マーチャンダイジングを支える、物流の6つの機能

 近年は安全・安心の徹底のために、加工卸や小売のプロセスセンターの衛生管理基準の高度化が求められるようになってきた。また、小売業の取引先の選定基準がより高度になりつつある。例えばHACCPがある。小売業が企画した独自商品について、規格・サイズなどが記載された仕様書発注対応ができることが、仲卸や加工卸に求められている。仕様書は小売業が独自に作成したり、代行業者が請け負ったりする場合もある。

▼用語解説
 HACCP:ハサップと読む。食品の製造・加工工程で微生物汚染などの危害をあらかじめ分析し、重要管理点を定め、安全を確保する衛生管理手法。

 仕様書発注:マーチャンダイジングの「適品」を追及・実現するために、売り手側の商品基準ではなく、買い手側の小売業が「産地、サイズ、入り数、納品までの時間」など、「こういう商品を、こういう状態で、いつまでに納品してほしい」という商品に特化した契約書でオーダーすること。

 仕様書発注には商品そのものや加工された品の、産地、数量、サイズ、納品時間、納品場所、輸送温度帯などを記載する必要があり、それは物流の6大機能を前提としている。具体的に見ていこう。

(1)輸送:決められた品質を維持し、決められた時間に商品を目的地まで運ぶことである。輸送におけるマーチャンダイジングのポイントは、「5適」、すなわち適時・適品・適量・適価・適場である。決められた時間の「適時」、決められた品質の「適品」、決められた数量を間違いなく納品する「適量」、相場変動がある場合でも取り決めルールに従う「適価」、決められた店舗を指す「適場」。これらの実現のためには、運行があらかじめ決められていることが重要だ。

(2)荷役:仲卸、加工卸、プロセスセンターなどの段階での横持ちなどで商品を積み下ろしたり、仕分けしたりする場合があるが、この時に数量違いなどの誤配が発生することがある。そうならないために、検数、検品などが重要となる。

▼用語解説
 横持ち:積み込んだ商品をいったん別の地点で降ろして、小分けしたり、再度まとめて積み込んだりして最終目的地に着荷させるなど、「寄り道」行程があること。

(3)保管:倉庫などに一時的に置くこと。特に注意すべきは、この時点での商品の債権債務についてである。小売側と卸側とで、明確に契約書で取り決めておく必要がある。

(4)包装:梱包ともいう。商品が「適品」を維持するため、途中で傷まないように保護することである。水産物などで氷詰めする場合、氷が溶ける時間などを細かく確認する必要がある。

(5)流通加工:商品化のために、水産物では魚体から刺身に加工する、農産物ではバラ詰めのコンテナカゴから袋詰めするなどの場合、小売業から仲卸や加工卸へ仕様書が必要である。

(6)情報管理:受発注管理、支払いの債権債務管理、配送車のGPS管理や冷蔵車・冷凍車の庫内の温度管理なども含む、生産者から店舗までの情報を管理することである。

 以上に説明した「3つの基本の流れ」「マーチャンダイジングの5適」および「物流の6大機能」は、原則として、衣食住全てに共通である。今後の連載を読む時にも、心に留めておいてほしい。

 次回はグロサリーの流通について学ぶ。