イオンはオカドとの提携を発表。左から岡田元也イオン社長、バラット・ルパーニ・イオンネットスーパー事業リーダー、吉田副社長、ティム・スタイナー・オカドCEO、ルーク・ジェンセン・Ocado SolutionsCEO。

 インターネットで注文し、配送してもらうという「ネットスーパー」が誕生してかなりの年月がたつ。しかしながら、現在においても確固たるビジネスモデルを築いているところは少ないようだ。特に昨今は配送の人手とコストの問題が横たわる。単独のビジネスとして考えるか、あくまでサービスと位置付けるかにもよるが、かけるコストと売上げのバランスをどう取るか。日本における確固たる成功モデルを構築するのは誰か。鍵となりそうなのは「リアル」店舗の活用である。

 食品を販売する形として小売側、お客側双方にとって、かける手間と享受できるメリットとのバランスが最も良いものの1つがスーパーマーケット(SM)であるといえる。小売業は多くの食品を1カ所に集めてセルフサービスで販売し、お客は来店し、自身で商品をピックアップし、精算の場所まで運ぶ。この一連の流れは、双方の一定程度の負担があってこそ成り立っている。

 ネットスーパーはこのバランスを崩す。商品をピックアップし、配送までするとなると必然的に小売側の負担が大きくなるからだ。それをカバーするためには、これらの過程を例えば自動運転などのイノベーションによって効率化するか、どこかの過程、もしくは直接的なコストをお客に負担してもらうしかない。あるいは配送日、時間などについて、お客の選択肢を少なくするといったことも考えられる。

 イオンがイギリスのネットスーパー専業企業Ocado Group plc(オカド)の子会社Ocado Solutionsと日本国内における独占パートナーシップ契約を締結、2019年11月29日に発表した。2000年に設立されたオカドはAI(人工知能)とロボットを駆使した最先端の顧客フルフィルメント・センター(中央集約型倉庫、CFC)と精緻な宅配システムを独自に確立。現在、生鮮食品を含む5万5000SKUを取り扱い、持続的な成長と長期的な収益性も担保できているという。

 さらに、そのノウハウや技術をもとに、Ocado Smart Platform(OSP)と名付けられたシステムを構築し、14年以降、他国を含むパートナーと提携しながら世界中の小売業者にOSPを提供している。今回のイオンとの提携もその延長線上にある。

 提携によってイオンは20年3月までに新会社を設立し、一方のオカドも日本に現地法人を設立してサポートする。その後、23年に日本第1号となるCFCを設立し、首都圏を皮切りに新たな「次世代ネットスーパー」事業を開始する予定。イオンとしては「次世代ネットスーパー」の事業規模を30年までに年間売上高6000億円まで高める計画で、さらにその段階では黒字化も視野に入れている。

オカドのCFCで仕分けを行うロボットは50個の製品を5分でピッキングできるという。センターでの仕分けを全てロボットが行うことも、オカドの強みの1つ。事業としての効率化に期待がかかる。