首都圏を中心に展開するホームセンター島忠のショッピングセンター業態「ホームズ」。昨年10月31日、埼玉県所沢市にある「ホームズ所沢店」が売場面積4242坪へと約2倍に拡張リニューアルされた。

 そのリニューアルの目玉の一つが、島忠初となるアパレルブランド「カラビナ」の出店。自社売場内での展開ではなく、あえて単独店として出店させた狙いと今後について考察した。

コンセプトは「My Utility Wear 夢中になれる服」

「カラビナ」があるのは1階からエスカレーターで昇った正面に位置する好立地。GAP OUTLETとスポーツ用品MIZUNOにはさまれている。ホームズ所沢の2階は家具インテリアを中心としたフロア構成で、100均のダイソーやヘアカット、女性専用フィットネスといった11の専門店がテナントとして入る。

 その中でアパレル専門はGAP OUTLETと「カラビナ」の2店舗。ファミリーイメージの強いGAPに対して、「カラビナ」はレディス、メンズに特化した形で展開。GAPの方が売場面積も格段に広く品揃え点数も多いという条件下では、ファッションテイスト軸でGAPとかぶらず、商品特性も明らかに優位に立てるような商品政策が求められる。

 その点、「カラビナ」は「My Utility Wear 夢中になれる服」がコンセプト。撥水、吸水速乾、防寒などの機能性と耐久性を兼ね備えた素材を中心に、シンプルでスタイリッシュなデザインを採用してリーズナブル価格で展開していくのには納得がいく。

認知・知名度アップの取り組みが足りず、際立つ安さもない

 しかし、およそ100坪ほどの売場にシンプルなパイプだけをつなぎ合わせた店舗外装に新しさは感じられても、それ以外に感じ取れる情報量は極めて少ない。採用マネキンも何ら特徴のないポージングで、商品性能をアピールするような仕掛けもなく商品がハンギングされているだけではアピール不足といわざるを得ない。これでは店舗の新規性よりも認知・知名度の低さの方が勝ってしまい、新規によるお客の立ち寄りはあまり期待できないのではないだろうか。

 プライスラインは税抜き価格で298円、398円、1980円、2980円、3980円、4980円、5980円の7プライスポイントをそろえている。品揃えの最も多いプライスポイントは1980円、2980円、3980円。普段使いを意識した価格帯と考えられるが、隣接するGAP OUTLETはもちろんのこと、半径5km圏内にあるジーユー(約4.4km)、しまむら(約3.2km)、ワークマンプラス(約5.3km)と比べても決して「安さ」が際立つことはない。

 マネキンの着装シーンが漠然としているせいか、少しお洒落なワンマイルウエアか普段着といった印象しか持てず、もったいない。ブランド名の「カラビナ」はアウトドア用具でブランドアイコンにもなっているのだから、本格的なアウトドア装備までこだわらなくてもBBQやライトキャンプ向けなどシーンを明確にした機能で訴えていかないと、今後の成長は期待できそうにないだろう。

ショップスタッフ不在でいいのだろうか?

 そして何より驚いたのは、ショップスタッフが不在だった点。お邪魔したのは土曜日の昼だったのだが、ランチ休憩か人手不足による欠員かは分からないがオープンして2カ月もたっていないのに。店内にフィッティングルーム、靴まで取りそろえているにもかかわらず「ご用命の際はミズノのスタッフへお声掛けください」では何ともお粗末な対応である。

 アパレルビジネスをなめているのか、セルフ対応の店舗オペレーションに浸かってしまった結果、お客の心理が理解できなくなってしまったのだろうか。当然、こんな状態では結果など出るわけもなく、店内では早々にMAX70%OFFの処分セールを実施していた。