自分の考えを深めるには、物事を分ける、そして、要約して一つにする。その繰り返しが思考を深め、より本質に近づきます。

分析することで強制発想する

 分析とは分けて考えること。その典型が数を求めることです。米国のビジネスマンのプレゼンテーションの特徴に『本日お話したいことは3つあります。1つ目……、2つ目……、3つ目……』がありましたね。物事全てを3つで表現する手法です。日本のビジネスマンがまねして久しいです。実はこれって、分析です。

 この手法はそもそも分かりやすさを追求するものです。プレゼンテーションする人が『3つあります』とまず言って、聞く側に『3つあるんだな』と聞く準備をさせます。そして『1つ目、2つ目、3つ目』と言うことで、聞く側が全体と部分を関連付けしやすくするのです。

 このように何でも3つで表現します。例えば、目的を3つ、視点を3つ、手法を3つにします。図解も三角形で表現する、3つの階段図で表現します。結果、強制発想することになります。

 人は1つ、2つは簡単に発想できますが、3つ目がなかなか出てこないものです。そこで、強制的に3つ目を出そうとする思考法です。そうすることで、簡単に気付かない発想を手に入れることができるのです。

 3つ出すことに慣れてきたら、『問題を10個出す』『視点を10個出す』等、数を増やすことで、強制発想を強めます。一層考えが深まるでしょう。

分析と要約を繰り返すことで思考を深める

 このように、数を求め、数を出すことに慣れてきたら、『分析と要約』をすると一層、思考が深まります。

 例えば、問題を考えるとき、まず問題を3つ出そうとします。その次に、その問題ごとに『例えば、最近どんな具体的問題が起きた?』と自問して、より具体的問題10個を引き出します。数多く問題を出せたら、今度は『要するに何が問題なの?』と自問し、一言で問題を表現することを求め、本質的問題の言葉を探します。

『例えば?』『要するに?』と繰り返すことで、自分の思考をアコーディオンのように広げてはすぼめる、問題を10個出しては1つにまとめることを繰り返します。どんどん本質的問題に近付き、思考が深まるのです。

『例えば?』『要するに?』は部下とのコミュニケーションにも有効

 この『例えば?』『要するに?』の問い掛けは魔法の言葉で、部下とのコミュニケーションでも有効です。部下が問題提起のため、問題やその対策を言ってきたとき、その問題について、『例えば?』と問い掛けて、問題を具体的に説明することを求めます。その部下は自分がどの部分の事実を把握できていないかを自覚し、調べ直すことができるようになり、問題把握、原因追究の精度が上がります。

<まとめ>「思考管理」は活用範囲が広い

 この思考法は自分に課すだけでなく、周りのメンバーへの質問でメンバーの思考も深めることもできるのです。