先日、カフェを利用した際にクーポン券をもらいました。別の場所に出掛けた際に同じ店名のカフェを発見し、せっかくなのでもらったクーポン券を使ってみようと入店すると、使えないということがありました。

 理由は「発行店のみ有効」のクーポン券だったからです。納得して会計を済ませた後で店舗名だけが異なる全く同じ内容のクーポン券をもらい、何だかモヤモヤした気持ちになりました。

 また、別の機会にもドラッグストアで次回購入時に使えるクーポン券をもらいましたが、こちらも「発行店のみ有効」と記載がありました。さらに別の店では、店舗ごとにカードが異なるからとの理由で複数枚同じ系列のカードを作ったこともあります。

 いずれも各店舗での再来店を目的とした施策だと思いますが、全国規模のチェーン店での話です。お店自体はあちこちにあるのに、何だかもったいないなぁと感じました。

3種類のリピーターの存在「商品・店・人」

 

 リピーターには、大きく分けると3種類のタイプがあります。商品を好むリピーター、店につくリピーター、そして人につくリピーターです。

 どれを重視するかによって店が取るべき施策は変わってきます。商品を好む人にはメニューの見直しが有効ですし、店のファンを増やしたいなら店の立地や設備環境に注力すべきです。人につくリピーターを重視するならば、従業員教育などヒューマンサービスに力を入れるべきです。ただし、お客さまから見ればどの場合でも「リピート」には代わりがありません。

 前述した「発行店のみ有効」なクーポン券や会員カードは、この「店」のリピーターのみを対象としています。

「人」につく場合は結果的に同じ店をリピートすることが多いですが、その人が異動や転職をするとそれについていく顧客が出てくるケースもあります。 

「商品」についている場合、お客さまはその「もの」自体を必要としています。化粧品なら同じブランドの化粧品を、薬ならいつもの同じメーカーの薬、コーヒーならお気に入りのコーヒーを飲もうと店舗に足を運びます。

 そのため、「商品」が気に入っているお客さまは、出先などで毎回違った店を利用することも多いです。店側としては1店で買物してもらった方がデータ上、把握しやすいのかもしれませんが、お客さまにはそれぞれの事情や買う場所を選ぶ自由があります。そうであれば、ブランドや商品を好きな顧客をつなぎとめる工夫も必要なのではないかと思うのです。

 

 働く側から見れば「A店」と「B店」は大きな違いがありますが、大半のお客さまは同じ「〇〇ブランド」という見方をしています。「〇〇ブランドA店」と認識できているのは、よっぽどの顧客やそこで働く人だけです。

 クーポン券や会員カードを発行する判断をしているのは、チェーンストアであれば多くの場合が本部だと思います。本部としては自社のファンになってもらい、再来店につなげたいからこそクーポン券や会員カードを作成しているはずです。

 それならば、発行店のみと制限を設けるのではなく全店舗で使えるようにした方が、全体としての売上げや再来店率は上がるのではないでしょうか?

 もちろん、個店の常連客になってもらいたい、特典を使われ過ぎると赤字になってしまうなど、店側の事情もあるでしょう。しかし、そうすることで、「商品」についているリピーターを取り逃すことにもつながっているように感じたのです。同系列の全店舗で使えるとなれば当然、お客さまはより利用しやすくなりますし、どの店舗でも購買履歴が把握できるなど店側にとってのメリットも生まれてくるはずです。

 リピーターを獲得しやすいのは、商品、店、人の順番だと私は思います。まずは商品を好きなお客さまが、気持ち良く再来店しやすい環境を作ってみてはいかがでしょうか。