サービスとしてのネットスーパー

 ネットスーパーに対する別の考え方として、「あくまでお客へのサービス」として位置付けるというものもある。普段、リアル店舗を利用してもらっているお客に対し、選択肢としてネットスーパーを提供するという考え方だ。例えば、ライフコーポレーションは自社で店舗型のネットスーパーを手掛けているが、さらに今年9月からはアマゾンジャパンと組み、同社のAmazonプライム会員向けサービス「Prime Now(プライムナウ)」を通じた商品の販売を開始。マルチチャネルによる選択肢の拡大に努めている。

 また、一度センター型のネットスーパーに参入し、撤退した経緯があるサミットの竹野浩樹社長は次のように語る。「昔、ネットスーパーを手掛けて失敗したが、それはそのお客さまがサミットのお客さまでなかったから。つまり、安く持ってきてくれる人であれば誰でも良かった。いつもはサミットに行っているが、『今日は届けてくれないかな』ということで、ネットスーパーで補完するというのが本来の姿。自分たちの店の周辺を広げていって結果的にネットスーパーまでたどり着く。自分たちのお客さまが『ネットスーパーという1つの買い方を使う』というように定義をし直した」

 これらは「リアルの補完のためのネット戦略」という視点が明確である。もちろん、ネットスーパー単独でも黒字化も目指すものの、どちらかといえばその視線は、リアル店舗のお客への「サービス」に向いている。単独の採算性の視点は、必ずしも強くないといえるだろう。

 イオンがオカドの優れたシステムによって、宅配でも採算性を高めたモデルを築くことができるか、あるいは「クリック&コレクト」のようにリアル活用を併用しながらバランスを取るモデルを構築していくのか。ネットスーパーのビジネスモデルは、コンフォートマーケットを含め、さまざまなプレーヤーがさまざまな切り口で模索するなど、まさに試行錯誤の段階にある。お客のニーズに対応しつつ、お客がかけても良いと考える手間を価格とのバランスで最適化したモデルが構築できたとき、「日本のネットスーパーが第2フェーズに入った」と言えるようになるのではないか。