ずらりとならんだブース

ラーメンはカレーライスと並ぶ国民食と言っていいと思うが、日本全国のおいしいラーメン店が一堂に会する日本最大級のラーメンイベント「東京ラーメンショー2019」が10月24日~11月4日までの12日間、駒沢オリンピック公園で開催された。

元々はオリンピック招致イベント

 元々は2009年にオリンピック招致イベントとしてスタートしたのが始まりだ。出店するラーメン店はこのショーのために独自メニュー、新メニューで勝負することが多いため、「ここでしか食べられないラーメン」が食べられる。イベントを開催すると大勢の人から好評を博したため、毎年、開催することになり、令和初となる今回は11回目を数えることになった。

 10月24日の開幕式で大崎裕史実行委員長(ラーメンデータバンク取締役会長)は「イベントが始まった頃は全国にこういったイベントがあまりなかったが、東京ラーメンショーをきっかけに、全国にラーメンショーが広がった。そういった意味ではラーメンの啓蒙活動に寄与できたと思う」と語った。一方、前島司副実行委員長(せたが屋店主/日本ラーメン協会理事長)は「来年、ついにオリンピックが来るということで感慨深い。(イベントがこうしてずっと開催されたのは)ラーメンファン、関係者の努力のたまものです」と感謝の意を示した。

あいさつをする大崎裕史実行委員長

 ラーメンショーは10月24日から10月29日までの第1幕と10月30日から11月4日までの第2幕と各6日間ずつに分かれる。1幕、2幕とも全国の選りすぐりのラーメン18店舗ずつが店を構えた。入場料は無料で、ラーメン食券(1枚880円)を現地のチケット売場やセブン-イレブンで1杯880円で購入する。売上げの一部は社会貢献として寄付することになっている。

 世間では今、キャッシュレス化が話題となっているが、ラーメンショーでは今年から三井住友カードでクレジット決済ができるようになった。QRコードを使った決済はできないものの現金を持ち歩く必要はない。三井住友カード マーケティング本部マーケティング統轄部の田中洸輔部長代理は「キャッシュレスの良さを知ってもらいたいということでイベントに協力することを決めました。現金を持ち歩かないという安心感や、少額でも気軽に決済できるというのを実感して欲しいです」と語った。また、同社のクレジットカードを使った人は、特別席を確保してそこでラーメンが食べられるなど特別感、メリットを出すようにしていた。

人気投票の「グランプリ」が出展者の気合に

 このラーメンショーが人気なのは特別なラーメンが出されることに加え、「グランプリ」というどのラーメンがおいしかったかの人気投票が行われることが大きい。

 第1幕に出店した「金澤麺達兼六会」(石川)は「濃厚味噌『炎・炙』肉盛りそば~金沢天然醸造味噌2019 Ver~」というラーメンで勝負した。なると、ネギ、モヤシ、チャーシューの代わりにスライスした豚バラ肉などが入っている。濃厚ではあるが海老や山椒を加えることで見た目より食べやすく仕上がっている。行列ができていたので話を聞くと「味もそうですし、バラ肉というアイデアが良かったのではないでしょうか」と語りながら、忙しく手を動かしていたのが印象的だった。

凪と鬼金棒の「すごいカラシビ豚骨らー麺」は鬼の顔をイメージ

 第2幕では「ラーメン凪」と「鬼金棒」という2つのラーメン店がコラボした「すごいカラシビ豚骨らー麺」というものがあった。両店とも香港に店を構えるなど海外展開に積極的なラーメン店だ。「ラーメンショーは初出店です。私と凪の副社長は昔からの知り合いでして、今回、一緒にやろうという話になり、参加することになりました。当店をもっと知ってもらいたいですし、他のラーメン店から勉強にもなりますし……」と出展するメリットを語った。出品したラーメンは豚骨と水だけで炊いた豚骨スープにコーン、のり、煮干し、煮玉子などが具として入っている。麺は中太麺と極太のいったん麺という2つの麺でスープとよく絡む。チャーシューは特製の角煮でその分厚さから、持つのも大変だ。カラシビというだけあり唐辛子と山椒が入っていて、最初はマイルドな味だが、後から辛さとしびれがやってくるという、ある種の病みつきになるラーメンだった。

 なお、グランプリは第1幕が京都にある「拳ラーメン」の「京鴨ノドグロ煮干しそば」、第2幕は茨城のラーメン店「活龍」の「濃厚うにそば」の頭上に輝いた。とはいえ、出展したラーメン店が用意したラーメンはどれも独創性があり、観客もどれを食べるのか楽しそうに選んでいた。

今年は雨が多く、入場者数は32万にとどまる

 ラーメンショーの入場者数は、前年は36万人だったが2019年は雨が降る日が多く32万人にとどまった。しかし、今回のラーメンショーを見て感じたのは外国人の多さだ。アメリカから来たステファニーさんとアリーナに話を聞いた。豚骨味が好きというステファニーさんは「観光で日本に来ました。ラーメンショーはインターネットで知りました」。アリーナさんは「みそラーメンが好き。私の田舎では小さい頃からラーメンを食べる機会があったので、日本に行ったらここに来ようと思っていました」と待ちわびていたようだった。

ステファニーさん(右)とアリーナさん(左)

 昔は外国人に「ラーメン」と言っても通じなかったが、近年、日本のラーメン店が外国に多数出店したことで、「ラーメン」がそのまま通じるようになった。そのことを感じさせるイベントだった。