〔撮影〕高橋稔

良質な油で病気のリスクを減らす

 脂は太るというのは昔の話。今や良質な脂を積極的に摂取することが新常識となっていますね。

 サバ缶のみならず、イワシ、サンマといった青魚にはサバに負けず劣らず不飽和脂肪酸ω-3系の「良質な脂」が含まれています。肉食をこれらの青魚に置き換えて摂取することで、これまで“血液サラサラ”効果で広く知られている血管疾患のみならず、2型糖尿病、そしてさまざまながんなどの死亡リスクが減少することが明らかになっています。青魚は、毎日食べて欲しい食材です。

 近年のサバ缶ブームで、魚介缶詰も充実してきました。皆さんはお試しになりましたか?

 今回はサバに負けず劣らず不飽和脂肪酸たっぷりの魚缶5品を食べ比べ。缶つまみブームも相まって、さまざまな高級缶詰もありますがあくまで「日常使いできる」ことを前提にスーパーマーケットやコンビニ、ネットで手軽に買える400〜500円前後までを目安にしました。サバもおいしいですが、イワシ、サンマなど食べ比べるとそれぞれのうまみの違いに改めて気が付くものですね。

 あくまで個人的な嗜好ですのでご了承ください。では、早速試食レポートといきましょう。

5位:セブンプレミアム 鮭ハラス焼 燻製の香り 55g

【図】デザインデプト東京9392 荘司邦昭

 おつまみでも人気の鮭ハラス焼き。ノルウェー産アトランティックサーモンを使用。缶を開けると、ハーブと燻製の香りが食欲をそそります。歯応えがしっかりしていて食べ応えのある一品でした。“アンチエイジングフィッシュ“こと鮭は、白身魚でありながら、DHA・EPAも青魚に次ぐ量を含む上に、ピンク色の強力な抗酸化成分アスタキサンチンとの相乗効果を誇るスーパー食材。毎日でも取り入れたい食材です。せっかくの良質な脂分なので、大豆オイルはよく切って、食べることをお勧めします。消化を助ける働きもある大根おろしやお好みで七味を加えると味が引き締まります。

 サーモンはサバやイワシなどの青魚に比べるとどうしても割高になるのは致し方ないのですが、サーモンの量がやや物足りないという印象で5位としました。

4位:セブンプレミアム いわし生姜煮 150g

 相性抜群のショウガとイワシのしょうゆ煮。ご飯が進む甘辛い味です。イワシの臭みもなく、食べやすい。イワシは骨まで柔らかくカルシウム摂取もできます。ただ、毎日食べてほしい魚料理としては、塩分と糖質が気になりました。1缶150g当たり食塩相当量が2.9g、これは、厚生労働省が定めた食塩摂取目標値8g/1日1日(女性7g/1日)の約4割近い数字。

 そこで血圧抑制の対策としてお勧めなのが、ワカメなどの海藻と一緒に食べること。豊富なカリウムや食物繊維が血圧や血糖値をコントロールしてくれます。

 血圧コントロールには酢をプラスするのも良いでしょう。イワシの脂っぽさをさっぱりとさせてくれます。

 塩分そのものを減らすことは重要ですが、野菜や海藻類を摂取することも有効。塩分を体外へ排出してくれるカリウムが豊富です。野菜類をプラスすることで、塩分が高くなりがちな和食も楽しめます。とはいえ、今後はスパイスやだしなどの工夫で減塩商品を期待します!

3位:カルディオリジナル いわしの水煮 190g

 カルディらしい、ポップなイラストの赤いイワシ缶。つい買いたくなります。食塩相当量は1缶190g当たり1.7gと控えめで好感が持てます。脂は強過ぎず意外にあっさりしている印象。いろいろなエスニックアレンジを発見するのも楽しいですね。

 スパイスには脂肪燃焼効果もあります。イワシは特に脂肪燃焼効果の高いEPAが豊富。お勧めの食べ方は、抗酸化作用の高いガーリックスライスや、カルシウムが豊富なチーズをのせて、そのままトースターで焼くだけ!おしゃれな缶なのでそのままテーブルに出しても素敵です。カルディのレモンやハーブ入りペッパー、カレー粉も代謝をアップさせるのでお薦め。イワシ缶で1缶200円程度とうれしいコスパ。

2位:マルハ月花さんま水煮 200g

 サンマもサバと同様の青魚、DHA・EPAが豊富です。さらに免疫力を高め、目の老化予防に働くビタミンAが豊富。旬の秋、夏の疲労回復にぴったりの魚です。サンマ缶詰は塩焼きや蒲焼き缶が多い中、DHAやEPAの損失が少ない水煮缶は貴重。塩のみ使っているので、調味料の糖質やオイル分も抑えられ、健康のためにはうれしいですね。

 食べてみると、臭みもなく、サバやイワシの水煮缶よりもあっさりとした印象でした。梅干しやシソ、ショウガを加えると、より食べやすくなるでしょう。食塩相当量は1缶200g当たり1.9gで、このシリーズのサバと同量に抑えてあります。

 1缶300〜350円とサバよりも少々割高ですが、生のサンマは年々不漁による高騰が話題になっていますから、疲労回復にサンマ缶詰を上手に使うのも一つの方法ですね。旬のサンマの塩焼きに勝るものはありませんが、栄養効率では缶詰も負けてはいません。DHA、EPA、ビタミンAともに、焼いて落ちる脂での損失は否めませんが水煮缶はその点、スープごと飲むことで損失なく摂取。また、骨まで食べられるのでカルシウムや骨周辺のビタミンB群まで余すことなくチャージできます。サンマメニューのバリエーションに水煮缶、お試しください。

1位:マルハ月花いわし水煮 200g

 堂々の1位。プリプリで、イワシの脂が乗っています。同じシリーズのサバ、サンマと比べてもまた違うイワシならではの濃厚な風味を味わえました。ゴロっと大ぶりな身は食べ応えも抜群。

 青魚の中でも血流改善によるダイエット効果が話題のEPAが豊富なイワシ。EPAやDHAといったω-3系といわれる不飽和脂肪酸は健康に良い脂なのですが、酸化しやすく、特有の臭みがあるのも事実。青魚の中でも脂の強いイワシはどうしてもオイル漬けや、味付け缶が多くなります。

 そんな中、この商品は塩のみのシンプルな水煮で、イワシのうまみがしっかりと感じられました。食塩相当量は1缶200g当たり2.3g。同じシリーズのサンマ、サバが1.9g。脂のクセが強いイワシはどうしても塩分が高くなります。キュウリの酢の物やワカメの酢の物を添えると、血圧抑制効果やイワシのカルシウム吸収もアップします。もちろん、栄養の溶け出した水煮のスープごとどうぞ。

 また、シンプルに青ネギやタマネギ、ニンニクをたっぷり加えても。おいしくなるだけでなく、これらネギ科に含まれる抗酸化物質の“アリシン“がイワシに含まれるDHA・EPAの酸化を防ぎ、ダイエット効果をアップさせます。また、消化を助ける大根おろしや梅干しとも好相性。

 ただ、スーパーマーケットやネットの価格を見ると、1缶200gで400円台という値段がややネック。濃厚なイワシ缶は満足感は十分あるので、1缶当たり少量サイズがあると購入機会が増えると思いました。

 いかがでしたか? 魚介は優れた健康食材ですが、毎日の食卓に取り入れるにはなかなか面倒な食材であることも事実です。缶詰は水煮のように、シンプルな原材料で余計な保存料が入っていないものも多いのです。効率的に栄養価が摂取できて、お財布にも優しい。何よりも、おいしく進化しています!

 最近の缶詰売場はバリエーション豊富。見ているだけでワクワクしますよ。お気に入りを探しに、一度売場をのぞいてみてはいかがでしょうか!