今回はお店ではありませんが、神社の猫たちを紹介します。埼玉県行田市にある「前玉神社」は前玉と書いて「さきたま」と読み、埼玉の県名の語源になった神社として知られています。927年の『延喜式神名帳』(当時の神社の一覧)にもその名が記載されている歴史のある神社です。そんな由緒のある古社ですが、大変な人懐こさで参拝者を引き寄せる猫たちがいるようです。

神社猫の始まり「きなこDX」

 猫がいる神社の始まりは1匹の迷い猫から。もともと、前玉神社の宮司が猫を飼っていたこともあり、猫との縁はありましたが、約20年、飼っていた猫が亡くなった1年後に1匹のキジ猫がふらりと現れます。その猫は愛嬌抜群。参拝者を社務所に連れてきたり、堂々とした振る舞いにすっかり参拝者から神社の猫と思われてしまい、そのまま神社でもお世話をすることになりました。

 それがキジ猫の「きなこDX」。避妊手術済みのため元は人に飼われていた猫のようで、人懐こさも納得がいきます。普段から授与所を定位置にしているきなこDXは参拝者からなでられ放題。お守りが並ぶ前にごろんと横たわる姿にありがたさを感じ、ついつい誰しもなでてしまうよう。猫飼いの愛好家からも「家の猫よりも人懐こい」とお褒めの言葉がかかります。もとは「きなこ」という名前でしたが、徐々に体型がデラックスになり「きなこDX」が正式名称になりました。

神社が大好き「ガガ」

 きなこDX以外の3匹の猫たちも、それぞれお気に入りの場所で自由に過ごしています。気が向けば参拝者の相手をしてくれて、境内では猫たちと戯れる姿がよくある風景となっているようです。

 茶白猫の「ガガ」は元はご近所の飼い猫。そのお宅では他にも猫がいて、そのせいか、たびたび神社にやってくるガガ。飼い主の家に返しても神社に戻ってきてしまうので、ご近所さん公認の神社の飼い猫になりました。ガガも人の姿を見掛けたら積極的に近寄る人懐こい猫です。

活動的な「さくら」

 

 三毛猫の「さくら」は生後半年ほどの小さな時にふらりとやってきた外猫。避妊手術をして神社で引き受けることになりました。さくらは屋根に乗ったり、境内で活発に過ごしています。きなこDX、ガガ、さくらの3匹はべったりと仲良しというわけではありませんが、見知らぬ猫がいたら、3匹で協力して神社内に入らせないようする。「われわれは神社猫」という自覚で心はつながっているようです。

 黒猫の「ミント」は職員の家の猫。以前は社務所にごはんを食べに来ていましたが、徐々に姿を見せなくなりました。他の3匹の結束に弾かれるように、庭の奥や山側にいることが増え、すかっりレアな猫になってしまいましたが、もし姿を見られればラッキー。貴重な体験となるでしょう(ちなみに取材時は会えませんでした)。