「おひとりさま」「一人○○」「シングル消費」「ソロ充」「ソロ活」「ソロ社会」、読者の皆さまも耳にしたことがあるだろう、単身者を指すワード。

 このようなワードが生まれている背景には、「単身者」への注目が集まる中で、それに対応した「おひとりさま向けのサービス・商品」が数多く出ていることがある。食のシーンでも、外食であれば「一人焼肉専門店」の登場や、中食・内食では「簡便・即食の冷凍食品」「食べ切り・小容量サイズの生鮮品」の展開も広がってきている。

「単身者」へ注目が集まる背景には世帯構成の変化がある

 単身世帯の割合は2010年に30%を超えて世帯構成で1位となり、2020年には35%、さらに20年後には40%に迫る勢いで増加する見通しが立っている(図表1参照)。

図表1:「世帯構成比の推移」 ※2020年以降は推計値

出所:国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集(2019年版)」および「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」(2018年推計)より作成

 今回は「おひとりさま社会」の「中食」にフォーカスを当て、いかにしてスーパーマーケットが単身者の食(胃袋)をつかむかについて、ヒントを出していきたい。

単身者は「外食」から「中食」へ向かっている

図表2:「単身世帯の食料支出の推移」

出所:総務省統計局「家計調査(家計収支編)時系列データ(単身世帯)」より作成

 総務省の「家計調査」から単身世帯の食料への支出を確認してみると(図表2参照)、2003年から食料支出そのものに大きな変動はないが、外食費の割合は2003年と比べると10ポイントも下がっている。その一方で「調理食品」の割合は2003年と比べると4ポイント増加し、上昇傾向にある。明らかに「外食」が減少して「調理食品(いわゆる中食)」が増加している現状がうかがえる。

 日本惣菜協会発行の『惣菜白書』でも、「中食」の代表ともいえる惣菜市場は、2017年時点で10兆円を超え、2018年も順調に推移している((一社)日本惣菜協会「惣菜白書」より)。

 とはいえ、昨今、コンビニ各社の「中食」強化の加速や、食のデリバリーサービスの台頭など、「中食市場」を取り巻く環境は日々大きく変わっており、競争激化は周知の事実となっている。この競争を勝ち抜くには消費者のニーズを理解し、明確な差別化を図ることが必要不可欠である。

 そこで、消費者ニーズの理解として、インテージの360°viewerを活用し、「調理への価値観」「食への価値観」の2点から、単身者の中食へのニーズを探っていきたい。

 今回の分析対象は「高齢単身者(60代)」と「若年単身者(20代)」。それぞれ男性・女性で区分し、同じ世代の単身者でない層(同居家族2人以上)との比較から、単身者の特徴を把握していく。