アイリスグループ会長の大山健太郎氏が『商業界ゼミナール』(2020年2月25日~27日)の記念講演に登場する(大山氏の講演は25日)。3日間で25講座、30人近い講演者が登壇する『商業界ゼミナール』の初日に登壇する大山氏は「時代の変化に対応し、新しい需要と市場を創造する」をテーマに語る。その真髄は「ガラパゴス市場」の突破にある。

 2012年度に2400億円を超えた同社のグループ総売上高は、19年度では5000億円に到達と7年間で2倍超の成長を遂げている。

 アイリスオーヤマは収納用品、日用品、生活家電などのコモディティ商材の製造・供給を行ういわばメーカーベンダーの先駆企業。中が見える収納ケース、LED電球でヒット商品を出し、同社が主な販路としてきたホームセンター業界が停滞気味となる中、売場での存在感を出してきた。

 その同社の成長源こそが、大山会長が語る「家電市場のガラパゴス化」にあった。「ガラパゴス」とは国内専用といったように孤立した市場でしか通用しない機能や仕様を持った製品が主流を占める市場を指し、携帯電話の“ガラケー”が象徴とされている。

 今、大山氏の目には日本の家電市場がそれにあたるというのだ。

「ソリューション商品」を開発し続ける

 同社のホームページでは、真っ先にスマートスピーカー対応モデルもあるエアコンや自走式スティッククリーナー(手軽に床を走らせることができる)、音声操作のLED室内灯、大型液晶65型4Kテレビ、ツインノズルの布団乾燥機(2枚同時に乾燥可能)などがアピールされており、総合家電メーカーをイメージさせる。しかも、家電専門メーカーでは同型テレビが13万~15万円のところをアイリスオーヤマでは8万~9万円、スティッククリーナーが3万~4万円のところを1万~1万5000円、といったように2分の1から6掛けの価格(いずれも店頭の実勢価格)で展開されるなど、既存の家電市場に大きな存在感を示している。

 同社の扱い品目は約1万5000品目。3年以内の新商品が62%。その原動力が毎週月曜日に行われる新商品開発会議であることはあまりにも有名だ。ここでは開発、生産、営業等各部門からの出席者を前に、担当社員が行うプレゼンで採否を決定する。

 同社では開発商品を生活者の不満、不便を解決する「ソリューション商品」と位置付け、開発担当者もまた生活者の視点で発見した不満、不便の解消を商品に込める。こうした生活者視点からの必要な機能だけを残し、または必要に応じて付加することで、過剰な仕様を省く思想が自走式スティッククリーナー、ツインノズルの布団乾燥機などを生み出した。

 業界内常識が通用する市場、限られた市場での商い、といったように「ガラパゴス化」している市場は家電以外にも、今の日本にはたくさんある。眼前の困難と諦めずに挑戦を続けること。第88回『商業界ゼミナール』のテーマは「可能性への挑戦」。大山会長の講演を聴き、「可能性への挑戦」に勇気をもって取り組む第一歩としてもらいたい。

 

※大山健太郎会長の講演を聴きたい方は、https://www.shogyokai.co.jp/sseminar_2020/ からお申し込みを!