経済産業省では、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業者への支援策を2月14日付でまとめている

 新型コロナウイルスの動向が世界中で注目されています。ウイルスに関する健康被害状況はもちろん、インバウンドや輸出入にも関わるため経済界への影響も出始めています。観光業界への打撃は大きく、サンリオピューロランドや三鷹の森ジブリ美術館は感染症拡大防止のため臨時休館しています。

 一部企業ではリモートワーク推進なども始まっていますが、店舗を持つ小売業ではなかなか難しいのも現状です。

 ネット上ではリモートワークに関する知恵が集まり始め、売上げ減対策や困っている店舗が可視化されて地域別にまとめられる、飲食店が宅配事業を始めるためにはどうするかなど連日多くの情報や知恵が出されています。これらの情報で参考になるものは取り入れ、自分たちに可能なことを少しずつ探ることも大切です。

 今回は私がこの3連休での消費を通して感じたことから、現在店舗で働いている人たちに向けて現状どういった行動ができるか、考えられることについてまとめます。

地元・ついで消費を意識する

 

 2月22日から24日までの3連休は、私自身も遠出はせず近場への外出のみで過ごしました。恐らく同じようなことが、日本中で起きているのだと思います。

 ところが、近所のラーメン店に出向いてみると家族連れや男性一人客でほぼ満席。お昼時のベーカリーでも、パンを求めるファミリーで長い行列ができていました。テレビで取り上げられていたチェーン店では、番組内で紹介されていた商品が軒並み完売していました。

 メディアで京都をはじめとする観光地の閑散具合が連日報じられるため、外出自体を控えられているように感じてしまいます。ただ、当たり前のことながら「みんな、『全く』外出を控えているわけではないんだな」ということが肌で感じられました。

 政府は人混みや不要不急の外出を避けることを要請していますが、そうはいっても終息時期も不明な中で全く出歩かないというのは現実的ではありません。仮に宅配を利用するとしても、商品受け渡し時の人との接触は避けられません。

 私が3連休で体感し実際に行動したように、心情的に何となく近場や普段の行動範囲で消費を済ませようと考えるお客さまは多いはずです。店舗はそうした需要を踏まえて予算を修正し、品揃えや人員の見直しなど現実的な対策をとるべきだと考えます。

 また今回の事態で「店舗常駐スタッフの人数を減らす」「営業時間の短縮を考える」企業も多いでしょう。その場合には、分かった時点でホームページやSNS、そして店頭で告知を行ってください。

 通常時でも同じことですが、「いつ買物やサービスが利用できるのか」をしっかりと知らせることは、貴重な消費ニーズを取りこぼさないことにもつながります。あるカフェではこれから先のコーヒーチケットを販売することで、当面の運営資金に充てると発信していました。来店意欲がある人に向けて無理のない範囲で営業期間・時間内の来店を促すことも、今店舗ができる役目だと思います。

ピークタイムを分散させる

 

 多くのお客さまはできるだけ「混んでいない」状態を希望されているはずです。もし店側で配慮できるならば、ピークタイムとされる時間帯を予約などで分散させるのも一考ではないでしょうか?

 通常ならランチタイムや仕事帰りなどピーク時間帯の混雑を緩和することは難しいですが、現在ならできる限り人混みを避けて買物したいというニーズも多いはずです。可能な限り予約制を推進する、店の状況や混雑時間帯を伝えるなど、スタッフが常に店内状況に気を配って案内することは効果的です。できるだけお客さまに快適に過ごしてもらえることにもつながります。

 また、店内の混雑を避けることは、店側の感染リスクを下げることにもつながります。スタッフが手洗いや体調管理をこまめに行える環境づくりの面でも、可能であればできるだけ繁忙時間帯を分散させることをお勧めします。

無理のない働き方を

 

 最後に、私たち自身が「心身共に無理をしない」ことが最も大切だと思います。状況に焦るあまりフェイクニュースをつかんだり、心身疲労で自身の体調を崩してしまっては本末転倒です。おのおのにできることは限られていますが、事態の終息を願って現時点でできることを進めていくことが大切です。

 来店が著しく少ない、思うように仕事がないのならば店舗環境に目を向けることも立派な仕事です。普段ならできない全体ミーティングや設備の見直しを行う、店内の一斉清掃など、新しい仕事を作れば手持ち無沙汰感が消え、気をもむ不安な時間を減らすことにもつながります。

 今回のように、誰も悪くなく、自分ではどうしようもない事態は往々にして起こり得ます。売上げが大幅に下がったとしても、そのことで自分自身を責めないでください。それよりもできる範囲で構わないので現状に目を向けて、少しでも希望のある方法、自分自身が納得できる手段を採用していってほしいと思います。