10階:ほぼワンフロアを使って「東急ハンズ」が出店​

 
 

 10階の「渋谷スクランブルスクエア店」は、宇田川町にある旗艦店の“東急ハンズ渋谷店への入り口”としての役割を担う。

 タブレット端末を活用し、渋谷スクランブルスクエア店にいながら渋谷店の従業員(コンシェルジュ)の 接客を受けることもでき、店舗間の商品の移動により商品を購入することも可能。

 フロア中央に初めて大規模なイベントスペースを設け、エキシビジョンエリア「208HANDS」と名付けたコーナーからは、クリエイティブな生活のきっかけを発信するなど情報発信力も高めている。

 日本初上陸のイタリアのカバンブランド「DANTESCA」 (ダンテスカ)は、日本在中のカナダ人ペン職人で あるクリス・レッドビーター氏が手掛けるブランド「Chriselle」(クリスエール)なども導入し、こだわりも追求している。

 メンズのコスメやシューズグッズなどを集積した「永久男子」コーナーを設け、操縦を試せるコースを什器の上に設置し 初心者でも手軽に楽しめる ドローンコーナーも展開。

 インバウンドも意識しながら、全体的にDIYなどハードなアイテムではなく、ギフト商材やステーショナリーなどソフトラインの商品がメインの品揃え。ちなみに外国人には、ご霊前など漢字がクールな不祝儀袋が人気になっているそうだ。

11階:あなたの生活に寄り添う4ショップ

 11階は「TSUTAYA BOOKSTORE」(ツタヤ ブックストア)、生活雑貨「中川政七商店」、手芸・アクセサリー「貴和製作所」、革鞄・革小物「土屋鞄製造所」の4店に、「au 渋谷スクランブルスクエア」が出店している。

 

「TSUTAYA BOOKSTORE」は新業態、ラウンジのような居心地の良さを兼ね備えたコワーキングスペース「SHARELOUNGE」(シェアラウンジ)を初めて設けた。

 売場面積は250坪で、スターバックスコーヒーとコラボした52席のブック&カフェが150坪。「旅は人を“クリエイティブ”にする」をテーマに、約2万冊の旅関係の書籍をそろえ、店内でコーヒーを飲みながら購入前の書籍もゆったりと選べる。

 有料で利用できる「シェアラウンジ」は100坪。90分1500円(アプリ会員は1300円)、会議室は60分1万円(同9000円)で利用できる。料金にはフリードリンク&ナッツが含まれ、18時からは有料でアルコールも提供。働く人にインスピレーションを与える137タイトルの雑誌の過去1年分バックナンバーをそろえ、読むこともできる。

 

「中川政七商店渋谷店」は旗艦店としての位置付け。“日本の工芸の入り口”をコンセプトに掲げ、過去最大となる約130坪で展開している。

 全国800を超える作り手とともに生み出した約4000点の商品をそろえ、ウエアや食品も展開。創業の地である奈良の町並みをイメージした店内を巡りながら、ものづくりの背景にある物語を見て・読んで・食べて・触って・感じることができる店づくり。店内中央では月替わりで企画展を開催する。

〈総括〉MDや情報発信力は評価、大人の女性にどう評価されるか

 ファッションゾーンはフロアによって機能が明確に分かれており、館の統一イメージはない。インバウンドも狙ったラグジュアリーブランドの集積や有力セレクトショップの導入は手堅い取り組みである。

 東急百貨店によるチャレンジングな売場づくり「プラスク グッズ」「プラスク ビューティー」「シブヤ224」は、MDや情報発信力は評価できるが、売場づくりは基本的に従前を踏襲しイノベーションを感じられないのが残念だ。いずれにしても、今後、渋谷の大人の女性にどう評価されるか注目したい。

 雑貨はそれぞれのショップが実力を発揮しており、デベロッパーとしての手腕を発揮しているわけではない。

 7階~9階のファッションフロアを、セレクトショップフロア、服飾雑貨フロアの2フロアとし、ワンフロアで編集型の売場展開に挑戦してみても良かったと思う。