昨年はタピオカミルクティーがブームとなった。タピオカミルクティーの専門店が路面店として相次いでオープンし、どの店も若い女性を中心に長い行列ができた。

 目立つデザインのカップに極太ストローを突き刺し、スマホを片手にインスタの撮影に熱中するティーンたちが店の前にあふれ、黒い粒々の沈んだドリンクを手に持ち、極太ストローでシュポ、シュポと吸い込みながら街歩きする若者があふれた。

タピオカミルクティーブームは冬を越せるか?

 若者たちは次々と出店するタピオカミルクティー専門店を訪れ、長い列に並ぶことをいとわず、各店のテイストの飲み比べを行い、インスタにアップするほどのブームになったのである。

 そして、この勢いを受けて、ミスタードーナツやタリーズといった全国チェーンもメニューに取り入れたりした。

 なぜここまでタピオカミルクティーはブームになったのであろうか。理由を探ってみる。

 1つ目の理由は、タピオカミルクティーの特徴的なビジュアルが、若者の「インスタ映え」にぴったりとはまったからだ。またそれを片手に街歩きするのが若者の間でおしゃれに映った。

 2つ目は本場台湾の人気店が上陸して、店舗数を増やしてきたことだ。発祥の店とされる台湾の「春陽堂」が13年に上陸、順調に店舗数を増やし、世界中に店舗を展開している「Gong cha(ゴンチャ)」や「CoCo都可(ココトカ)」がオープンし店舗を拡大した。

 3つ目は「台湾人気」だ。一般社団法人日本旅行業協会の人気旅行先ランキングによると2019年のゴールデンウィーク、年末年始の人気旅行先はハワイを抑えて、5年連続で台湾が1位。夏休みは台湾と逆転して2019年はハワイが1位だったが2018年は台湾が1位。つまり旅行先の台湾でタピオカミルクを楽しんだ旅行客の経験や口コミがブームに大きく影響しているのだ。かつて1位を占めていたハワイとの関係で、ブームになったのがパンケーキ。ハワイで日本人観光客の長蛇の列ができる人気カフェ「Eggs'n Thinngs(エッグスシングス)が上陸したことも大きい。

 しかし、冬に入り、タピオカミルクティーの専門店に並ぶ、そのような行列は姿を消したように思える。タピオカミルクティーのブームが冬を越せるか注目が集まっている。今後は昨年のような長蛇の列ができることはなくなるかもしれないが、パンケーキが日常のライフスタイルの中にしっかりと根付いたように、タピオカミルクティーも日常のライフスタイルの中に根付くことになるのではないだろうか。

バスクチーズケーキがコンビニスイーツとしてブームに

 

 2020年はどのようなブームが起きるだろうか。昨年のタピオカミルクティーのような新たなブームが生まれるかは分からないが、タピオカミルクティーブームの3つ目の理由との関連で、海外の味が上陸しブームになるかもしれない気になるトレンドを探ってみる。

 気になるトレンドの最初はコンビニスイーツとして、じわじわとブームになっているバスクチーズケーキだ。現在、セブン‐イレブンとローソンで販売されている。

 先行したのはローソンで昨年の3月26日より全国のローソン店舗で「バスチー バスク風チーズケーキ」(税込み215円)を発売。10月にはセブン‐イレブンが「バスクチーズケーキ」(税込み257円)を発売した。

 バスクというのは、スペインにある地方の名前で、そこにサン・セバスチャンという街があり、ここにある「ラ・ヴィーニャ」というバル発祥のチーズケーキである。中心部は少しトロリと半熟で、外側は焦げるほど焼き込みカラメルのような味わいがするのがバスクチーズケーキの特徴だ。

 2018年7月5日に、白金にバスクチーズケーキ専門店「ガスタ」がオープンして、今やすっかり人気店になっている。

セブン‐イレブン
ローソン

 ということで、コンビニ2社のバスクチーズケーキを食べ比べてみた。まず値段と大きさが違う。セブン‐イレブンが257円(税込み)に対してローソン215円(税込み)とセブン‐イレブンがやや高め。それぞれ袋から出してみると、セブン‐イレブンが一回り直径が大きく、高さも高い。見た目はローソンの方がバスクチーズケーキの特徴である焦げ目がはっきり出ている。

 セブン‐イレブンのパッケージには「セブン‐イレブン史上最高においしいチーズケーキ」と書かれていて自信満々だ。味はあっさり、上品な感じだが、チーズと卵の味がしっかり濃厚に感じられる。

 一方、ローソンのパッケージには「レアでもベイグドでもないチーズケーキ」というキャッチコピーが書かれている。セブンと比べると柔らかい感じがした。口の中でとろける触感はなかなかだ。また焦げ目がしっかりついている分カラメルのほろ苦い酸味がある。

 気になるカロリーはセブン‐イレブン338kcal、ローソン244kcalでした。

ジョージア料理、シュクメルリはブームになるか?

 

 牛丼の松屋が2020年1月14日より発売したのが、ジョージア料理「シュクメルリ鍋定食」だ。最初ポスターを松屋の店頭で見た時には「ふーん牛丼の松屋でアメリカのジョージア州の料理を出すのか? “シュメルクリ鍋”覚えにく名前やなー」と思っていたのだが、後日、アメリカのジョージア州ではなく、旧ソ連邦の国ジョージアで、“シュメルクリ鍋”ではなくさらに覚えにくく、言いづらい“シュクメルリ鍋”であることが発覚したのだ。

 その日以来、頭の中を“シュメルクリ”じゃなくて“シュクメルリ”“シュクメルリ”“シュクメルリ”という言葉が駆け巡り、どのような料理か食べてみたいという気になってしまったのだ。

松屋店頭ポスター。ジョージアは旧ソヴィエト連邦の構成国でグルジアと呼ばれていた。1991年に独立し2015年国家名称をジョージアに変更した。旧ソヴィエト連邦の最高指導者であったヨシフ・スターリンの出身地でもある。

 ジョージア料理は、ロシア、アジア、ヨーロッパ、中東に囲まれ、さまざまな地方の特性を含んだ料理が多く、日本人の口に合う料理が多いそうだ。シュクメルリは“世界一ニンニクをおいしく食べるための料理“と言われているそうだ。

 ということで松屋の「シュクメルリ鍋定食」を食べてみた。固形燃料で下から温めたままの鍋はぐつぐつと音を立て、ニンニクの良い香りを放ちながら運ばれてきた。もうこの時点で、見た目、音、においで食欲がそそられるのだ。

 具材はごろっと大きめの鶏肉とサツマ芋、そしてチーズが振り掛けられている。一口口に入れた瞬間、ガツーンとニンニクの味が広がる。ニンニクが効いた濃厚&クリーミーなホワイトソースが柔らかい鶏肉と絡み合い、サツマ芋の甘みとチーズの風味がなんとも言えないマッチングで、ご飯がどんどん進むのだ。このソースだけご飯にかけても何杯も食べられそうなぐらいなのだ。まじ、うまいのだ。

 価格はシュクメルリ鍋定食(ライス・生野菜・みそ汁付き)税込み790円。シュクメルリライスセット(ライス・みそ汁付き)税込み730円。

 タピオカミルクティーのブームの3番目の理由からすると、スペインのバスク地方はまだしも、ジョージアへ行って、シュクメルリを食べた日本人は少ないだろう。しかし、これからも日本人になじみのない外国料理がその料理の持つインパクトでブームになることがあるだろう。2020年は日本人が経験したことがない外国料理を発掘して次々と商品化してもらいたいものだとシュクメルリをハフハフとほおばりながら思ったのだ。