長期的には日本人に香港の案件を投資してもらいたい

 この発想はどこから生まれてきたのか? 「2つあります。1つは日本で民泊が解禁となり、最初はそのビジネスを考えていましたが、これだと近隣の方々からの苦情のリスクがありました。そこで物件を1棟丸ごと購入したのです。鍵をつける、CCTVを設置するなどの費用もかかりますが、こうすれば苦情のリスクはなくなります。もちろん、大阪には多くの観光客が訪れ、ホテルが望まれていることは知っていたので、ホテル運営をしようと考えたのです。もう1つは、2006年に私は香港島東部にあるショッピングモールで行ったビジネスです。そこでは1フロア全てを熱帯魚や金魚のフロアに改装したのですが、フロアを細かく区割りして熱帯魚や金魚の店を運営したい人に売り出して、収益を上げることができました。この2つをミックスしたのです」と話す。

 今後については、8つのホテルプロジェクトと書いたが、既に合計20の不動産物件を購入。しかも無借金で、だ。「いずれはショッピングモールにこのビジネスを応用したいと思っています。以前は、他社のモールのフロアを使ってビジネスをしましたが、今度は自分でモールの建設から始めるというものです。熱帯魚の場合のようにスポーツならスポーツなど1つのカテゴリーに特化したものでやりたいですね」

李社長(右)とアルビン・ヨウ副社長

 2018年には人口の3分の1にあたる200万人もの香港人が来日した。この背景には香港人が世界有数の親日の市民であることと、円安というファクターがある。香港市民は香港から旅行に出るときは必然的にパスポートの携帯が必要となり(ここで中国本土に行くケースはいろいろあるので割愛する)、小さい頃から海外旅行をしている。ようは旅慣れていて為替の変動に敏感で、円高に振れれば他の国に行く人も増えてくるというわけだ。これはビジネスモデルの不安定要因といえるが、「その逆も考えています。日本人を含め香港には大勢の観光客が訪れます。今のビジネスを広げて徐々に日本人にJABについて知ってもらい、日本人に香港の物件に投資してもらうものです」と、もう1つの夢を語った。

「JABの2018年の売上高は5億香港ドル(約70億円)でしたが、2019年は40%の成長ができる予定です」と李社長。この例のように発想の転換や過去の経験を組み合わせることで新しいビジネスモデルをつくる。こうした手法は閉塞感のある今の日本にも大きな参考になるだろう。