なぜ、3年以内に3割も辞めてしまうのか?

 新卒で就職してから3年以内で約3割が会社を辞めてしまう。人口減、人手不足が問題となっている今、せっかく採用した人材が辞めてしまうのは企業としても大きなダメージを負うことになる。

 ではなぜ、このような状況となってしまっているのか。現代の就職活動は、インターネットの求人サイトやハローワークから業界、会社概要、待遇などの表面的な情報を得て、応募→面接→採用するという流れが多い。ここでの問題は企業がしっかりとしたデータを出しているかということ。

 私自身も就職サイトから、その企業が出しているデータを信じて就職したが、実情は全く違った。「月の平均残業時間は20時間」「休みはしっかりと取れる」と記載されていたが、「月の残業時間150時間」「休日出勤は当たり前」。さらに「提示されている基本給の額よりも5万円安い(別途、職能給で5万円)」「聞いていた業務と違う」など、当初の説明とは違うことばかり。就職後1年以内に退職をしたので、この3割に入っている。

 ちょうどブラック企業というワードが騒がれ始めた2014年のことなので、今はこのような企業は減っていると思うが、それでも離職率が3割以上キープしているということは、企業と社員の間にミスマッチが起きている証拠といえる。

注目のリファラル採用の今

 そのような状況で注目されているのがリファラル採用だ。社員に知人・友人を紹介・推薦してもらい採用する手法で、米国では一番使われている採用手法だともいわれている。リファラル採用のメリットは、その企業の雰囲気を知っている人物から現場のリアルな情報を聞けるので、「思っていた仕事と違う」というミスマッチが少ないことだ。企業側も、信頼できる社員からの紹介なので、欲しい人材を採用できるのだ。

 ただ、このリファラル採用、日本で注目されてきたのがここ数年なので課題もある。会社としてリファラル採用の制度を作っても、社員が認知をしていないことが多く、採用数が増えない。社員側も、紹介するまでの手間が面倒、どのポストが空いているのか分からないといった理由から、形式的に導入しても失敗してしまう。

 リファラル採用を行っているが、成果が出ない、行いたいがノウハウがない。このような問題を解決するため、「GLOVER Refar(グラバーリファー)」「MyRefer(マイリファー)」「Refcome(リフカム)」といった、リファラル採用特化型のプラットフォームも存在している。

 今回は、日本で初めてリファラル採用サービスを提供した(株)MyReferでの取り組みを紹介したいと思う。

 (株)MyReferは、リファラル採用活性化サービス「MyRefer(マイリファー)」を運営。中途・新卒・アルバイトと全領域でのサービスを行い、550社以上の企業、20万人以上の社員が利用。富士通の中途採用、モスバーガーのアルバイト採用でも導入されている。

「MyRefer(マイリファー)」を導入した企業の人事は、社員に自社の求人情報やイベントが確認できるマイページを配布。SNSを介して友人を招待することができる。紹介された友人はその企業に興味があれば、社員からの推薦コメントをもらって応募をして、選考に進めるというサービスだ。富士通では導入後、初年度で20人の採用。社員のつながりから、専門職人材、海外エンジニアの採用も成功した。

イベントを通じて感じた「日本の就職活動の未来」

 

 そんな(株)MyReferは2月5日、「日本初ファッション業界リファラルミートアップ」と称したイベントを恵比寿で開催した。「MyRefer(マイリファー)」を利用している「(株)トゥモローランド」「(株)ベイクルーズ」「(株)ユナイテッドアローズ」に勤めている社員の紹介や、転職フェアなどから応募した45人が参加し、3社合同でのリファラルの取り組みが実現。現場で働く販売員と直接つながり、どんな環境で働いているのか参加者に知ってもらうために開催したようだ。

 イベントは2部構成。1部では3社の販売員・人事担当が「リアル」を語るパネルディスカッション。2部は題して「つながりタイム」、食事を共にしながら現場スタッフと直接つながり、会社の詳しい部分を知ることができる。

 

 1部のパネルディスカッションでは「自社で働いていて面白い・良い・お薦めできると感じる点」「自社で働いていて大変だと感じる点や他社の良いなと思う点」「会社として働きやすい環境をつくるために工夫している点」の3つのテーマについて、3社9人の人事担当・販売員が語る。それぞれの方が楽しそうに自社のことについて語っているのが印象的だった。

「販売業務だけでなく、自社Webサイトの運営の仕組みまで教えてもらえる」「キャリアが浅くてもさまざまなことに挑戦できる」「右も左も分からないときに、先輩が優しくフォローしてくれる」といった話が飛び交った。

 大変だと感じる点についても、少しオブラートに包みながら話してはいたものの、どのような業務が大変で、どんなことで悩んでいるのかなどが分かり、自分の働く姿が想像できる。

 このディスカッションでは、「販売だけをするかと思いきや、その他の業務が多くてびっくりした」「店頭に立つのが初めは怖かった」と、大変だと感じる部分も包み隠さず話していた。

 

 2部の「つながりタイム」では、参加者を3つのグループに分けて、1ターム20分で各企業の販売員・人事担当が回る。話を聞いた上で、選考に進みたいと思ったときはその場で申告できる。

 食事やアルコールを口にしながら、リラックスした状態で話せ、仕事以外の話も飛び交っている様子だった。

 このような流れでイベントは終了したが、リファラル採用について、参加者や企業側はどう考えているのか気になったので聞いてみた。このイベントを転職フェアで知ったという、学校で働く女性2人は「楽しく、イキイキ働きたいと思い、転職先を探しています。今日話した社員さんが楽しそうに職場のことを話していることが印象的でした。本格的に転職したいと思うようになりました」と話していた。

 では、企業側はどうなのか。(株)ベイクルーズ 執行役員の吉田光樹氏に聞いてみると、「人手不足の今、転職活動をしている人だけにアプローチするだけでは限界があります。そんな中、『MyRefer(マイリファー)』を導入したことで、採用人数が2倍に増えました。今回のイベントに参加したのは、良い人材と接点が持てることが一番の理由です。参加した方が今、転職の必要がないと感じたとしても、これから先、気持ちが変わってベイクルーズに応募してくれるかもしれない」と語り、リファラル採用と今回のイベントに対して、良い印象を持っていた。

 リファラル採用は、企業側も応募者側も就職する際に知りたい情報が分かる良い取り組みだと思う。新卒離職率が3割以上になり、就職のミスマッチが起きている今、「働き方改革」とともに「働く前改革」も必要なのではないか。今後、日本の就職市場がどのように変わっていくのか注目だ。