コンフォートマーケットと中国の新小売りの共通項

 セブン&アイ・ホールディングスが設立した子会社のフォーキャストを通じて19年8月2日にオープンした新フォーマットのSMとなる「コンフォートマーケット」。このリアル店舗も、ネットを活用したSMの姿を考える上で、大きな示唆を含む店といえる。

 建物は4層で売場は2層の566㎡(約171坪)。駐車場はなく、駐輪場を用意している。取扱SKU数は5500。うち約320は日用品を中心とした非食品。売場面積が171坪ほどで狭いこともあるが、生鮮食品まで取り扱うSMとしてはかなり少ない。一方で、例えば全国の酒蔵と直接やり取りしている酒などは品揃えが多くなっているなど、めりはりがある。

 同店の特徴の1つにアプリを重視している点がある。オリジナルのアプリは個別に商品を探すこともできるが、どちらかというとレシピがメインに打ち出されており、「レシピのメニューを通じて買物をする」という流れが想定されている。

 買物の流れは、アプリ上で商品をカートに入れ、アプリで決済、そしてロッカーで受け取るという3ステップ。つまり、注文からロッカーでの受け取りまでアプリ上でつながっているということになる。店舗では受け取りのためのFOODロッカーを28 口設置。現状、家にいても受け取れない、取りに行きたいというニーズが一定数あったこともあってこの形をテストしているという。

 この新フォーマット、考え方としては「ネットを活用し、店を在庫拠点として捉えたフォーマット」とみることができる。その意味では、中国でアリババや京東(ジンドン)などネット小売りが仕掛ける「新小売り」の形もそれに近い。アリババが手掛ける盒馬鮮生や京東が手掛ける7フレッシュなどは生鮮食品を主体とするSM型の店で、その特徴は店を「来店客が商品を買う場」であると同時に、「インターネットでの注文を受けて商品を配送するための配送センター(在庫拠点)」として位置付けている点だ。

 店で販売している商品はそのまま買うことができるのはもちろん、ネットでの注文によって配送してもらえる。つまり、店頭とネット両方の売上げを期待することができるモデルといえ、コンフォートマーケットとの違いは、それを店に取りに来るか配送するかということになる。

 いわば、コンフォートマーケットは「クリック&コレクト」を実験しているわけで、特に日本の場合、宅配の配送コストの問題が常に横たわっていることからすると、この実験の意義は大きいと考えられるのである。

中国の京東が手掛ける「新小売り」タイプの店舗である7フレッシュ1号店の北京市内、大族広場店。鮮魚は活魚を水槽で販売。商品によっては調理可能で、レストランで食べられる。ショッピングエクスペリエンス(買物体験)が重要だと強調する。これは裏を返せば「ネットの弱点の補完」であるともいえる。