『人生100年時代』の超高齢社会を迎えて、生前の相続、整理、処分などから死後の葬儀、埋葬、供養まで、人生の終わり方を考え、自ら活動する「終活」に人々の関心が集まっている。高齢者も団塊の世代以降の世代から価値観が変わり、老後の生活も大きく変化、さまざまなウォンツやニーズに対応するサービスが展開され、終活ビジネスも活況を呈している。

 そうした中、情報やサービスを提供する終活サイトにも注目が集まっているが、使い勝手のよいプラットフォームを構築し、多種多様なメニューを提供して急成長しているのが2016年からサービスを開始した終楽。昨年度は売上げが倍増し、今期もさらに同程度伸びる予定で株式公開も予定されている伸び盛りの企業だ。

「お墓じまい」1㎡当たり5万7600円と業界最安値、「お仏壇じまい」も2万円からと格安で、トップクラスの利用がある。

業界最安値を目指し、料金体系を透明化

 取り扱う分野は多岐にわたり、メインの終活のプラットフォームと、「涙(なだ)そうそう」サイトで集客を図り、全国の約700カ寺以上の寺院や、約200社以上の石材店、終活サービスを手掛ける1300社以上の取引先と連携し、仲介事業を行っている

 葬儀、埋葬、供養の「涙そうそう」は基本、寺院の檀家でない人たちで単身者や子供たちに迷惑を掛けたくない自立性の高い生活者にターゲットを絞り込み、リーズナブルな価格でサービスを提供する。

 業界最安値を目指しており、料金体系を透明化、自社で同業他社との価格比較サイトも設けている。

 不当な追加料金防止のため前払い制度も導入。クレジットカード払いにも対応し、葬式、葬儀以外ではAmazon PayとLINE Payが使え、利便性を高めている。

 さらに、サービス利用後に、お葬式とお墓じまいでアンケートを実施し、サイトで公表。該当エリアの消費生活センターへクレーム情報を提供し、不当なオプションサービス料金を過払いした場合、提示料金を超える金額を返金し、安心・安全も担保する。

関連サービスが充実、ワンストップで提供

 最近、関心が高まる散骨では、山麓に散骨する「端山葬」やオリジナル企画も開発。「ドローン葬」も手掛ける計画だ。生まれ故郷に納骨する代行サービスも実施、故郷への遺体搬送や「ふるさと葬」も行い、サービスメニューの多様化にも力を入れ、新たな需要の掘り起こしも図ろうとしている。

 関連したサービスの充実も特色の一つで、魂抜き供養、仏壇処分、位牌・過去帳・遺影などお焚き上げ処分といった「お仏壇じまい」、位牌魂抜き、閉眼供養、送付や持ち込みの位牌永代供養といった位牌関連、手書き卒塔婆の作成にも対応する。

 また、葬式とは関係ないが、お守り、お札、位牌・遺影・過去帳、卒塔婆、アルバム、写真、人形・ぬいぐるみ・だるまなども、1500円からお焚き上げし、人気を集めているという。

 こうしたサービスを提供できるのは、全国の寺院と密接な関係を築き上げたネットワークがあるからで、これが同社の強みとなっている。

 さらに不用品や遺品の買い取り、家屋解体の無料見積もりサービスも実施し、ごみ処分も準備中。終楽の終活に関するサービス提供はあらゆる領域にわたっており、ワンストップの利便性を追求している。

グーグルのお客さま評価で5点中4.5点の高評価

 終楽では、終活に関するいろいろな情報を随時提供、寄せられる疑問にも答え、ともすればサービスの利用を躊躇する人たちにも安心感を与え、葬儀、供養などに関する不安を取り除く取り組みも強めている。その取り組みも評価され、グーグルのお客さま評価では5点中4.5点という高い評価。より信頼性を高めるために、最近になって僧侶も入社させるなど人材面も強化した。

「ペット葬」のサービスも手掛け始めている。ペット供養僧侶派遣1万5000円、天名(ペット戒名)授与1万円、ペット遺品お焚き上げ1箱5000円、ペット位牌1柱9999円、ペット永代供養墓1万円から(いずれも税別)など、こちらも格安でサービスを提供している。

 また、トータル終活プラットフォームの「終活これで良し!」も開設し、まず終活以前の過ごし方をサポート。人生の再構築に向けて、金繰り表作成、生涯教育、娯楽、実践的エンディングノート作成などのメニューを用意する。

 認知症対策や財産管理、介護、医療などの生活支援や、財産目録作成、相続手続、法定相続人、遺言書作成、生前贈与と贈与税などの相続に関するものもある。そして、整理・処分、葬送、死後処理まで対応する。

 さらに、「涙そうそう」のサービスに加え、関連商品と法事・法要、水子供養などのサービスを提供するネットショッピングサイト「終楽市」も設けて、非檀家の人たちの便宜も図っている。

「お客さま、特にお寺の檀家でない方、お寺さんファーストのスタンスで、お客さま一人一人のニーズにマッチング、世間相場以下の値頃価格を徹底し、数多くのオリジナル企画サービス・商品を提供する。サイトの見やすさ、使いやすさ、事前相談を前面に打ち出し、クレジットカード決済も可能にし、利便性の高いサービスを提供していきたいと考えています」

 こう語るのは、(株)終楽の伊藤俊吾社長。同社は元々はホームページ作成やクラウドサービス、システムサービス作成など手掛け、SEO対策でもトップクラスの実績を上げた、1999年創業の老舗IT企業だ。

送葬サービス分野での隙間対応戦略

 伊藤社長はユニーで経営トップに近いポジションで仕事をした後、同社で手掛けようとしたディスカウント事業を実現するため、起業し年商60億円まで大きくした企業家。その後、60才を超えてIT技術に精通した若い人たちの力を活用し、再び全く新しいビジネスに挑戦、事業を軌道に乗せ、後を彼らに託した。

 そして、新たに葬祭サービス事業に参入し、第3の起業を果たしている。今まで蓄積したノウハウをもとにITインフラを活用した企業運営を行い、葬送サービスによる『スマートシティ構想』への関わりを模索している。

 また、ユニー商品本部戦略スタッフの時から数えて40年以上関わってきたマーケティングのノウハウを活用して、葬送サービスフィールドでの隙間対応戦略によるオリジナル企画を多数提案していこうとしている。

「ビックデータを活用していますが、多くは信用していません。過去の経験とお客さまの動向による全体構築と個別フィールドのディレクションとフォーカスで勝負していきたい。売り手、買い手、世間の『三方よし』の経営で、地域に生活する皆さま、地域で葬送サービス業界に携わる関係者さんへお役に立てればいいと考えている」

 70歳を超えても伊藤社長は意気軒昂で、自身の終活はまだまだ先になりそうで、これからも生活者にとって便利で使い勝手のよい商品・サービスを提供、信頼性も高めて、この業界全体の地位を向上させていきたいと考えている。

 小売り出身の異色の経営者が手掛ける異色の終活支援サービス、今後どのような展開を見せるか興味深く見守りたい。