そごう・西武が「ハイブリッド型」と呼んでいる西武所沢S.C.。

 西武所沢S.C.は西武所沢店を大幅に改装し、2019年11月14日にグランドオープンした。売場面積の約73%を定期借家契約(定借)による専門店に切り替えるという大手術を施した。百貨店が生き残りを懸けてショッピングセンターに転換した事例であると言える。

 そごう・西武の林拓二社長は「百貨店の良さと専門店の魅力を融合した。当社の新たなひな型になる店だ」と話す。

 売場面積のうち4割あった衣料品を半分の2割に、ビューティ関連は20%から15%に圧縮。2017年5月に2層化した食品は3割のまま、家電や生活雑貨、ペットなどのライフスタイル関連を従来の5%から25%に増やした。

 1階には新たにフードホールを新設。カレーの「コバラヘッタ」、タピオカティーの「TEA18」など新規出店7店を含む全11店、約300席の「とこうまキッチン」としてオープンした。

写真の「コバラヘッタ」やうどん店「うまげな」などを導入し、新たに編成した1階のフードホール。

 2階ではビューティ領域を集積。「M・A・C」「アルビオン」といった人気のコスメブランド、リラクセーションの「リフレ」や「加圧ビューティーテラス」など施術系テナントを新規導入した。

「アルビオン」などを新規導入した2階のビューティゾーン。来年 3月には積み残しのテナントを入れ、完成させる。

 3階は婦人服や雑貨の百貨店マーチャンダイジングを残し、4~7階の上層階は「無印良品」「ロフト」「ビックカメラ」「ユザワヤ」「ジーユー」やペットショップ「ワンラブ」といった大型専門店に切り替えて、テナントフロアとした。

5階には何と「ジーユー」を導入。「ロフト」「ジンズ」「ABCマート」と共に若い世代を取り込む狙い。
6階はビックカメラがワンフロアを全面展開。家電だけでなくワインなど幅広い商品を展開している。

「今までなじみがなかった子育て世代やファミリー層にも気軽に来店してもらえる分野を強化した」と酒巻満館長。

 7階のギフトサロンは残すが、西武池袋店が運営する。8階にはダンスや歌、英語の表現が学べる劇団やレストランゾーンを導入した。客単価は改装前の8~9割に低下する見通しだが、新規客を呼び込んで客数を増やし、21年2月期の売上高は18年度比約10%増の約200億円を目指す。

 同社はこの店を地方・郊外店改装のモデルケースにしたい考えで、第2弾は西武東戸塚店(神奈川県)を計画。早ければ春にもリニューアルするが、正式決定はしていないという。

  • ◆西武所沢S.C.
  • 所在地/埼玉県所沢市日吉町12-1
  • 売場面積/約1万9000㎡(うち専門店部分約1万4000㎡)
  • 階層/地下1階~地上8階
  • ショップ数/120ショップ(うち新規50ショップ)
  • 駐車場台数/616台
  • 営業時間/10時~20時(1階フードホール10時~22時、8階レストラン11時~22時、地下1階と1階の食品売場は平日のみ20時30分まで営業)
  • 年間売上げ目標/2021年2月期約200億円(18年度比約10%増)
  • 開店日/2019年11月14日
  • 運営/そごう・西武
地図エリア

 

※本記事は『販売革新』2019年12月号に掲載されたものです。内容は取材当時のものです。

※『販売革新』はオンラインストアや紀伊国屋書店など大手書店で発売しております。