左:吉田昭夫氏 右:岡田元也氏

 イオンは、3月1日付で岡田元也社長が退任をして、取締役兼代表執行役会長に就任。吉田昭夫氏が社長に就任すると発表した。イオン誕生より51年目の今年のスタートにあたり、組織体制の刷新を図って、新しい時代に対応した経営スピード、グループ総合力の持続的成長を実現させるべく社長交代を実施した。

なぜこの時期の交代なのか?

 今回の社長交代について岡田氏は「イオンは大きくなっていくにつれて、新たな事業機会に対して、リスクを取らなくなってしまったので、新しいリーダーを据える必要があった」と語り、今回の社長交代は必要だということを強調した。

 昨年から社長交代の準備を進め、岡田氏と吉田氏の責任分担、協力方法を協議して賛同を得た。新しい組織についてはこれから協議し、2019年度中に決定、社長交代のタイミングでスタートするようだ。ほとんどの権限を吉田氏に任せて、岡田氏はイオンの長期戦略部門を担っていく。

 吉田氏を社長に据えた理由として、岡田氏は「これからの時代は変化が激しくなり、予測というものがリーダーシップのもとになると思う。吉田は予測して長期的な変化の見通しを考えることができる。想定外の出来事に対しても勇猛果敢に対処できるリーダーになってほしい」と語った。

 3月から社長となる吉田氏は「イオンはこれまで小売事業を中心にマルチフォーマットを展開してきたが、今の時代は従来の垣根を超えたことが必要。小売業は変化適応業。今後は人材育成に力を入れ、イオンの改革の方向性を見失うことなく目的を達成していきたい。『店は客のためにある』、現場主義を貫き、変革を行っていきたい」と、これからの展望を語った。

社長交代により、どんな組織になっていくのか

 吉田氏は昨年末に社長交代の打診を受けた。「社長就任について悩みましたか」という記者の質問には「この話を受けないのは、会社を辞めること」と答え、イオンが抱えるさまざまな課題に強く取り組んでいく姿勢を見せた。

 特に課題となっているデジタル部門の遅れについては、リアル店舗とオンラインをどのように融合させるかという部分に力を入れる。リアルな場を持っているという強みを生かして、オンラインからリアル店舗までの動線を作るために多くの人員を割いていくようだ。

 力を入れていくと意気込んだ人材育成については「環境が大きく変わっていく中で、これからは現場がすぐに対応しなくてはいけない。本部から指示を出すのではなく、本部に要請できるような逆流が起きる組織にならなくてはいけない。これは無形の資産になる」と、目標とする新たなイオンの組織像を語った。

 最後に岡田氏は「社長の期間が長くなったのは恥じるべきこと。こんなに長くやるとは思ってもいなかった。これからは、本当にお客さまのためにできるかを考えていく。『店は客のためにある』という原点を絶対に忘れず、不都合を隠さない。どこの会社よりもそういったことを注力していきたい」と、今後のイオンの方向性を見せた。