沖縄の伝統的な家屋に見られる赤瓦をモチーフにしたルーフデザインを採用。ヤシの木やデイゴなどの植栽もリゾートイメージを演出する。

 華々しくデビューしたサンエー浦添西海岸パルコシティを迎え撃つのは、沖縄本島中部に位置する県内最大のショッピングセンター(SC)、イオンモール沖縄ライカムだ。

 2015年4月に「アジアナンバーワンのリゾートモール」として開業。初年度こそ売上げ目標にわずかに届かなかったようだが、年間来場者目標の1200万人は達成。好調だった「オールドネイビー」が日本市場から撤退するという想定外の出来事もあったが、同店跡に17年4月に「H&M」を導入して売上げを伸ばすなど、前年の売上げを毎年着実に上積みしている。

「オールドネイビー」が日本市場から撤退したことから、17年にH&Mの沖縄1号店を導入した。

GWの大型連休前に増床リニューアル

 開業4年目の前期も堅調で、土地柄なのか米国ブランドが全体をリードした。サングラスの「オークリー」や帽子の「ニューエラ」、カジュアルの「ギャップ」「アメリカンイーグル」「フォーエバー21」などが好調だ。

 2階のストリートブランド「エクストララージ」、アウトドアの「モンベル」、「ムラサキスポーツ」、スポーツオーソリティのコンセプト店「コーナーズ」が連なるゾーンも良い。約60店と充実させた飲食店も売上げの約3割を占め、特に金・土曜日の夜は多くの人でにぎわうという。

2階の好調ゾーン。ナイキのスニーカーなどがよく売れる「コーナーズ」や向かいの「モンベル」、その隣の「エクストララージ」などの動きがいい。
飲食店の比重がアジアのSC並みに高く、飲食は全般に好調。特に4階「ジャンボステーキ ハンズ」、5階「焼肉なべしま」など肉類が人気だ。

 主力客層は子供のいるファミリー層。地元客は7割以上で、海外観光客(インバウンド)も多い時期には2割に上るが、国内観光客が想定よりも取れていないという。また3階の客数が少ないのも課題だ。

 平日は同SCがある北中城村(きたなかぐすくそん)を中心に沖縄市、うるま市、宜野湾市、西原町などの足元から集客。週末には南は浦添市、那覇市、南城市、北は名護市など少し離れた地域からも来館しており、商圏は本島全域に広がる。

 営業施策では地域に密着したイベントに力を入れている。沖縄市が本拠地のプロバスケットボールチーム『琉球ゴールデンキングス』と前期からオフィシャルパートナー契約を結び、シーズン前後のお披露目会や報告会、子供向けバスケット教室などを開催している。

 また北中城村は女性の平均寿命が国の調査で3回連続日本一であることから、2年前から『敬老の日』前後に数え年97歳の長寿の祝いであるカジマヤーのイベントを開催。該当者を招待し、館内をパレードしてもらった。

長寿を祝うカジマヤーのイベント。沖縄には生年祝いの習慣があり、「トゥシビー」と呼ぶ。数え年88歳は「トーカチ」、97歳は「カジマヤー」。

 5年目の今期は1階のピロティ駐車場の一部を店舗化する約8000㎡の増床を実施、4月26日にオープンした。既存棟の入れ替えと同時に新たに「ジーユー」や眼鏡の「レイバン」、生活雑貨の「フランフラン」「ニトリ」、台湾タピオカ茶の「コイティー」、ペットの「ペテモ」などを導入。「ユニクロ」は売場を1階に広げ県内最大の約550坪のメゾネット型に転換した。出足は想定以上に好調という。

大型連休を前に4月にピロティ駐車場の一部を売場に転換し、新たなショップを導入した。写真は眼鏡の「レイバン」(左)、生活雑貨の「フランフラン」(中央)、台湾タピオカ茶の「コイティー」(右)。

 また4階の一部テナントを入れ替え。6月20日に韓流グッズ「Kポップパラダイス」、21日に390円均一のファンシー系雑貨「サンキューマート」を導入した。

6月20日にオープンした韓流グッズの「Kポップパラダイス」。

 今後は引き続き、地域密着の営業施策を継続。6月上旬には『父の日』企画として『琉球ドラゴンプロレス』のイベントを開いた、17年に実施したアームレスリング大会の定番化も考えており、秋には東京オリンピック・パラリンピックに向けたイベントも検討している。

佐藤規正ゼネラルマネージャー。

 中心地の那覇市に近いパルコシティの開業は「少なからず影響がある」と佐藤規正ゼネラルマネージャー(GM)は見る。実際、ライカムにあるテナント45店がバッティングするという。

 しかし「競合よりも今来館されているお客さまの要求に丁寧に応えていくことが重要だ」と佐藤GM。メインターゲットであるファミリーが1日中楽しめるモールづくりをさらに進めていく方針だ。

  • イオンモール沖縄ライカム
  • 所在地/沖縄県中頭郡北中城村 アワセ土地区画整理事業区域内4街区
  • 敷地面積/約17万5000㎡
  • 総賃貸面積/約8万6000㎡
  • 階層/地上5階建て
  • 店舗数/約240店
  • 駐車台数/約4000台(敷地外駐車場含む)
  • 営業時間/10~22時(一部店舗は異なる)
  • 開店日/2015年4月25日
  • デベロッパー/イオンモール

 

 

※本記事は『販売革新』2019年8月号に掲載されたものです。内容は取材当時のものです。

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