本ゼミナールの夕食後に行われる「車座商人塾」はカフェスタイルで椅子とテーブルを囲んで行われる。

 このタイトルを読んで、どう思うだろうか? 2泊3日間の合宿型セミナーに毎年500~600人の参加者を数える。しかも約6割が継続参加者。そして、『商業界ゼミナール』が他社で行われる研修会、セミナーとの決定的な違いが「車座商人塾」という連日、夕食後から行われるオープンなディスカッションの場にある。

 人間が生きてゆくためには、人と人との触れ合い結び合いがなくてはならない。その触れ合い、心の交流が生きてゆく支えとなる。

 独立事業主であった商人にとって、欠けていた人間交流の場をつくることが、商業界ゼミナールを始めた理由と商業界主幹の倉本長治は言った。

 商業界ゼミナールに参加することとは、商人としての在り方を学ぶ場であると同時に、商人同士の交流の場、自身の生涯の師、友との出会いの第一歩なのである。

 第1回の商業界ゼミナールが開催された1951年当時、人間不信がはびこり、損得打算のみに走りがちな取引に、正に商人は明け暮れることを余儀なくされた。そんな中、商業界ゼミナールは、商いの喜びを伝えようという、正に180度転換した信条を掲げ、始まった。

箱根での開催では車座での語り合いが自然と行われた。独立商人にとって、交流、触れ合いの場は商いの在り方を学ぶだけでなく、生涯の友人を得る場であった。

「おめでとう」と「ありがとう」

 第10回の商業界ゼミナールの開講式の際、倉本長治の言葉。

 満10周年を祝ったわけではない。参加した商人たちの巡り合いの場、人生の出会い、生涯の友情を誓い合う機会を再び持てたことへの祝辞なのである。

 ゼミナールとは、一方的に講座を聞くだけではなく、先述の車座での語り合いを通じて、受講生同士が再会を喜び、「人生や商売の研究と披瀝の場」、知識、技術、経験を“お客さまがどう喜んだか”をお互いに表現する場なのである(現在はサークル上に配した椅子に座る形態で行われるが、かつてはまさに車座で語り合っていた)。

 さらに3日間を通して、30以上の講座に触れる。知られた経営者、講師、見知らぬ企業家もいる。これらに触れ、参加者は「変わるという決意」をする。

 そして、次回のゼミナールで人生、研究の成果を披瀝する。自身の「前進を確認する場」であり「次回への前進を誓う場」なのである。継続参加者が6割と多い理由がここにある。

 付け足しのようだが、先の「ありがとう」は参加者に対して、店頭に来てくれたお客さまにかける言葉と同じで、主催者を代表して倉本主幹が、『商業界ゼミナール』という商品を善きもの、認めてくれたことに対しての感謝の言葉だったのである。

第88回『商業界ゼミナール』に参加を希望される方はhttps://www.shogyokai.co.jp/sseminar_2020/ から!