「筋肉は裏切らない」 今や日本全国に広がった筋肉ブーム。人生100年時代を迎え、若々しく健康なボディの追求は若年層からシニアまで世代性別を超えた共通テーマです。今回は、若く健康なボディをつくる上で話題となっている「特別なタンパク質」を含む食材を紹介します。

ブームの理由は驚くべき健康効果

 練り製品の中で、爆発的に売上げを伸ばしているのが「カニカマ(カニ風味かまぼこ)」です。インテージ調査では、2019年8月のカニカマ販売金額は17年9月の約50%増を記録。食品需要研究センターのデータでは、練り製品市場全体をけん引。水産の練り製品市場でも、17年の減少傾向から18年には1〜2%の拡大傾向へ好転。20年に入ってもNHKなどのメディアで取り上げられ、ブームは続きそうです。

 ブームのきっかけは「スケソウダラを食べるだけで、速筋を増やす効果がある」という研究発表がされたことから始まります。スケソウダラは、タラコの親として知られる白身魚。ボウダラなどは鮮度が落ちやすいため、干物として売られることが多いです。食部の身の部分から水分を除くと、ほとんどが速筋からなるタンパク質です。

 そもそも、「速筋」は、ジャンプや踏ん張るときなどに働きます。加齢とともに減少し、負荷をかけた筋肉トレーニンクで鍛えると筋線維が太くなり増えます。

 速筋は負荷をかける筋肉トレーニングで増やすことが可能ですが、「筋トレは苦手」という人が多いのが現状。「速筋」を鍛えることで体が引き締まり、「見た目の若返り」「便秘解消」「冷え性・基礎代謝アップ」などの効果が期待できます。

 研究発表後、スケソウダラを使用しているカニカマがテレビの情報番組で取り上げられました。筋力の低下は40代から始まるので、シニアだけでなく若く健康的な体を求める30〜50代男女にも、カニカマが幅広く支持されることになったのです。

 この人気は海外にも飛びし、“SURIMI”として、フランスやスペインではサラダやアヒージョなど独自のアレンジで活用されるなどしています。

「スケソウダラ」だからこその3つのメリット

 スケソウダラの大きなメリットは、効率的に筋肉や血液を作り出す「タンパク質合成」が進むことです。※IAAO法スコアによると、タンパク質の利用効率が最も優れているといわれる卵と同等以上に利用効率が良いことが明らかになっています。

※Indicator Amino Acid Oxidation (指標アミノ酸酸化法)。呼気に排 出されるCO2量から、摂取したア ミノ酸がどれくらい体内のタンパ ク質合成に利用されたかを評価す る指標。IAAO法スコアとは卵を100 としたときの比率で、スケトウダラは104。

①食事量が少ない人でもOK

 食事量の少ない子供や、消化吸収能力が落ちてきた高齢者のタンパク質補給にも有効な食材です。もともと、タンパク質合成利用効率が高いので、少量の摂取でタンパク質の補給が可能。研究結果で効果が認められた速筋タンパク質4.5g/日を摂取するためには、スケソウダラの切り身は1/2切れ(約30g)カニカマだとスティックタイプで1.6本(約50g)、フィッシュソーセージで1本(約60g)なので、食事量の少ない子供から、消化吸収能力が落ちてきた高齢者まで食べられます。量が少ない人でも取り入れることが可能。

②腎臓の負担軽減

 タンパク質が分解することで老廃物が発生しますが、タンパク質の利用効率が良いと老廃物を最小限に抑えられ、それを分解する腎臓の負担を減らすことにつながります。

③脂肪増加のリスク軽減

 タンパク質は合成できず余ってしまうと、体内に脂肪として蓄積されます。スケソウダラはタンパク質の合成効率が高いので脂肪になるリスクを減らすことに。

これで健康に!「お手軽レシピ」3選

(1)カニカマむすび:味付けいらず!美ボディ栄養素をワンハンドで

 

[作り方]カニカマをほぐしてご飯に混ぜるだけ

 カニカマは、スケソウダラを使った練り製品の中でも、手でほぐしていろいろな料理に使える便利な食材です。最近では抗酸化作用の高い天然色素「リコピン」を着色に使った商品も出ているので上手に選びましょう。

 カニカマはタンパク質の利用効率が高いスケソウダラを使っているので、少量でもタンパク質を補うことができ、塩分を含むので味付けいらず。おにぎりの具に向いている食材です。刻みネギをたっぷり加えると、さらに栄養バランスがアップします。

 ネギに含まれるアリシンはご飯やカニカマに含まれる糖質のエネルギー代謝を高めるとともに、カニカマのタンパク質合成スピードも高めてくれます。ビタミンCたっぷりののりを巻くと、さらにタンパク質合成スピードはアップします。 

(2)ちくわきゅうり:超簡単!塩分カット。食べ応えあるヘルシーおやつ

 

[作り方]ちくわにスティック状のキュウリを詰めるだけ!

 おなじみのちくわも「スケソウダラ」を使っており、塩分控えめタイプの商品が多いのも魅力です。スケソウダラはタンパク質の利用効率が高く、使い切れずに残ったタンパク質が脂肪として蓄積されるリスクが低いので、ダイエット中のおやつにもお薦めです。

 キュウリはちくわの塩分を体外へ排出してくれるカリウムが豊富。コンビニの野菜スティックを使うと簡単です。「ちくニンジン」や「ちく大根」もおいしい。歯応えのある野菜と一緒に「よく噛む」ことで、血糖値の急上昇を抑えると同時に腹持ちが良くなります。

(3)魚肉ソーセージのせ油揚げピザ:ロカボ&ダブルタンパク質で筋力アップ

 

[作り方]油揚げにピザソース&スライスした魚肉ソーセージ&チーズをのせ、トースターで焼くだけ!

 魚肉ソーセージの原料のスケソウダラは少量でもタンパク質チャージが可能。肉類を使ったソーセージに比べて分解の段階で、老廃物を発生させる飽和脂肪酸が少なく、体への負担を軽減できるメリットもあります。

 ピザソースのトマトには血圧抑制が期待できるGABAや塩分を排出するカリウムが含まれ、魚肉ソーセージの気になる塩分もカットします。大豆製品の油揚げはロカボ食材。油揚げと一緒に摂取すると、スケソウダラの動物性タンパク質と油揚げの植物性タンパク質がそろって「ダブルタンパク質」となり、筋力合成効率が高まる食べ合わせに。筋力アップには欠かせませんね。

 いかがでしたか? 新たな健康効果で見直される「スケトウダラのすり身食材」。種類が豊富ですから、スーパーやコンビニにどんな商品が並べられているか、この機会にチェックしてみてはいかがでしょうか。