北風の吹く寒い季節になってきました。コンビニ業界は年初よりコンビニ加盟店の過酷な現状への不満からマグマが炸裂! 24時間営業に対する時短営業の問題提議、コンビニ加盟店とコンビニ本部との対立が社会問題へ発展しています。

社会問題化する「コンビニ問題」

 4月5日「経済産業省」発表:主要コンビニ各社行動計画の設定を要請

 4月25日「コンビニ各社」発表:コンビニ加盟店オーナーへ、支援拡充など行動計画を公表

 9月25日「公正取引委員会」発表:コンビニ本部とコンビニ加盟店の間に優劣的地位の乱用事例の有無の確認、実態調査を行うと表明           

 11月6日「経済産業省」有識者会議で報告 (毎日新聞 朝刊):店主や利用者を対象に実施したアンケートの結果を発表。本部は店舗拡大、売上拡大しか考えていない。委員から本部とフランチャイズ加盟店との契約に関する業界指針を策定するべきだとの意見も出た。コンビニの現状は時代に合わないとの指摘が続出した。

 

 このように世間で「コンビニ問題」の注目が集まる中、コンビニ店舗の休業中の看板や張り紙、コンビニ経営者募集の横断幕が目に付きました。

 そこで、「コンビニ・ビジネス講演会」へ潜入することにしたのです。講演会が行われたのは、摩天楼にそびえ立つビルの中。豪華絢爛な会場、バックミュージックの音響とともに颯爽とカリスマ的講師が登壇。熱弁されたグローバルな事業規模。

『コンビニドリーム』。ここはおとぎ話の世界か? 過熱し熱狂する会場の雰囲気の中、参加者の前のめりで聞き入る姿にふと、危うさを感じたのです。それは参加者たちが甘い蜜に群がる蟻たちのように思えたからです。

 コンビニ経営がそれほど容易で甘く見えるのか、危惧する思いを抱き、会場を立ち去りました。

「蟻とは失礼な!」と、お叱りを受けましたら申し訳ございません。

 しかしながら、コンビニFC加盟店契約とはフランチャイザーとフランチャイジーの間の契約。コンビニFC本部とコンビニFC加盟店との共存共栄、立場は対等との表向きの言葉を鵜呑みには、とてもできないのです。

 コンビニFC本部とコンビニFC加盟店の関係は「鉄の鎖でつながれた」切ることが困難な「生殺与奪権を持つコンビニFC本部」と「生殺与奪権を握られたコンビニFC加盟店」というのが現実なのです。

 私は数年前まで、20年近くコンビニ経営をし、コンビニ本部の方々には今も大変感謝しております。しかしながら、一加盟店として激動のコンビニ経営を何とか崖っぷちで踏みとどまり、契約満了できた(生き残れた)と思うのが今の心境です。

 そこで、あらためて、コンビニ業界の変革期にある今、コンビニFCビジネスの根幹、コンビニ加盟店経営者の募集がどのように進められているのか、3社のコンビニFC加盟店募集説明会へ行ってみたのでした

3社とも説明会に参加したのは私だけだった

 3社とも、説明会場は「もぬけの殻」で私1人の参加です。様子をお聞きすると、昨今の報道によりコンビニFC加盟説明会を開催しても来られる方が少ないとのこと。少し前に目にした熱狂する会場の光景とは別のものでした。

 ただ、FCオーナー募集の最前線では、その候補者の壮絶な奪い合いが繰り広げられていました。コンビニFC加盟説明会場に行かなくても、個別に待ち合わせや、自宅を訪問してのコンビニFC加盟の説明が平行して行われているのです。

 さて、コンビニFC説明会の流れは基本的に3社とも類似していました。

・会社紹介、フランチャイズシステムの説明/・DVD、映像の視聴「概略の説明」/・質疑応答/・アンケート記入/・「いつ、どこで、誰と、やりたいですか?」の質問

 ここで、さらに興味や加盟の意思があれば個別説明へ。その際に売上予測やコンビニ候補地などの説明を行われるのが一般的です。

対応は3社3様だった

【A社】爽やかな笑顔で出迎え。マンツーマンでの対応です。理路整然としたコンビニシステムの説明、QSC、PDCA、基本的なことが重要との話に共感しました。また、「加盟店様を契約期間はお守りします」の言葉が良くも悪くも心に残りました。帰り際に、いつ、どこで、誰とやるのか、地域の担当者の方を紹介するとのお話をやんわりとお断りさせていただき、説明会場を去りました。

【B社】事前に自宅にコンビニFC加盟説明パンフレットとFC加盟店商品説明会FCオーナー候補者入場券を送っていただきました。最初のあいさつはにこやか。ところが、私が手にした資料(フランチャイズ契約の要点と概説―法定開示書―)に目が留まると「その資料はどこで手に入れられていたのですか」とB社の社員は聞いてきたのです。

「JFAフランチャイズガイドにアクセスして用意しましたが、何か」と言うと、B社の社員は「驚きました。この資料をお持ちで説明会に来られる方は初めてだったので。今日はどのようなご用件ですか?」と尋ねてきました。そこで、私は「要件はコンビニFC加盟契約に興味があるので、教えていただききたくて参りました。それでよろしいですか」と答えました。

 すると、B社社員は「いつ、どこで、誰と始めたいですか?」と直球勝負の質問。そこで私は「先ほど、お答えしましたが興味があるから来ました。一言も加盟したいとは、言っておりませんが」と言うと、B社社員の態度が豹変しました。

 加盟者獲得のノルマに追われているのか、焦りやいら立つ心境も理解できますが、その対応が、私の知っているB社の企業イメージと不思議とつながり、早々に引き上げました。

【C社】あいさつ。参加者は私1人。「今日はどのようなご用件ですか?」と聞かれたので、「要件は、コンビニFC加盟契約興味があるので、教えていただきたくて参りました。それでよろしいですか?」と答えました。

 するとC社社員は「弊社に興味をお持ちいただけるだけで幸いです」「何でもご質問ください。分かる範囲でお答えします」「うちの特徴は加盟店様に優しい!」との返答がありました。

 帰り際に「いつ、どこで、誰と始めたいですか?」の質問にやんわりとお断りしましたが、嫌な顔を一つもせず、終始、温厚で誠実な対応。仕事への熱意と、お人柄に胸を打たれました。

3つの質問に対する3社の回答

 今回、コンビニ3社に次のような質問をしました。   

①深刻な深刻な人手不足の対策は?

「回答」FC本部の求人サイトのご提供、格安求人サイトのご案内/人手不足は地域に差があります。人の問題はオーナー様の役割です。    

  • ②社会保険、厚生年金未加入問題は? 
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「回答」社会労務士を紹介しています/オーナー様の役割です。

③最低保証とは?紛らわしく分かりくい

「回答」年間1800万円として、月に150万円とは月のオーナー様の利益収入ではありません/売上予測から大幅に下落したときの経費としての最低保証、販売不振店舗への救済対策で詳細は企業秘密。

 未来、可能性、成功、夢、チャンス、多店舗経営、サポート、最低保証、言うは易く行うは難しと思いつつ、コンビニFC加盟店説明会に参加し、改めてFC契約は難解とだと感じました。

 実はコンビニFC加盟店説明会に伺う前に、各社のホームページ、資料などに目を通していました。大企業となったコンビニ各社のDVD、カタログを見て、その上で説明を受けたら成功への夢を見たくなります。私自自身、高揚する気持ちに危惧を感じました。それだけ資料や説明が玉虫色に良くできているとの印象を受けたのです。

 要は、事業であるからにはリスクがあることを十分に認識することです。コンビニ加盟を考えている方は次の資料を見ておくとよいでしょう。

「フランチャイズ・ガイドライン」(公正取引委員会)

 通常、こちらから聞かなければ、コンビニ本部の社員は深刻な問題の話はしません。その代わりに上記の内容を記した冊子を手渡します。自身で確認するようにとのことで、FC加盟店契約の前に説明を受け、理解したのか、確認の署名、捺印が必要となるからです。

現在のコンビニ業界の問題とは?

  • ①コンビニ加盟店オーナーの疲弊、苦悩/②コンビニ店舗の増加、飽和状態/③他の業種・業態との競合激化/④コンビニ店舗の客数の減少/⑤最低賃金の上昇/⑥コンビニ加盟店の利益の減少、経営不振/⑦コンビニFC加盟店契約、利益配分の在り方/⑧24時間営業に対する時短営業問題、深夜勤務の大きな負担/⑨コンビニ本部によるサポート体制不足への不満/⑩覆面調査員、抜き打ち店舗の調査が契約更新などの有無に関わる/⑪契約更新、中途解約、契約解除、高額な違約金/⑫コンビニFC加盟店は経営者か労働者か、法廷闘争へ

 このようにさまざまな問題が山積しています。そして「情報の非対称性」(双方の情報の格差)から情報を持たないFC加盟希望者側に不利益が生じる可能性があります。

 情報を得るには自らコンビニ加盟店オーナーを訪ね、実情を聞くことです。

 コンビニ経営は人、物、金が急速に動くビジネスです。外部環境の変化に脆弱で「コンビニ・ゴールドラッシュ」は一昔前の話。今はコンビニ経営、多難の時代です。

 コンビニ各社がFC加盟を盛んに推奨するのなら、コンビニ事業がそれほど儲かるのなら、全て直営店舗で運営を行えば良いのですから。

 冷静に判断をして下さい。その理由があるからではありませんか?

 今のコンビニFC加盟店の大半は、利便性を支えるため、増え続ける業務で過度の負担がかかり、疲弊し切っている状態です。そうした中、自らの利益ばかりを追求するコンビニ本部の企業体質が今、露呈し、社会問題にまで発展しているわけです。

 コンビニFC本部とコンビニFC加盟店が互いに協力しなければコンビニのFC事業自体が時代遅れとなり、衰退していくことは必然です。

 このことにコンビニ本部は危機感を抱かないのでしょうか?

 その場しのぎの小出し対策を改め、今こそ「後生につながる変革が」必要な時ではないでしょうか。

「最も強い者が生き残るのではなく 最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である」(ダーウィン)