新たなランドマークになるか。左のビルにはマンションとホテルが入る。右上でくまモンが手を振っている。

 九州産業交通ホールディングス(熊本市)は熊本市中心部の桜町に再開発事業の中核となる大型商業施設「サクラマチクマモト」を9月14日に開業した。

 熊本交通センタープラザと2015年に閉店した県民百貨店の跡地を再開発し、商業施設に隣接してバスターミナルやマンション、ホテル(10月開業)、公共施設「熊本城ホール」(12月開業)も併設。16年の熊本地震からの復興の牽引(けんいん)車としての役割も期待されている。総事業費は約777億円の見通し。

 メインターゲットは30代~40代の都市生活者、サブターゲットはバスを利用するシニア&ヤング世代と設定。戦略ターゲットに国内外からの観光客を据える。ただフロアごとにコンセプトを設けて、さまざまな年代、目的・志向に応えられるテナント構成にした。

 都心立地であることから主に平日に来館してもらい、休日は郊外のショッピングセンターへとお客に選択肢を提供する。

飲食店が約半数、幅広い業種をミックス

 複合施設は地下1階~地上15階だが、商業棟は5階以下。全体の半数を占める飲食系のテナントを中心に、シネコンやスーパーマーケット、フィットネスクラブや衣料品、雑貨など149店が入居する。熊本初出店は47店、うち13店は九州初出店だ。九州産交グループの事業会社が運営する店舗は全体の約1割。

スーパーマーケットの「フードウェイ」はモデル店の位置付け。牛、豚はもちろん馬刺しや名古屋コーチンなど幅広い品揃えで、精肉の売上構成比は25%前後を見込む。
地下1階のフードホール。うどんやアイス、ラーメン、ご当地グルメ屋台などが軒を並べる。

 地下1階は県内最大級の食のゾーン。飲食店を中心にスーパーマーケットやフードホール(475席)、ファストフード、デリやスイーツ、名品の専門店など55店が並ぶ。

 スーパーマーケットは福岡市の「フードウェイ」が28店目を熊本に初出店。売場面積は470坪。「ライフスタイル提案型」を掲げて食を提案。生鮮食品とグロサリーの売場を明確に分離し、生鮮の什器高を従来の180㎝から150㎝へと低くすることで、生鮮強化を前面に打ち出した。成城石井やコストコのコーナーも設けた。強みの精肉の品揃えを厚くし、月商2億円を狙う。

 バスターミナルと直結する1階は都市型ブランドを中心に21店を展開。

「RHC ロンハーマン」は店内に滝が流れ、サボテンなど多肉植物がたたずみ、米西海岸を演出する。

「RHC ロンハーマン」はカフェ(50席)を併設し、全国8店目。207坪の店内にメンズ、ウイメンズ、ジュエリー、リビング、キッズを複合した。

「ビーミング ライフストア by ビームス」はメンズ、ウイメンズ、キッズ、雑貨を複合したクリーンカジュアル。

「ビーミング ライフストア by ビームス」は25店目。売場面積は120坪でららぽーと立川立飛、エキスポシティと並ぶ最大級。入り口にはニューヨークの公園をイメージしたスペースを設けた。

 大丸松坂屋百貨店運営のコスメショップ「アミューズ ボーテ」は九州初出店。

バスターミナルやホール、ホテルの入り口とつながる2階のコンコースを見下ろす。開業初日は人があふれていた。
「くまモンビレッジ」はアイテムの展示・販売エリア、カフェエリア、週に3回くまモンが登場するステージエリアの3つのエリアで構成。

 2階はバスターミナルへの連絡口があるコンコースを中央に構え、雑貨を中心に33店が出店。総合インフォメーション「サクラマチスクエア」では熊本発着のバス、観光案内カウンターやくまモンに出会える物販、カフェ、ステージ併設の「くまモンビレッジ」などを展開する。

「H&M」は国内95店目で県内2店目。売場面積は約1300㎡。手作り雑貨を常時1500点陳列し売買する「クリーマストア」は新宿、二子玉川、札幌に続く4店目。この他「モンベル」「アメリカンホリック」や福岡市の婦人服「ラブラド・ブージュルード」などが出店する。

アニメ作品のグッズ販売や九州内のアニメ聖地を紹介するパネル展示もある「九州アニメデッキ」は1号店。年明けには千葉県成田市にもお目見えする。
4月からスタートした「スリーアロー」(3本の矢)と呼ぶ新ロゴマークを採用した「ダイソー」。売場面積は160坪。県内41店目になる。

 3階はビジネス層からファミリー、シニア、カップルまで多様なニーズに応える専門店36店が集結。KADOKAWAがプロデュースするアニメグッズショップ「九州アニメデッキ」が出店。「トイザらス」の小型店(167坪)や新CI(企業イメージの統一)を導入した「ダイソー」(160坪)をはじめ、焼き肉の「叙々苑」や牛タンの「利久」など飲食店も8店ある。

 4階はフィットネスやTOHOシネマズなど、5階には就職支援センターと保育所がある。5階の展望デッキには県のPRキャラクター「くまモン」の4m像が道行く人に向かって手を振る。

 開業初日は施設周辺の交通渋滞緩和を目的に県内のバスや電車が一部を除き無料になったこともあり、延べ約25万人が来場(バス利用者を含む)。想定していた10万人の2.5倍とにぎわった。「叙々苑」や東京・原宿で人気の台湾タピオカ専門店「辰杏珠(シンアンジュ)」など飲食を中心に好調だった。

2~4階の屋外には「ストリートビューテラス」と呼ぶデッキが併設され、熊本の街が眺められるフリースペースとなっている。
宇宙服を思わせるようなコスチュームをまとった巡回案内人「イオレクサー」が館内の案内をする。
  • ◆サクラマチ クマモト
  • 所在地/熊本市中央区桜町3-10
  • 敷地面積/3万266㎡(施設全体)
  • 延べ床面積/約4万4500㎡(シネマコンプレックスを含む、以下同)
  • 売場面積/約2万8000㎡
  • 階層/地下1階~地上5階(商業棟)
  • 店舗数/149店
  • 駐車場台数/836台
  • 営業時間/物販店10時~20時を中心に店舗によって異なる。
  • 年間来館者予想/約2500万人(バス利用を含む)
  • 開店日/2019年9月14日
  • デベロッパー/九州産交ランドマーク
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※本記事は『販売革新』2019年10月号に掲載されたものです。内容は取材当時のものです。

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