いよいよ来月1日より、消費税増税に伴う「軽減税率制度」が実施されます。日本初の複数税率導入により、小売業・飲食業・各種サービス業を中心に会計シーンが大きく変化します。

 店舗では、通常業務に加え、“軽減税率制度に対応したレジの購入や改修”、“価格見直しや税率設定”、“従業員への教育”などを行う必要があります。また、正しい対応ができていないと顧客満足度の低下や売上毀損につながる可能性も懸念されます。

 この連載では、店舗の皆さまが混乱することなくスムーズに10月を迎えられるよう、これまでもレジの選び方やレシート対応、キャッシュレス活用などについて、わかりやすくお届けしてきました。

 第7回は、「小規模店舗の皆さまが消費税増税・軽減税率制度を迎えるにあたっての最終確認」がテーマです。

店舗で取り扱う商品の税率を、今一度確認しておきましょう

 あと5日後には、店舗を経営、または管理される皆さまは軽減税率(8%)と標準税率(10%)に分けて、商品管理や経理処理、消費税の申告・納税に対応することになります。

「うちの店は軽減税率(8%)の商品しか取り扱わないから、今まで通り全て8%。何も変わらないから準備は不要」

「うちは飲食料品を全く取り扱わない業種だから、標準税率(10%)で一括対応するだけだよね」

「とりあえず、増税してから対応すればいいかなと思っている」

と考えている方はいませんか?

 でも、本当に準備は不要でしょうか? 以下の業種別の例を見てみましょう。

■青果店の場合

 野菜や果物のみを取り扱っている場合、全て軽減税率(8%)の対象となります。

 とはいえ、本当に飲食料品以外の、切り花や雑貨、ラッピングや宅配サービスなどは取り扱っていませんか?

 これらは、標準税率(10%)の対象となります。

■飲食店の場合

 テイクアウトや出前を行っていない飲食店の場合、全て標準税率(10%)の対象となります。

 とはいえ、本当に店頭で、野菜や加工食品などを販売していませんか?

 これらは、軽減税率(8%)の対象となります。

 

 いずれの例にも共通しますが、最終確認にあたって、まずチェックしていただきたいのは、「提供する商品・サービスに応じた税率を正しく理解できているか」です。

 その上で、買い手にきちんと請求する必要があります。

 次にチェックしていただきたいのは、「レシートが区分記載請求書等保存方式に即しているか」です。

 売り手に交付義務はありませんが、10月以降、買い手から発行を求められる可能性がありますので、対策が必要です。

※区分記載請求書等保存方式について、詳しくはこちらをご参照ください。

 他にも、仕入れの観点では、野菜を包むラップ材、惣菜をのせるプラスチック製ケースや発泡スチロール製トレー、それらを入れるレジ袋は飲食料品に該当しないので、標準税率(10%)が適用されます。

 つまり、仕入税額の計算では、“食品”と、これら包装材などの“食品以外”とを分けて処理する必要があります。

 ここから、『Airレジ』が、2019年8月末に5店舗未満の小規模店舗オーナー・店長1013人に実施した「消費税増税・軽減税率制度に関する店舗の意識調査」の結果を交えながら、店舗の準備状況や気を付けるべきポイントなどを解説していきます。

 調査結果からは、準備が必要と感じている店舗では、順調に対応が完了している店舗が増えている傾向がうかがえます。

 ここで改めて、皆さまの店舗の準備が万全かどうか、世の中の小規模店舗の準備状況と照らし合わせて確認いただければ幸いです。

税率8%・10%混在店舗では準備が着々と進んでいる傾向に

 軽減税率制度への準備状況に関しては、最も会計業務が煩雑になるとされる、税率8%・10%混在店舗の63.5%が「準備は完了・取り掛かっている」と回答。2018年11月の前回調査と比べ26.8ポイント増加しました。「準備は完了している」のみでは約3倍の増加となり、着々と準備が進んでいる状況がうかがえます。

 

 一方で、“8%のみの取り扱い店舗”と“取り扱う税率がわからない店舗”における「準備が必要と感じていない」割合は、税率8%・10%混在店舗に比べ、2倍以上となっています。

「準備が必要と感じていない」と回答した、税率8%のみを取り扱う店舗の中には、手運用での対応を決めている“本当に必要ない店舗”に加え、税率が変わらないため対応が不要と思い込んでいるなど“本当は必要な店舗”が含まれているケースもあると考えられます。

 一方、“取り扱う税率がわからない”「準備が必要と感じていない」店舗については、早急に税率を確かめて、その上で本当に軽減税率制度への準備の必要がないかどうか確認することをお勧めします。

(軽減税率対象品目の詳細は政府広報オンライン

 また “税率が変わらないため対応が不要と思い込んでいる”ケースについては、前回でも紹介したレシート対応が盲点となっている場合が多いことも分かりました。

※本記事内では便宜上、レシート、領収書、請求書をまとめて「レシート」、レシートの区分記載請求書等保存方式への対応を“レシート対応”と表記します。

レシート対応が盲点に。約半数は「知らない」と回答

 軽減税率制度の導入に伴うレシート対応については、54.6%が「知っている」と回答し、前回に比べ約1.5倍の増加となりました。しかし、その半面ではまだ約半数の45.4%が知らないと回答しており、盲点になっている可能性があります。

 

 レシート対応で気を付けなければならないのは、軽減税率制度導入後のレシートでは、新たに2つの事項の記載が必要になる点です。

1)軽減税率の対象品目である旨

2)税率ごとに区分して合計した税込対価の額

※レシート対応についてはこちらで詳しく解説していますので、ご覧ください。

 

 この中で、1)の「軽減税率の対象品目である旨」という事項については、軽減税率の対象品目に、例えば「※」で明示するなどして、レシートに表記することになります。

 8%のみの店舗の場合、「※」で明示する以外にも、「全商品が軽減税率対象」と手書きやスタンプで記載することも可能です。ただし、会計のたびに手書きやスタンプで対応するのは、店舗業務の負荷増加につながると考えています。これに対し、軽減税率対応のレジを導入すれば、レシート対応に関する業務の負荷軽減につながります。

軽減税率対策補助金の購入完了期限は2019年9月30日。急いで対応を!

 こうしたレジ導入の経費を補助してくれる、軽減税率対策補助金については、70.0%が「知っている」と回答し、前回調査に比べ約1.7倍に伸長しました。『Airレジ』の場合、補助金申請に必要なサービス証明書発行数がこの半年間で約4倍にまで急増しています。

 軽減税率対策補助金は、対象店舗であれば、iPadは1/2、レシートプリンターなどの周辺機器は3/4の補助を受けることができ、店舗のコスト負担を大幅に減らすことができます。

 補助対象機器等の売買契約やシステムの導入に係る契約が、2016年3月29日から2019年9月30日までに締結されたものが対象となっているため、補助金を活用して軽減税率対応レジを導入したいという店舗の方は、急いで手続きを始めるようにしましょう。

『Airレジ』の場合はカンタンな事前設定をして10月1日を迎えるだけ

『Airレジ』の場合、レジ機能は0円で、周辺機器に軽減税率対策補助金を活用すれば5万円前後で導入可能です。駆け込みで準備しなければならない店舗のコスト負担を大きく軽減することができます。また、『Airレジ』なら9月末までに機器の購入が完了している(領収書で確認でき、アカウント発行が済んでいる)状態であれば軽減税率補助金の対象になります。

 実際に、準備を終えたオーナーからは、操作のカンタンさを追求した「軽減税率のための事前設定画面」も好評で、「ものの数分で準備が終わった」「マニュアルなしで見たまま操作すれば設定が終わった」などの声も頂いています。

 こうした画面設定さえ済ませておけば、自動的にアプリがアップデートされ、安心して10月1日を迎えることができます。もちろん、盲点になっていると前述した、レシート対応も自動的に対応できます。

 

 いかがでしたか? 今回紹介した調査結果は8月末時点になりますので、現時点ではさらに準備が進んでいると予想されます。軽減税率対策補助金の申請期限も残り少なくなり、いよいよ消費税増税までのカウントダウンが始まった今、改めて準備が万全かどうかを最終確認していただく機会になれば幸いです。

『Airレジ』はこれまで、会計・決済にまつわるお店の業務負荷を軽減し、商業活動をカンタンにすることで、オーナー・店長による「自分らしいお店づくり」を応援してきました。

 10月からスタートする消費税増税・軽減税率制度への対応をはじめ、増税後も店舗の皆さまが混乱することなくスムーズに店舗運営ができるよう、支援を続けていきたいと考えています。

 消費税増税・軽減税率制度が世の中にしっかりと浸透するまでは、10月以降も本連載を通して有益な関連情報を分かりやすく発信し、皆さまの店舗運営や業務効率化のお役に立てるように、さらに邁進してまいります。