2020年3月期は中期経営計画「創革2019」の最終年度に当たるが、定量目標の売上高3000億円、当期純利益50億円は既に2年目に達成している。

 19年は消費増税、ポイント還元、天候不順などがあったがほぼ予算通りに進み、うまく着地できたと思う。

 われわれのKPI(重要業績評価指標)は客数と買上点数、この2軸で既存店売上高は伸びている。19年11月も前年比2.3%増と他の大手と比べても上出来だったと思う。

「なぜ好調なのか」とよく聞かれるが、当社は何も変わっていない。変わったのは一人一人のやる気だけ。突き詰めると安全性。何をしても怒られない、チャレンジしても罰せられない風土ができたのだと思う。

 課題は共有力とコミュニケーション、リスペクトの精神について、社員にもう少し腹落ちしてやってもらうということだ。今は2、3割の店がしっかりやっていて、残りの店はその後を付いていっている。この人たちが自分たちで考えて行動できるようになれば、もっと良い結果が出るはずだ。

 現在の中期経営計画では、売り方の進化に取り組んできた。社員の意識改革―これは風土改革と言ってもよいが、それを進める中で売り方を変えてきた。

 店舗のコミュニティ化に取り組み、お客さまとの接点を増やしてきた。その結果、地域の中で仲間として迎えられることができたから、お客さまに店に来ていただけた。そしてわれわれの価値を提供し続けられている。

小商圏化はさらに進む。全てのお客さまに向き合う

 4月にスタートする次の中期経営計画については現在議論をしているところだ。年末に役員とマネジャー40人が合宿して話し合った。「われわれは何者なのか」「提供する価値とは何か」について議論をした。

 商品を磨くとか、いいものを安くということも大切だが、スーパーマーケット(SM)も社会に組み込まれた存在になることが必要だ。今までのSMとは違う。SMはミールソリューションと言って、食の課題の解決のみをしてきたが、社会の課題そのものを解決することが必要で、そうした姿勢がサミットへの共感を呼んでいるのだと思う。

 地域に必要となる存在になることで、競争に勝っていける。次の中期経営計画では「サミットは何を目指すのか」をきちんと盛り込んでいきたいと思う。

 商圏は競争激化で小さくなっている。当社店舗の商圏には1年で30店や40店は競合店が参入してくる。肌感覚では毎年100mずつ小さくなっている印象だ。だから地域に住む全ての方を対象とし、店から1㎞、500mのお客さまに全方位で向き合っていく。

 お客さまが来店して、その日の気分で買いたいものに対応できる売場をつくりたい。料理をするために原料を買いたい人、時間がないから惣菜を買いたい人、次にいつ来るか分からないから冷凍食品を買いたい人、それらの全ての人が選べる売場にする。そしてそれらを同じ原料で作ることだ。

 それは「大総菜プロジェクト」の中にも受け継がれていて、素材から惣菜、半調理、冷凍食品まで1つの素材がラインアップを増やしている。

 20年は5月に売場面積100坪の都市型小型店を実験的に出店する。この他、300坪以下の小型店も3店開く計画がある。都市型店舗は一つの選択肢で、一番いいのは500~600坪なのだが、山手線外縁では小型店が有力な武器になるだろう。

 18年11月に開店した三田店で取り組んだベーカリーもいい。19年3月に出店した鍋屋横丁店は絶好調で10月に単月度黒字が出た。賃料は高くとも300坪で売上げが20億円を超えると利益が出る。100坪ならどれくらい売れるのか、実験したい。うまくいけば都心にもっと店を増やせるだろう。

 来期以降出店が決まっている10店のうち、3割程度が小型店になる予定だ。 

 
 
 

※本記事は『販売革新』2020年2月号に掲載されたものです。内容は取材当時のものです。

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