IoT(Internet of Things)という言葉もまた最近よく耳にします。IoTは「モノのインターネット」と訳されていますが、具体的なイメージが湧くでしょうか?

 要は、全ての物がインターネットにつながることにより、人々のビジネスや生活の仕方が変わり、向上するということなのでしょう。

音声認識と合わさり、身近になってきている

 IoTという概念は1990年ごろからありましたが、近年テクノロジーと利用環境の進化により、クラウド、ソーシャルメディア、ビッグデータなどに続く大きなトレンドになっています。

 従来のインターネットはコンピューター同士をつなぐネットワークでした。しかし、テクノロジーの進化によって、コンピューター以外のインターネットにつながっていなかったモノ同士が、ネット上でつながり始めたのです。ですから、モノたちがつながっているインターネットということなのですね。これが音声認識と相まって、もっと身近になってきています。

 2014年にAmazon.comがAmazon Echoというホームターミナルを出しました。 Amazon Echoは、音声認識・対話機能プラットフォームのAlexaという人工知能エンジンが動いており、さまざまな機能を音声で操作できます。例えば、スケジュールを管理したり、天気予報を聞いたり、Amazonに注文した品がいつ来るかを調べたりなどを音声でできます。

 その2年後にGoogle Homeがライバルとして登場しました。Google HomeにはGoogle Assistantが搭載されており、対話を繰り返すことにより学習するので、徐々にユーザーの指向に合って行きます。

 そして、iOS 8のリリースと共にAppleがHomekitをリリースしました。iPhoneやiPadで使われていた人工知能機能を持った音声アシスタントのSiriが搭載されており、当然、iPhoneで家電製品の管理・操作ができることを狙っているわけです。

ホームセキュリティー、室温調節などが可能に

 インターネットに接続される機器は、これからさらに多くの分野に広がっていくと思われますが、現在のところはどんなモノがあるのでしょうか?

 まず、ホームセキュリティーがあります。外部監視カメラ、インターフォンカメラ、スマートロックなど。スマートロックを使えば、どこからでも施錠・解錠ができたり、24時間玄関のアクセスをトラッキングできたりします。

 同様に内部監視カメラもあります。ペットがおとなしくしているか外出先から分かります。

 また、扉や窓の開閉状態や室内の水漏れなどを検知してくれる機器もあります。

 照明や室温コントロールをしてくれたり、日差しがきつければブラインドを閉めてくれたりもします。2014年にGoogleが32億ドルで買収したNest社の機器は、室温調整に人工知能を搭載し、住人にとって最も快適な室温を学習し、人がいる時間だけ室温を調節することができます。

 寝室の内外の騒音をコントロールし、睡眠に優しい環境作りができるモノもあれば、冷蔵庫の中の物をモニターし、鮮度を管理するモノもあります。あるいは、最近のロボット掃除機は、外出先から指定した部屋を掃除してくれます。

米国の家電展示会でセールストークに使われている

 IoTという概念がファジーということもありますが、インターネットにつながっていなければ、機器自体の勝負になります。機器自体も日進月歩してはいますが、そうかといって従来からのメディアを通じてだけで、他社製品を差し置いて自社製品を購入してもらうだけのインパクトを与えるのは難しくなっています。汎用性の高い機器であれば機器であるほど、なおさらです。そこで、どうしようかというわけです。

 例年1月にアメリカのラスベガスで最大規模のCES(Consumer Electronics Show)という家電展示会が開催されます。そこで、家電出展社は自社の商品が「Amazon Echo対応です」とか、「今度Google Homeにも対応できるようになります」としきりに強調するのです。実際に各社の機器自体が、他社と十分に差別化できる機能を有しているケースは案外少ないので、むしろそういうビッグネームのプラットフォームに対応していることが最大の売りになるわけです。逆に言えば、対応していないと、ちょっと古臭い感を持たれる可能性すらあります。

 中でも最強のトークは、「どのスマートホームにも対応しています」です。こう言われてしまうと、すぐ欲しいとか、すぐ販売したいという気になってしまうものです。最近のキラートークですね。

 次回以降でもまた、違った角度から新しい技術トレンドがどのように世の中で広がって行くか考えたいと思います。