サミットの最新店、大田大鳥居店の「フレッシュサラダ&カットフルーツコーナー」。青果売場先頭部分にバックヤードを設けて設置。サラダとカットフルーツを製造、販売している。

 スーパーマーケットとコンビニの大きな違いに、それなりの規模での店内加工をするか否かの違いがある。揚げ物などを中心に、惣菜については店内で加工する商品を強化するコンビニもあるもの、特に生鮮についてはスーパーマーケットの差別化要素として大きな存在感を持ち、それは今後も変わらないと考えられる。

 昨今では、人手不足も深刻化していることもあって店内作業の加工をプロセスセンターなどの外部に切り替える動きも活発化している。一方で、アウトパックを増やすことはコンビニとの差別化要素を減らしていくことと考えることもできる。また、店内加工の設備や技術は、一度なくしてしまうと教育面も含めてなかなか取り戻すのが難しいと考える企業もある。

 そうしたこともあって、スーパーマーケットの戦略として、「グロサリーや日配など加工食品については発注、陳列作業をできるだけ効率化」しつつ、その効率化した成果も生かして「生鮮の中でも自社の強みを発揮できる分野についてはむしろ店内加工を強化し、差別化を図る」という方向性が明確になりつつある。2020年は、どこを効率化し、どこにより人時を含めて注力するかという企業の戦略がよりはっきりしてくるだろう。

 このような中、差別化要素として多くの企業が強化するのが、そのまま食べられる「即食」商品の分野だ。これは、必ずしも惣菜だけに限らない。青果、鮮魚、精肉の生鮮部門においても増加中で、しかも注力分野になっている。

青果部門が手掛け、100円以下のワンコインで展開

 特に昨今、ブームのような状況になっているのが、青果部門が手掛ける「店内製造のサラダ」だ。

 もちろん、既に古くからカップに入ったサラダはコンビニをはじめ、多くの業態でバラエティ豊富に品揃えされている。スーパーマーケットとしてもかなり古くから品揃えされている商品群ではある。

 歴史的には20年以上前の1998年、「ミールソリューション」を戦略的に具現化することで業界をリードしていた首都圏の有力企業のヤオコーが店頭に「サラダステーション」というコーナーを明確に設置。精肉や鮮魚の素材を用いた店内加工のサラダを商品化し、一カ所で展開するというコンセプトでの展開を開始し、その後、多くの企業で取り入れられることになった。

 一方で、冒頭でも触れた通り、店内で製造するためには多くの人時を必要とすること、また、同時にアウトパックの商品化レベルの向上もあって、特にヤオコーなどは近年にかけて、次第に商品のアウトパック化を図ってきている。

 今回の動きは、その流れに対し、再度、店内加工にこだわっている点に特徴がある。首都圏の企業ではサミット、マルエツ、カスミが代表的な存在だが、共通しているのは改めて専用の作業場を設け、青果部門として店内加工をしている点、また、価格帯を本体価格で100円を下回る水準から設けている点などだ。

 中でもサミットはこの動きを先導している企業といえる。同社は昨今では新たなマーチャンダイジング(MD)への積極的な挑戦で業績も好調、全国的な注目度も増すなど、勢いのある企業だ。

 現在のサミットの新店では青果売場での「フレッシュサラダ&カットフルーツコーナー」は必須の機能となっている。11年11月オープンの成城店(東京・世田谷)から設けられ、それ以降の新店、改装店で導入されるようになっている。

 青果売場の一角に、あえて加工していることが見えるように加工場を設置し、その前のケースで販売することで、店内で製造していることをアピールしながら販売。商品としてはトマトを強調した野菜のみのものから魚、肉などを載せたものまで多彩だ。

サミットの店内加工のサラダ。本体価格98円からという手頃な価格で、さまざまなサラダが並ぶ。肉や魚の素材を載せたサラダも展開。