10月1日から軽減税率制度がスタートし、飲食店等での店内飲食(イートイン)は税率が10%、持ち帰り(テイクアウト)は8%になりました。店内飲食を主とする飲食店では「イートインとテイクアウトを税込同一価格で販売する店」と「税抜価格を同じにして税率で販売価格に差を付ける店(税抜価格+税)」とに分かれました。

 マクドナルド、ケンタッキーフライドチキン、すき家などは、イートインとテイクアウトとを同一価格にする際、イートインの税抜価格を、増税前より増税後に値下げをしています。

 例えば、マクドナルドの『ビッグマック』は、増税前は390円(税込価格)です。増税後もイートイン、テイクアウトのどちらも390円です。税込価格を増税前と同一にするということは、イートインの場合、増税後の税抜価格が355円になり6円の値引きになります(表参照)

 

 ケンタッキーフライドチキンの『オリジナルチキン8ピースパック』2390円(税込価格)になると、イートインの場合、増税前(税率8%)の税抜価格2213円、増税後(同10%)は税抜価格2173円になり、40円の値下げになります。

 結果的に、店側が2%の増税分を負担し、消費者の負担を軽減しているのです。

 しかし、こうしたことができる事業者は、体力ある一部の事業者に限られます。事業者にすると、食材は8%のまま据え置かれたといっても、食材以外の仕入材料は全て2%値上げ(増税)され、社員やパート・アルバイトの交通費などの一般経費も値上げされたのです。こうした経費は、商品価格に反映しなければ、大幅な利益減少になります。

 それは、マクドナルドやケンタッキーフライドチキン、すき家でも同じことです。このまま、増税分を負担し続けるのでは企業として成り立ちません。いつか商品価格を値上げせざるを得ないのです。では、値上げの時期はいつになるでしょう。

 事業者にすれば一刻も早く値上げしたいでしょうが、3カ月後の年明け、来年1月に値上げをしたのでは、あまりにも期間が短過ぎる批判を浴びるでしょう。キリがいいのは、年度替わりの来年4月でしょうか。それも、半年間だけの限定になるので「単なるキャンペーンだったのか」ということになりかねません。

 マクドナルドとケンタッキーフライドチキンは、遅くとも、来年、東京五輪が開催される直前の7月からは値上げをしたいでしょう。世界各国から来日する外国人の人たちが、世界的に有名なマクドナルドやケンタッキーフライドチキンを利用する機会は非常に多いはずです。この時こそビッグチャンスのはずです。

 ただし、そうなると、あまりにも露骨な「五輪目当ての値上げ」であり「国のキャッシュレス還元事業(6月末まで)が終わった途端に値上げ」ということになります。筆者は「一番可能性が高いのは来年10月」ではないかと思っています。1年間販売価格を維持すれば、お客にも「値上げは仕方ないな」と理解されるでしょう。

 筆者は、このタイミングしかないと思うのですが、果たしてそこまで我慢できるでしょうか。