街中のお店は、あらゆるお客さまが来店できるようになっています。ところが店としては「誰でもウエルカム」状態なはずなのに、お客さま側からは敬遠されてしまっていることはよくあります。店で働く側からすると、最初に感じた違和感はすぐに当たり前の景色になってしまうからです。

 実際、来店客には、いろいろな方がいらっしゃいます。子育て中で抱っこひもやベビーカーを利用するお客さま、車いすユーザー、杖をついている方、日本語の分からない外国人、キャリーケースを引いている人、既に他店で買物して大荷物を抱えている人など、さまざまな人が来店されます。

通路幅で来店率が変わる⁉

 総人口の減少が進む日本では、ターゲットを特定している店を除き、店の来店客層を広げていくことは不可欠です。あらゆる層に来店していただくためには、どんな方でも通行できる通路幅を確保する必要が出てきます。

 私が感じた中での一つの目安は「カルディの通路幅」です。行ったことがある人はイメージが湧くと思いますが、カルディは棚も高く、どちらかといえば商品が天井までギッシリ並べられているタイプの「狭い」お店です。一見するとベビーカーの利用客は、買物どころか入店すらしにくい印象があります。

 しかし一人用の大型でないベビーカーなら、店の奥まで押して入れるギリギリのスペースが設けられています。通路幅自体は大人が2人すれ違うにもギリギリなのですが、陳列の所々には「抜け」があり、抜け道のように他の列に移動できる場所があるのです。すれ違う際は1人のお客さまがそのスペースで待ち、譲り合って通れるようになっています。

 意外とこれだけの通路幅を確保できていない店は多いです。ショッピングセンター内にあるアパレルショップでも什器の設置角度の関係でスムーズに進めない、スーパーマーケットでも特売ワゴンがはみ出している(突き出し陳列)といったことはままあり、通路が通れないために店内を大幅に迂回せざるを得ないことはよくあります。

 店側には(什器が固定されていない場合は)最低限として「カルディ程度の通路幅を確保する」、また狭い場所ではぜひ、このお客さまをとどめておける「溜まり場」づくりを意識してみてほしいです。

 店に入らなかったお客さまは「通路幅が狭かったから入りにくかった」など、理由をいちいち教えてはくれません。「“何となく”買物しにくいお店だな」と思えば、そのまま店を後にされてしまうだけです。この連載では、そういったお客さまが店や商品、サービスに対して感じる非言語部分を丁寧に解説していこうと思っています。