〈11月のまとめ〉暖冬気象とかけ離れた品揃えが敗因に

 11月は冬物商戦の大きなピークだったが、ここで取り上げた企業の大半が厳しい結果となった。最大要因の一つは、暖冬気象とかけ離れた品揃えにある。先月も指摘した通り、今のお客はダウン中綿アウターや丈長コートを身にまとう気分になれないのだ。ファッショントレンドもここにきて岐路に差し掛かっていて、表ステッチの入ったダウンジャケットなんかは完全に飽きられてしまっている。こうなってしまうと価格をいくら下げたからといっても売れる数は限定的になってしまい、最終処分に苦慮するケースとなるのが関の山。昨年の暖冬から、持ち越している商品もあるはずだろうから、大量に仕込んだ企業は少ないのがせめてもの救いでもある。

 冒頭にも触れた「BLACK FRIDAY」商戦は、イオンの一人勝ちだったのではないか。CM投入、メディアにも取り上げられ、最近のアンケート調査によれば認知度も75%まで上がってきている(株式会社ONE COMPATH『Shufoo!』 調べ)。イオン以外では、ららぽーと系商業施設が「BLACK FRIDAY」を打ち出していたが、テナントによって温度差が明らかに生じていた。店頭でしっかりと打ち出していた店とそうでない店とでは、賑わいにも差が生まれていたように見えた。

 年に2回行われるユニクロの一大セールスイベントの「誕生感謝祭」と「創業祭」、無印良品は「良品週間」と好業績企業は独自のセールスイベントを持っているのが強み。来年もイオンは「BLACK FRIDAY」を継続するだろうが、その他の企業の取り組みはどうだろう。独自のセールスイベントで結果の出ない企業は相乗りするのが良策だと思うのだが。

(12月商戦のポイント)売れ筋は通勤にも使える商品

 今年から天皇誕生日という祝日が減ってしまう12月は3連休もなく、年末に向けたイベントが中心となる。この冬物の売れ筋傾向を見ていると、通勤にも使えるような商品が根強い。考えてみれば1週間のうちの5日間は通勤しているわけで、同じ洋服ばかりは着ていられない。買い替え・買い足し消費が堅くレディスであれば、コーディネイトに最適なハイゲージクラスのリブ編みタートルのような商品が必須。他社と色柄、素材、ケア、価格で差別化をアピールするところから始めたい。メンズは職場のカジュアル化が進めば通勤スタイルにも変化が生まれてくる。ビジネスコードの変遷を注視していく必要がある。

 本格的な寒さが期待できる12月こそは重衣料アウターの最盛期にしなくてはいけない。そのためには「色」のある商品を訴求して、お客の関心を引いて足を止めさせたい。挿し色と呼ばれる魅力的な色の重衣料で商品の鮮度アピールをしたい。冬季休暇が始まるタイミングでもあるので、あったら良いと思わせる便利商品や家でのくつろぎ快適がキーワードとなる。師走の忙しなさに負けない活気のある売場の躍動感で集客につなげていきたいところだ。

*印の企業=20日締め、*1=衣料品部門の数字、*2=小売既存+ネット通販既存の合算数字、*3=既存店+Eコマースの合算数字/文中の売れ筋動向はIR情報および筆者視察によるもの。税込価格は全て10月1日以降の増税後価格とした