上向かない消費マインドは、どこから?

図表④ 消費者態度指数(発表:内閣府)

 

 SCIを用いて具体的に駆け込みとその反動の様子を見てきたが、ここからは前回の増税後の消費低迷で悩まされた消費マインドについて考えてみたい。

 これは内閣府が発表している「消費者態度指数」の推移だが、11月の消費者マインドの基調判断は「持ち直しの動きが見られる」となり、10月時点の「弱まっている」から良化した。グラフを見ると確かに直近の動きは回復傾向にあるが、その前までは消費税増税直前の9月をボトムに悪化していた。また前回(2014年)の増税後と比較すると、若干ではあるが前回よりもスコアが悪いのも気になる。

 消費マインドの持ち直しに期待したい一方、不安も残るわけだが、この状況の背景にあるものは何だろうか、考えてみたい。

図表⑤ マインドの現在地

 

 あくまで解釈なので仮説の域を超えないが、消費マインドの背景にあるものとして「硬直」と「弾む」の2つの面から整理をしてみた。そして今はまだ「硬直」の方が優勢なのではないかと私は思っている。

 究極は「自己責任論」に代表されるように「自分の身は自分で守る」という意識が強まっている印象をあなたも持っていないだろうか。

 ここに挙げているのは一例だが、夏には熱中症対策として経口補水液、最近では塩あめも良く売れている。冬はインフルエンザ予防として電車内でのマスクは(少なくとも都内では)一般化したし、除菌をうたう商品はさまざまな形状のものが店頭に並んでいる。いずれも、守る行動、主体的に行う「予防行動」だ。今年も災害は多く「命を守る行動」をとるようにとよく耳にしたが、これにも同じ意味もあるだろう。

 また先に目を向けても、『老後2000万円問題』や増大する社会保障というように、いわゆる将来不安がのしかかっている。安心できない、頼れないとなると、守る意識が強まり、消費にも前向きになれない。このことが「硬直」、身構える姿勢につながってしまうのではないか。

 一方、その反対は「弾む」、高揚した状態だ。「にわかファン」という言葉も生まれたほどラグビーワールドカップは大いに盛り上がったし、「平成最後の〇〇」「令和最初の〇〇」もそれぞれイベントも含めて列島が祝賀ムードになった。これらはいわゆる『トキ消費』(博報堂生活総合研究所)とされるものだが、その規模、インパクトから消費マインドを押し上げる力があると期待したい。

 今のマインドの状態を図表⑤で表したが、今回の駆け込みの状況や消費者態度指数の推移、そしてこの図からも「硬直(身構える)」の方がまだ優勢だといえるのではないだろうか。