免疫力を高める食は「シンプル」「ナチュラル」「バランス」

 新型ウイルス、インフルエンザ、毎年ひどくなる花粉症など、健康不安は尽きません。こんなときこそ、自己免疫力を高めておくことが重要です。

 体のバランスを整え、免疫力を高めるには「できるだけシンプルで自然に近いもの」を「バランスよく」食べること。食材には相乗効果があり、数多く摂取することで力を発揮します。どんなにパワーがある食材でも、何か一つの食材ばかりを食べる「ばっかり食べ」は逆効果なんです。

 医学博士の吉村裕之先生が提唱されている、7つの和の健康食材の頭文字を取った「まごわやさしい」は、まさに免疫力を高める食材の基本。

・ま(豆類):腸を整える食物繊維、ビタミン、ミネラル豊富。良質な植物性タンパク質源。

・ご(ゴマ、種子類):食物繊維、血流改善する抗酸化ビタミンE、オレイン酸、ミネラル豊富。

・わ(ワカメ、海藻類):血管の掃除をする水溶性食物繊維、体調を整えるビタミン、ミネラル豊富。

・や(野菜):抗酸化ビタミンA C E、ポリフェノール、便通改善の不溶性食物繊維が豊富。体の代謝の乱れを整え、体調を維持。

・さ(魚類):抗酸化オイルのDHA、EPA。免疫力維持に不可欠な毎日食べたい良質なタンパク質源。

・し(シイタケ、キノコ類):β-グルカンによる強い免疫力賦活効果。がんなど細胞老化にも。

・い(芋類):熱に強いビタミンCと食物繊維が豊富で、効率的なエネルギー代謝をサポート。

令和の時代は「プロセス=手づくり」より「結果=健康」

 今や、時短の時代。「ラク=不健康」とは限りません。仕事や家事に忙しいと「食材が多いと使い切れずに捨ててしまう」「毎日作らなくてはいけないプレッシャーがある」となりがちですが、これから解放されて、健康な食事を叶えればいいのです。「手づくり至上主義」のストレスは免疫力を低下させ、ナンセンス! フリーズドライや冷凍食品、缶詰などを活用して「無理なく、今の生活の中で毎日続けられること」が大切です。

「令和版マゴワヤサシイ」のポイントとお薦めの食べ物

1.調理ゼロ

2.保存が利く

3.食品ロスのない少量サイズ

 この3つのポイントを踏まえると「令和版マゴワヤサシイ」はこうなります!

・マ(豆類→みそ汁):体を温め最強のスープはフリーズドライ、レトルトOK!

 

 日本の発酵スープ「みそ汁」は最強 。慢性的な疲れは免疫力の低下が原因ですが、その最もシンプルで重要な対策は体を冷やさないことになります。最近、冷え性と自覚がなくても「末端冷え性」の人が、特にデスクワーク中心で筋力が落ちている現代人に増えていますが、そんな人にぴったりなのが、みそ汁なのです。

 みそは体を温めてくれるとともに、免疫力を高めるために重要な腸を助けます。それは大豆の発酵食品である「みそ」が善玉菌の餌になるから。また免疫力を低下させるストレスを抑えるセロトニンも分泌してくれます。「アサリやシジミの赤だし」は肝臓ケアにもなるので、二日酔いの翌日にぴったり。

 みそ汁というと「だしを取らないといけない!」と日本人特有の(?)プレッシャーを感じる人が多いですが、もっと気楽にスープ感覚で飲むべきです。コクのあるみそ味は意外と惣菜パンやサンドイッチにも合います。

・ゴ(ゴマ→殻ごと食べる穀類):ゴマ、アーモンドの他、玄米、もち麦などを主食でも

 

 今やヘルシーなおやつとして人気のアーモンドなどのナッツ類に加え、玄米やもち麦おにぎり、全粒粉パンなど主食で取り入れるとラクに摂取できます。

「ロカボダイエットブーム」も手伝い、「もち麦おにぎり」増えましたよね。プチプチした食感と腹持ちの良さでラインアップも増えています。スーパーでも電子レンジ調理できる玄米や麦ご飯のレトルトタイプがそろっていますが、これらは「殻ごと」食べられるのがポイント。食物繊維、タンパク質やビタミンB、カルシウム、鉄分と、免疫力を高めるために重要なほとんどの栄養素がカバーできる便利な食材なんです。実は玄米さえ食べていればおかずが少なくてもバランスが取れるほど。玄米おにぎりや、パンであれば全粒粉パンが、これに該当します。ナッツやゴマなどを練り込んであるものを選べば、さらに効果が倍増します。

・ワ(ワカメなど海藻類):カットワカメをスープや麺にトッピング

 

 お薦めは水に戻す必要のない「カットワカメ」。そのままみそ汁やコンソメスープに入れたり、そばやうどん、ラーメンに加えたり、さまざまな場面で使えてとても便利です。 

 ワカメは「海の野菜」と呼ばれ、少量でも水溶性食物繊維が豊富。乾物なので、いざというときの保存食としてストックもできます。この水に溶けてドロドロになる「水溶性食物繊維」が腸内のコレステロールなど余分な脂肪を吸着して体外に排出、腸を整えることで免疫力を高めてくれます。

・ヤ(野菜):レモン果汁(黄)、青汁(緑)、トマトジュース(赤)で

 

活性酸素を除去するビタミンACEを摂取できます。加工品を選べば手軽に摂り入れることができます。どれも色が濃く、抗酸化作用が非常に強い効率的な野菜を使ったものですよ!

[レモン果汁]ビタミンCの宝庫。飲み物、焼き魚、唐揚げまで手軽に幅広く使えます。代謝を助けるビタミンCはアルコール代謝にも必要なので、お酒が好きな人は自家製ハイボールにもどうぞ。

[青汁]原料のケールは免疫力賦活に重要な抗酸化ビタミンA C Eが全てそろう稀有な野菜です。独特の苦味は強力なポリフェノールで、抗酸化作用を持っています。保存が効くので便利な点も現代人向きです。

[トマトジュース]血管若返りや抗酸化、血流改善など免疫力賦活に幅広い効果があるリコピンを含んでいます。リコピンは生で食べるより、粉砕、加熱したジュースの方が吸収率が高く、効率的です!

・サ(魚):缶、レトルト焼き魚、煮魚などで毎日の食卓に!

 

 免疫力賦活に重要な良質なタンパク質に加え、体の抗酸化、抗炎症作用を持つDHA、EPAが豊富な魚は毎日食べたい食材です。最近人気の「サバ缶」をはじめ、サバ、イワシ、サンマ、カキなど魚介の缶詰は格段においしくなってバリエーションも増えました。バルメニューとして人気の「オイルサーディン」も、オリーブオイルを使ったおしゃれでヘルシーなものを手軽に買えるようになりましたね。

 缶詰は「保存料や化学調味料が多い」と誤解する人が多いのですが、むしろ缶詰で作りたてを封じ込めてあるので少ないものが多く、安心な加工食品なんです。シンプルな水煮に加え、レモン煮やオリーブオイル煮、トマト煮もお薦め。そのままでも、サラダに乗せても、パンにはさんでもおいしいです。

 最近では焼き魚や煮魚をレンジで温めるだけの便利なレトルト商品も登場。家庭では難しい焼き加減がちょうどよい商品や、減塩タイプも増えています。上手に活用しましょう。

シ(シイタケなどキノコ類):だしにもなるスライス干しシイタケをちょい足し

 

 キノコ類にはがん予防効果にも使われるほど強力な免疫力賦活の成分 β-グルカンが豊富なんです。

 お薦めは干しシイタケですが、最近は面倒な水戻しが不要なタイプが増えました(中でも私のお薦めは保存が効いて必要な分だけ使えるスライス干しシイタケ)。干しシイタケはグアニル酸という旨味成分が凝縮されているので、汁物のだし代わりになるので、麺類や鍋物、煮物などに少量加えるだけでグッとおいしくなります。このグアニル酸は副交感神経を優位にし、免疫力賦活に重要なストレス緩和にも働きます。

イ(芋類):保存OKで免疫アップにぴったりな干し芋をおやつに

 

 免疫力の賦活にはスムーズなエネルギー代謝も需要です。エネルギーが切れると疲労蓄積につながるからです。スムーズはエネルギー代謝には適度な炭水化物とビタミンCが必要。そんなときにお薦めなのが芋類ですが、これらはビタミンCが豊富で、もともと風邪予防に効果的といわれてきた食材なんです。

 中でも腸を整える食物繊維も豊富なサツマ芋を使った「干し芋」は腸をきれいにする免疫力アップ食材。ビタミンCは加熱に強いので(熱に弱いのは水溶性の場合)、干し芋をあぶっても損なわれにくいのが利点です。調理要らずで、冷蔵庫に保存可能な干し芋をおやつに食べましょう。

 いかがでしたか。働き方改革、生き方改革の時代は食べ方改革も必要。フリーズドライや冷凍食品、缶詰などを活用して時間と心のゆとりをつくりましょう。本格的な自炊はコンディションが整ってから挑戦しても遅くありません。まずは免疫力を高めて、今を乗り切りましょう!