寒さで血管が収縮しやすい冬は1年で最も動脈硬化の多い季節。寒い季節になると本能的に体を温めようとして塩分摂取量が上がり、濃い味を好むようになりますが、塩分の取り過ぎは血圧の上昇につながり、血管に負担をかけることに……。

 そんな季節にお薦めなのが「EVO(エクストラバージンオリーブオイル)」です。

「オイルは余計に太るのでは」と思って避けていませんか? 実はアメリカの食品医薬品局(FDA)は「1日スプーン2杯、およそ25gのオリーブオイル摂取で心臓病リスクの改善が期待できる」と摂取を勧めています。

 2010年にユネスコの世界無形文化遺産に登録された地中海料理は心血管病や肥満など、さまざまな病気の予防効果が明らかにされていますが、地中海料理に多く使われるのが「オリーブオイル」。世界が認めた健康食材なんです。

「EVO」と「ピュアオイル」の違いは?

 日本で購入できるオリーブオイルには大きく分けて「EVO」と「ピュアオイル」の2つがあります。

・EVO(オリーブの果実100%):精製・化学的加工をしていない。エクストラバージンオリーブオイルはオレイン酸55~83%、パルミチン酸7.5~20%、リノール酸3.5~21%というように、脂肪酸組成の割合がIOC(国際オリーブオイル協会)の規格で定められています。その中で、オイルの鮮度(=酸化が進んでいない)が高く、酸度が0.8%以下で最高品質とされるのがEVOとなります。

・ピュアオイル(精製オリーブオイル+バージンオリーブオイル):絞ったオイルを精製し、香りや味のない「油」の状態にしたものと「バージンオリーブオイル」をブレンドしたものがあります。精製した油は香りや味わいは取り除かれています。ブレンドの比率に決まりはないので、ほぼ無味無臭のものもあれば、オリーブオイルらしさを感じるものまで幅広く、比較的リーズナブルというメリットがあります。

EVOとピュアオイルとでは栄養効果にも違い

 ピュアオイルでも、血管の若返りに働くオレイン酸比率が高い点は同じですが、EVOにはポリフェノール類などの微量成分が含まれ、抗酸化作用などの効果が期待できる点がメリットといえます。

大豆製品との相性が抜群!

 EVOのメリットは、現在30種類以上発見されているオリーブオイルポリフェノールや、他の植物油には含まれないβカロテン 、ビタミンEなど抗酸化、抗炎症作用に働く機能性物質を豊富に含むことです。

 EVOの脂肪酸の約75%は価不飽和鎖脂肪酸で、血中LDLコレステロールの低下が期待できるオレイン酸で占められます。飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸もバランスよく含み、人間の母乳に近い脂肪酸構成なので人に優しいオイルがEVO。こうした理由からEVOは適度に摂取することであらゆる生活習慣病予防にも働いてくれる良質なオイルといえるわけです。

「健康に良いのは分かったけどEVOってイタリアンじゃないと使えない」と思っていませんか? 実はEVOの若草のような香りは薬味を使う和食との相性が抜群なんです。

 中でもオススメは身近な「大豆製品」。大豆は大豆タンパク質、レシチン、大豆イソフラボンなど、血中コレステロール抑制や抗酸化、抗炎症に働く成分が豊富に含まれる血管ケア食材。EVOに含まれるオレイン酸のコレステロール抑制効果や、豊富なポリフェノールの抗酸化作用が、この大豆の働きをさらにバックアップしてくれます。

カンタンにできる!「EVOの効果的なちょい足し方法」

(1)「冷ややっこにかける!」…簡単ゼロクッキング!塩分もカットもできる

 

 いつもの冷ややっこにEVOとお好みでブラックペッパーをかけるだけ。まるでチーズのような味わいになり、ワインやハイボールのおつまみにも最適。しょうゆをかけない分、自然と塩分カットにも。

(2)「みそ汁にかける!」…みそとダブルポリフェノールで相乗効果を期待

 

 みそにはメラノイジンというポリフェノールなどが含まれます。血圧抑制など血管の若返りに優れた食品がみそ。異なる種類のポリフェノールと摂取することにより相乗効果が高まります。

 EVOの脂でみそ汁の表面に膜ができるので、みそ汁が冷めにくくなり、寒い季節はうれしいメリットもあります。

(3)「納豆オムレツに加える!」…加熱OK。おいしさもワンランクアップ

 

 EVOは酸化に強いので加熱OK。発酵食品の納豆と一緒に摂取すると、その整腸効果をEVOのオレイン酸が高めます(卵の焦げによる糖化の予防にも効果あり)。EVOは焼き油として活用する他、納豆に直接小さじ1杯程度を加えてかき混ぜると臭みが取れ、納豆もコーティングされてふっくら仕上がります。

 いかがでしたか? EVOは健康に良いだけでなく、豊かな風味とフレッシュな味わいで、料理においしさもプラスしてくれます。あまり構えず、いつもの和食にこそ手軽に取り入れてみてくださいね。