韓国からの訪日客が減る中、何をすべきか?

 

 しかし、その福岡は今、韓国からのインバウンド客の減少が言われている。影響はどんな形で顕在化しているのか伺った。

「福岡県トータルに見ると減っています。韓国での国内旅行より福岡にLCCで来た方が安いから、といったお客さま層は減って、その影響はここ4~5年で急増したもつ鍋屋さんのようなところに出ています。しかし、逆に台湾と香港からのお客さまは増えていて、食文化の好みは国ごとでも違いますから、水炊き屋さんが今度は伸びていると聞いています。『ふくや』は何とか影響があまりなくやっていますが、福岡は食も含めてリピート性のあるものをもっと生かしていかないと、と思います。一口にインバウンドと言っても東京で見えるそれと福岡ではだいぶ違います。欧米系のお客さまは福岡では非常に少ない。例えば日本初の禅寺も魚市場も、観光客を呼ぶような動きをしていません。博多っ子は物事を突き詰めない性質ですから、コンテンツの価値が見えてないのかもしれません」

 福岡には昔から今まで大陸から新しいものが続々と流入してきて、そういう土地柄が「こだわりがなく、突き詰めない」県民性を育んだそうだ。

「『好きやすの飽きやす』という博多っ子をうまく表す言葉がありますが、新しいものに対して抵抗感が低く、何でも試して、食べてみたくなる。その一方で探究心を持ってどうにかしようというのは薄いんです」

 そのために「アジアのゲートウェイ」と呼ばれてウン十年。福岡は中々その役割をうまく果たせてこられなかったのかもしれない。

「それは私の嫌いな言葉で、実際には仁川や釜山、シンガポール等の方がずっとゲートウェイですね。ただ東南アジアから中国、韓国まで、福岡は東京や大阪よりサンダル履きで行き来できる気軽さはあります。また、国内においてはいまだに支店経済です。例えば指原(莉乃)さんのように博多に転勤を命ぜられ、全国から福岡に来た人が食文化などを覚え、またどこかの土地に戻って行かれるわけです。だから広まって行きやすいという土壌もあり、明太子が広まったのも製法を公開したこともありますが、福岡だったからというのも大きいと思います」

 そんな福岡が向かうべきはどちらにあると川原社長は見ているのか?

「インバウンドのお客さまは実際には大分で温泉に入り、長崎でハウステンボスに行き、と九州全体に散って行きます。それと同時に福岡の食を支えるのは宮崎、熊本、鹿児島といった九州の各県の農畜産物です。福岡への人口集中はまだ止まらないでしょうが、福岡だけをコンパクトシティにすればいいという問題ではなく、九州全体で考え、農業や畜産を含めた形で地域を維持していくことがより重要になっていきます」

 そうした中で「ふくや」はどこへ進むのか?は、インタビュー②へ。

 

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