衣料品の過剰供給が慢性化して大量の売れ残り品があふれているわが国なのに、米国のオフプライスストア(OPS)のような再流通の仕組みは未整備なままで、少なからぬ商品が焼却されたり繊維原料となり、あるいは中古衣料として海外に叩き売られている。そのロスが売価を押し上げ、資源を無駄遣いしているとの批判が高まるに及んでアパレル業界の意識も変わり始め、わが国でもオフプライスストアがようやく離陸の時を迎えようとしている。

不安定な供給がオフプライスストアのネック

 今年に入って4月25日にはゲオグループの子会社ゲオクリアがオフプライスストア「ラックラック・クリアランスマーケット」の1号店(427坪)を横浜・港北に開設。大阪の八尾、金沢に続いて年内には本庄に4号店を出店する。9月14日にはワールドとゴードン・ブラザーズ・ジャパンの合弁会社アンドブリッジがオフプライスストア「アンドブリッジ」1号店(300坪)を埼玉・西大宮に開設。11月1日にはホームセンターのジョイフル本田がオフプライスストアの「ディスカバ!」を年内までの期間限定で宇都宮店内に開設。在庫処分業者ではShoichiが近隣型オフプライスストア「カラーズ」を国内に10店、マレーシアに8店布陣して出店を加速しており、「RENAME」で独自にブランディングするFINEも都心の百貨店などで期間限定のポップアップを展開している。

 これらオフプライスストアを展開している事業者にとって最大の課題となっているのが商品の調達で、ブランド直営アウトレットストアと同様、商品の供給が不安定なことが事業拡大の足を引っ張っている。もとより処分品は安定的に放出されるものではないから、何らかの方法で需要とのギャップを埋める必要がある。

 処分品の発生が不安定なアウトレットストアを多店化するには過半を専用企画商品で埋めるしかなく、米国系SPAのアウトレットストアでは90%以上が専用企画商品というケースも少なくない。それはオフプライスストアとて大差なく、800坪級の大型オフプライスストアを4300店以上展開する米国のTJX社では半分近くがメーカータイアップの計画調達と推計される。

 オフプライスストアも多店化するには安定した商品供給が欠かせないが、ブランドメーカー側の消極姿勢がネックになっていた。それがバーバリー社の巨額焼却処分が批判に晒されるなどサスティナビリティの高まりで流れが変わり、大手アパレルメーカーも焼却処分を避けて二次流通ルートへの放出に転じつつある。それでもブランドイメージの毀損は避けたいから、放出のタイミングや販路、ブランドタグの取り扱いや二重価格表示の可否など、最適な方法が模索されているようだ。