へのサポートプログラムを行うCAMPFIRE、児童書サイト「ヨメルバ」にて、207タイトルを無料公開するKADOKAWAなど、毎日さまざまな企業が自社のサービスを活用した新しい支援やサービスを発表しています。

個人の呼び掛けで状況を変える

 

 個人でも、今回の損害をできるだけ少なくしようとする動きが出ています。本来なら給食に出るはずだった牛乳や、式典で卒業生や先生に渡す予定だった切り花の廃棄を嘆き、購入を呼び掛けるツイートは、万単位でリツイートされて購入報告と合わせて一瞬で拡散されました。

 その他にも、料理研究家が牛乳を大量に使うレシピを紹介、卒業制作で展示予定だった作品をWeb上で公開して多くの人に見てもらえるようにする、開催予定だったイベントをオンラインイベントに切り替えてネットで誰でも見られるようにするなど、自分にできることを行う個人が増えています。

 現状では来店を呼び掛けづらいため、前回のコラム『新型コロナウイルスが連日報じられる今、お店で働く人たちに伝えたいこと』で紹介したように、未来の飲食権利を販売する飲食店も少しずつ増えてきました。

 ここまで企業や個人の動きを紹介しましたが、一読して何かお気付きでしょうか? 私は現状で、あえて良いニュースに焦点を絞ってまとめました。

困難な時でも、前を向ける人に

 

 ネットやテレビには、見ているだけで悲しくなるような情報もたくさんあふれています。

 政治方針についてのいらだちや刻々と変わる状況への不満、買い占め・転売の横行、多くのイベントの中止や延期、商業施設の売上げ減や企業の倒産……。

 こうした不安や怒りの話題ばかり目にしていると、まるで世界が終わるような感覚に陥り、誰でも気が滅入ってきてしまいます。

 あふれ出る情報の中から、私たちは情報を取捨選択することができます。デマが広がるのは止められなくても、自分自身の意見や行動は選ぶことができます。

 日常でささやかな喜びを提供するのも私たちの仕事ですが、同時に困りごとを解決するのも私たちの仕事であるはずです。

 困っていることが解決されるように人と人をつなげる、コミュニケーションの場を作る、お互いに相談し合う、そうしたことを行っている企業や個人はたくさんいます。世界中が混乱しているようなこんな状況下でも、前を向いて自分にできることを探し、行動している人はたくさんいるのです。

 状況が見えず不安に感じる時こそ、ぜひ、こうした前向きで明るい情報に積極的に触れてください。どうしたらいいか悩んでいるのなら、既に行動している人とつながるようにしてください。

 そして、可能な範囲で自分たちも元気を発信する立場になってください。

 自粛ムードが続けば続くほど、落ち着いたら気にせず外出や買物を楽しみたいと考えている人はたくさんいるでしょう。今厳しい業態でも、いずれ近いうちにきっと良い反動がくるはずです。

 それまで諦めず必死に考えて挑戦し続け、もがいた人が、結果的に困難を乗り越えられるのではないでしょうか。