左がよりハンカチに近い「手提げネイビー」(550円、税込み)、右が巾着状に広がる「巾着グレー」(638円、税込み)

 今回から始まりました『商売にまつわる深~い話』。日本唯一の流通アナリストで、約700品の商品開発に携わるマーケター、現コンビニアルバイターでもある渡辺広明さんと、都内に住む35歳のサラリーマン「テキパキオ」さんが身近な商品や店舗などにある深~い話をしていきます。

渡辺広明(以下渡辺):今年7月からスーパーやコンビニなど全ての小売店でレジ袋が有料化されますが、毎日、主夫的に家事をこなしているパキオさんはどう受け止めていますか?

テキパキオ(以下パキオ):スーパーに買物に行くときにはエコバッグを持参するのが当たり前になっているので、それほど気にしていません。でも、コンビニのレジ袋がなくなるのはちょっと不便かもしれませんね。

渡辺:それは、常にエコバッグを携帯しているわけじゃないから?

パキオ:いえ、仕事帰りにスーパーに立ち寄ってもいいように折りたためるエコバッグはカバンの中に入れてありますが、コンビニのレジ袋ってサイズが小さめじゃないですか? あのサイズの袋ってちょっとした生ごみを捨てたり、お風呂場の排水溝に引っかかった髪の毛とかを捨てたりするのにちょうどよいサイズなんです。

渡辺:ゴミ箱に直接捨てればいいじゃないですか?

パキオ:ゴミ箱ができるだけ汚れないように捨てたいのが、主夫目線なのかも(笑)。

渡辺:そうなんだ、僕はゴミ箱の汚れを気にしたことがなかった(笑)。ところで、セブン-イレブンが都内で発売した「エコバッグになるハンカチ」はどうですか?

パキオ:これ明らかに男性向けですよね。発想は面白いと思うのですが、おそらく女性が選ぶことがないデザインな気がします。

渡辺:そう、男性の方が外出時に荷物を最小限にする傾向が強いことから、普段はハンカチとして、買物をした際にはエコバッグとして使えるように開発されたみたい。タイプは2種類で、よりハンカチに近いのが「手提げネイビー」、巾着状に広がるのが「巾着グレー」です。

パキオ:価格はどれくらいなんでしょう?

渡辺:それぞれ税込み550円と638円。ハンカチとほぼ変わらない価格設定です。

パキオ:(実際に入れながら)「手さげネイビー」は500ミリリットルのペットボトルだと2本しか入らないんですね。ドリンクとおにぎり、あるいはサンドイッチが現実的な組み合わせでしょうか。「巾着グレー」ならカップ麺やお弁当サイズまで入りました。フツーの男性なら後者がお薦めな気がします。僕はエコバッグってある程度大きくないと買物する気にならなくなるんですよね。

渡辺:その通り! 環境面への配慮からレジ袋削減が叫ばれていますが、エコバッグがコンパクトになり過ぎると今度はそこに入る量しか買わなくなる傾向があるので、小売業はついで買いのチャンスを失ってしまうかもしれない。一方で、男性はそもそも大きいものを持ちたがらないというジレンマがある。コンビニは特に客単価が約610円と高くないので、3~5円でも高いと感じる人が多い。レジ袋の価格は各事業者が決めることになっていますが、コンビニの価格がいくらになるかは注目です。

パキオ:となると、やはり男性向けエコバッグを開拓しようというセブンのチャレンジは面白いのかもしれませんね。

渡辺:男性に特化するエコバッグなら、従来のコンビニの茶色レジ袋を中心に考えたらいいと思います。つまり、弁当が運びやすいよう底が広いエコバッグです!保温効果があったらなお良しです。

パキオ:そのアイデアは面白いと思います。ところで、なぜ弁当用のレジ袋だけ茶色だったんですか?

渡辺:お弁当は日光に当たると良くないから茶色になったといわれています。レジ袋も奥が深いんです。

パキオ:そうだったんですね。エコバッグも奥が深いといわれるくらい多様化していくのが楽しみになってきました。

※次回は「セブン-イレブンの『一風堂』を徹底的に食べ比べ!」を予定しています。

 

[プロフィール]

渡辺広明:浜松市出身。2児の父。マーケティングアナリスト、日本唯一の流通アナリスト、コンビニ評論家、流通ジャーナリスト、約730品の商品開発に携わるマーケター、元コンビニバイヤー、元コンビニ店長、現コンビニアルバイター、「浜松市やらまいか大使」(観光大使)など、さまざまな顔を持つ。フジテレビ「Live Newsα」レギュラーコメンテーター「ホンマでっか⁉TV」レギュラー評論家として活躍する他、スポーツ紙「東京スポーツ」に連載を持ち、ニュース・ワイドショー・新聞・週刊誌・ラジオなどのコメント・講演会・アドバイザリー・顧問業などでも幅広く活動中。趣味は「ドラゴンズ熱烈応援」「時折フルマラソン」「発展途上国の教育支援(ガーナ・ラオス)」。著書に『コンビニが日本から消えたなら』(KKベストセラーズ)。

・テキパキオ:都内に住む35歳サラリーマン。小学生の時、母親の手伝いで料理に目覚め、兄の夜食を作るようになる。大学時代にはカジュアルイタリアンの厨房でアルバイト。就職後は自炊することがなかったが、3年前にアーティストとして働く妻と結婚して家事全般を担当。猛スピードで掃除洗濯をこなす様子から妻に「テキパキオ」と名付けられる。PB食品の食べ比べとスーパーの売場徘徊が趣味。蛇口とシンクを磨くのが好きで、行きつけの飲み屋の閉店作業に加わりがち。