業界のステータスをもっと上げる

――「連携」という意味では、業界全体を視野に入れた活動にも積極的に関与している。スーパーマーケット・トレードショー2019内で開催された「スーパーマーケットにおける品質改善事例発表」(発表大会)が大好評だった。運営を担当した品質改善プロジェクトのリーダーを務めているが、そもそも一連の取り組みが始まった経緯は。

原:もともとは、一般社団法人全国スーパーマーケット協会の千野和利副会長が協会の活動として立ち上げた「生産性向上検討会」に端を発する。そこに3つのプロジェクトがあり、「品質改善プロジェクト」はその1つ。2年ぐらい前に千野副会長から話があり、プロジェクト活動が始まった。

 発起人のような形で、9社がプロジェクトメンバーとして活動している。活動は、大きくは発表大会の運営、改善活動の普及のためのセミナーの開催だ。

―――やはり、品質改善というテーマへの関心度が高い。

原:サービスレベルを上げていくのも相当難しい時代になってきたと感じている。そういう中で地味な活動ではあるが、1つ1つの活動自体のレベルを徐々にではあるが、上げていくのが重要であると思う。

 今までの経験と勘と度胸だけではなかなかこれからの成長が難しい時代になってきたと思う。

ーー今回の取り組みに当たっては、アクシアル リテイリングが取り組むTQM(Total Quality Management)が大きな要素となっている。ともすれば、自社の差別化要素とも思えるが、それを業界全体に広げられるということは、やはり業界としての危機感がある。

原:やはり、業界そのものの地位向上、ステータスをもっと上げていかなければいけないと思っている。今、求人難がどの産業でも起こっているが、大卒の求人倍率でも小売業は他の業界よりもかなり高く、2桁になっているようだ。いかにわれわれの業界が残念ながら不人気であるかということがいえる指標の1つであると思う。

 そこにはやはり業界の体質も大いにあると考えている。生産性も他の産業と比べて高くないし、福利厚生の面でも、給与水準も他産業から見ると見劣りする。結果として、残念ながら今のような数字になっている。

 もっと全体を改善していくことによって、業界全体により以上に優秀な人が集まって、それぞれの企業がより発展していく礎になればと思っている。

 確かに、TQMを他社と共有せずにわれわれだけ成長していけばよいではないかという発想もあるが、それだと結局、限界がある。業界そのものに目を向けてもらえるような下地を作らなければいけないと思っている。

――19年の第1回発表大会には大きな反響があった。

原:9社、10サークルが発表したが、約400人の方が聞きに来られた。立ち見が出るような状況で、非常に反響が大きかったと感じている。皆さん、やはり関心がおありになる。「何とかしたい」という思いはおそらく共通だと思う。

――参加した企業の声は。

原:発表された企業の中からは社員のモチベーションが上がったという声が多く出た。また、発表をご覧になられた方々も、合理的に改善活動が進められているのをご覧になられて、「こういう活動が必要だな」ということを実感された企業が多かったようだ。

――見に来られる人の中には初めて知る人もいると思う。そういう中で広がりが期待できる。

原:どうしても、人に依存しがちな業界で、すごいアイデアマンとか、声の大きい人、あるいはとても行動力のある人などが、引っ張って企業が大きくなってきた部分があると思う。

 もちろん、そういう人も大事だとは思うが、やはり企業全体の体質を上げていくのに、パートナーさんをはじめとした多くの人の知恵、衆知を集めていくことはすごく重要だと思う。

 皆さん、危機感は持っていらっしゃると思う。プロジェクトを通じて、1つの手法ではあるが、「社内の改善活動はこういうふうに進めていけばよい」とイメージしていただけると思っている。ぜひ、積極的に参加しようという企業が1社でも増えればと思っている。

第2回 スーパーマーケットにおける品質改善 成果発表大会

【聴講無料】

日時/2020年2月13日(木)13~16時30分(入れ替え制、途中休憩あり)

会場/幕張メッセ 国際会議場 国際会議室(第1回と異なり、セミナーステージではないので要注意)