売れ行きに商品供給が追い付かない

 オフプライス商品はプロパー商品に比べると格段にお買い得だから、季節アイテムの供給が途切れず、購買プロセスを妨げず、立地がかみ合っていれば、プロパー店舗とは比較にならないぐらい売れる。米国のオフプライスチェーンの年間坪効率はロス・ストアーズが1万4990ドル、TJXが1万6108ドルとプロパーのアパレルチェーンより5割ほど高く、ノードストロム・ラックも1万7366ドルと自社の百貨店より52%高い(19年1月期/ノードストロムのみ18年1月期)。それはわが国でも同様で、アウトレットモールの坪販売効率は郊外大型SCを5割前後上回る。

 オフプライスストアのアキレス腱は季節アイテムの供給が途切れることで、夏にTシャツやリゾートアイテム、冬にニットやコートがなければ売上げが成り立たない。前述した3ランクの処分品供給には大差があり、オフプライスストアの事業展開を制約している。

 最も供給が絞られて不安定なのが「ブランド・ディスカウント型」商品で、とりわけ欧米からのインポートブランドは極端に供給が細っている。買取商品が大半ゆえ代理店も小売店も売れ残りを恐れて発注を抑制してきたから、国内では代理店の倒産商品を除いては色やサイズが欠けた少量のバラ残品しか放出されない。

 そんなのでは商売にならないから、欧米のオフプライスショーやデッドストックブローカーから調達を図っても、欧米の流通在庫はジャパンフィットになっていないから着れる人が限られる。ヴィンテージ商品などではあらかじめ袖や丈を詰めて販売するケースも見られるが、オフプライス商品としてはコストが合わない。加えて、海外調達の流通在庫はインボイスが怪しく、偽物が横行している。

 有力ディスカウントストアはジャパンフィットの正規ルート商品を狙うが、それでは供給が限られオフ率も30%が限界だ。出所が確かなジャパンフィット商品で供給が期待できるのはライセンス商品に限られ、「アンドブリッジ」でも海外ブランド品の多くはライセンス生産商品だった。

 ブランドネームがあって無きがごとくの量販ブランドやC級ライセンスブランド、低価格SPA商品は供給が安定しており、期末残品や持ち越し品だけでなく投入前キャンセル商品の供給も期待できる。米国オフプライスストアで主力商品となっているオンシーズンものの「パッカウエイ」商品(未投入のキャンセル品なので色もサイズもロットもそろう)の多くは、はなからブランドメーカー側がオフプライスストアに流すべくロットを上乗せして作ったタイアップ商品で、米国では中間クラスのブランドが多い。